ざっき2004-2005 (日記という噂も...)  無断転載を禁じます Copyright © 博幸 / Hiroyuki Hoshi

 

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20051228()

昨夜はほしけんの年末恒例の忘年会だった。調子に乗ってガブガブ飲んでしまった。大人数でやる鍋は楽しい。

昨年はK.T.嬢の攻撃を食らってえらい目に遭ったが,今回は無事に自宅に帰ることができた。しかし知立に行くバスの中で爆睡してしまい,運ちゃんに起こされた。電車の記憶や自転車の記憶はほとんどない。。。 帰り際にやったビール一気が効いた。

今年の仕事は今日でおしまい。よいお年を。

 

20051227()

サンタさんはヒカルに顕微鏡を,イツキにプラレールのサウンドスチームD51セットをプレゼントしてくれた。ヒカルに顕微鏡はまだ少し早いと思うが,身近にそういうものを置いておき興味が出たときにすぐに覗けるような環境にしておくことは悪くはないだろう。イツキのD51をヒカルが自分のおもちゃのようにして遊んでいる。きっとサンタさんはそれを見越して与えたのだろう。それにしても,最近のプラレールはすごい。私が夢中になってしまう。実はそれも見越してある?

プラレールで車両が脱線転覆することは茶飯事だが,本物の鉄道車両が脱線転覆するのはあってはならないことである。しかし今年はそういう事故が2件も発生した。春に起きた尼崎の事故は運転士の無茶な運転が引き起こした「事件」である。しかし,一昨日に起きた羽越線の特急いなほ脱線転覆事故はその理解が難しそうだ。

485系という重い車両をひっくり返すような風とは一体どんなものか? 庄内地方の冬は大変厳しいということは知っているが(学生時代山形に住んでいたときに冬の庄内ドライブをやったことがある),それでも日常的に特急電車は走っており,どうして今回あの場所でひっくり返ったのか? 突風が車両をまるで飛行機(揚力発生?)のようにしてしまったのだろうか? 複数の要素が複雑に関係していると推察されるが,いずれにせよ専門家集団による徹底的な原因の究明が望まれる。犠牲者の方々のご冥福をお祈りします。

 

20051223()

今日は冬の3連発。

(1)

またである。幸い今日は休日なので道路は混んでいない。カチカチのアイスバーンでノロノロ運転だが1時間ほどで大学に来ることができた。

岡崎では15cmほど積もった。この15cmという数字,我がボロボロアパートの自転車置き場の屋根の積雪量である。残っている雪の量は地面,家屋の屋根など場所によって異なる。自転車置き場の屋根が最も多い。地熱が届かず日陰でもあるためだろう。地面の雪は自転車置き場の半分しかない。この15cmという数字が岡崎西部の正しい積雪量だと考えられる。

私の車はスタッドレスタイヤに換えてあるため,この程度の積雪では走行に問題はない。相変わらずノーマルタイヤでチェーンも付けずにとろとろ走っている車が多い。こういう車の存在が事故や渋滞の主因である。今朝も田んぼにゴロゴロと車が落ちていたが,それらはすべてノーマルタイヤ。凍結するとわかっているんだから,いい加減にスタッドレスタイヤを買うかチェーンを付けるかすればいいのに。田んぼから引き上げたり修理したりするカネ(ドブに捨てるようなものだ)を考えたら,タイヤはそんなに高くないと思うけど。

(2) フィギュアスケート

スケートが好きだ。学生時代はよく滑りに行った。高校のときは毎日のように滑っていた。今は近くにリンクがないのでまったく滑っていない。

今,女子フィギュアがメチャ面白い。「女王」安藤美姫と,成長著しい世界の「ミラクル」浅田真央。こないだのGPファイナルはテレビに齧り付くように見入った。浅田の精神力はすごい! 安藤は精神的に乗り切ることができれば,実力はピカイチなのでオリンピックに行けるだろう。明日から全日本選手権が始まる。楽しいイヴの夜になりそうだ。個人的には中野友加里もいいんだけど。。。

(3) サンタさん

なのだな,明日の夜は。

 

20051222()

「人の短をいう事なかれ己が長をとく事なかれ」(芭蕉)

 

20051221()

イツキの夜泣きがひどい。毎夜である。特にここ10日ほどはひどい。もうどうしようもない。嫁さんはもちろん,私も睡眠不足。私は午後になると眠くなり,細かい仕事は困難になる。午後の授業はフラフラだ。確実に仕事に影響が出ている。

昨夜は激烈にひどかった。午前2時頃に夜泣きが始まり,それから朝5時頃までひたすら続いた。私は0時少し前に就寝したが,この夜泣きで起こされ,それ以降朝方まで眠れなかった。ギャーギャーという泣き声・喚き声が頭に響く。そのためか頭痛も出た。肩こりもある(就寝中に変に力んでいるようだ)。こうなると正直言って憎しみ感情が出る。もうどうしようもないので,4時頃に泣き喚くイツキを車に放り込んでドライブに出た。行き先のないドライブ。岡崎と豊田を行ったり来たり。ドライブして40-50分ほど経ったか,チャイルドシートの中でやっと寝た。しかし眠りは浅そう。ちょっとした衝撃で瞼がぴくぴく動く。私はお腹がすく。コンビニに寄ってスパゲティーを買い,やばい感じのレンタルビデオ屋の駐車場で食べる。寒いし,不味い。俺,何やってんだろう。。。

結局,頭痛がひどくて朝起きられなかった。今日の午前中は年休を取った。今日は朝一の電車・バスで大学に来て論文を書く予定だったのに。こんな時差ぼけみたいな頭じゃ論文なんて無理だわ。あーイライラ。

 

20051220()

NHKラジオが好きだ。最近は主に通勤時の車中で聞いている。ニュース,時事問題,英会話,そしてラジオ体操()など。

今朝はワーキング・プアについて解説があった。現在の労働市場はかつての一億総中流とは異なり,いわゆるエリート階層と貧困層に二極化されつつあることは知っているが,貧困層のうち,働いているけど収入が生活最低水準に達しない人々のことをワーキング・プアと言うのだそうだ。自由競争時代を象徴するような現象だな,と思った。

私が身をおく研究の世界でも,今後は研究資金の面でエリート階級とワーキング・プアに二極化されるのかな? いや,もうなってるって? それじゃ,俺はどっちだ? う〜む。。。 (その流れを望んでいるわけではないので,誤解なく)

 

20051219()

今朝は雪。岡崎も珍しく積もった。と言ってもベタ雪が5cm程度で,道路の通行にはまったく支障がない。

岡崎の自宅から刈谷の大学まで車で通っているが,豊田南部を過ぎたあたりから積雪がやや多くなった。そして大学は積雪約10cm。同じ西三河でも違う。恐らく境川を過ぎて尾張に入ったらぜんぜん違うのだろう。ニュースでは名古屋の積雪が22cmに達したと伝えていた。名古屋で22cmは大変なことである。

我が家は築30年超のボロボロアパートで,冬はとてつもなく寒い。RCの表面にビニールクロスを張っただけなので,断熱材も入っていない。最近流行の外断熱+コンクリート蓄熱工法は暖かいそうだが,断熱材のないコンクリート住宅はとても厳しいものがある。暖かい家に住みたい。

 

20051216()

重要な用件や残しておかなければならない事柄は文書で処理するのが常識である。口で言っただけでは後になって「言った。いや言わない! いいや言った!!」になることは必至。

逆に,残しておくとマズいこニは口頭で処理する。政治屋が高級料亭のお座敷を重宝する理由である。手紙やファックスは論外,またメールも記録が残る。電話も盗聴される危険性がある。

その時の感情をむき出しにして過激なメールを出す人がいる。「メールは残る」ことを知らないのかな? 知ってて出すなら仕方ないが,困ったものである。そういうメールも私は秘密のメール保管庫にきちんと残すんだけどね。ふふふ。まあ,私もあまり人のことは言えないけど(こんなとこに書くくらいだから)

 

20051215()

年賀状を書く余裕がないので,その代わりといっては何だがニュースレター的なものを発行することにした。第1号はここ。かなりくだけてます。

耐震強度偽装問題に関して昨日行われた証人喚問の様子を昨夜の報ステで見た。誰が見ても構造的犯罪だよなー。問題の構図が見えてきた。元一級建築士を許せないのは当然だが,彼の偽装に至った経緯を調べ上げ,関係する悪者を徹底的に叩いてほしい。バックにもっと大きな輩がいそうな予感もするが。。。政治屋とか。とにかく警察,本気になってやってくれ。

ところで,民主党の質問者(マブチ氏だっけ)はなかなかいい。強い芯を持っていそうな気がする。私欲を満たすのに躍起になっている某党の年配政治屋達とはかなり違う臭いがする。この代議士,覚えておこう。

さて,やる気が出てきたぞ。論文書こうっと!

 

20051214()

昨日から寒波の影響で日本海側では大雪とのこと。愛知,特に三河の平野部に住んでいる人間から見れば,「大変だな〜」としか思わない。三河の平野部はせいぜい雪がちらほらと舞う程度で,積雪は年に数回あるかどうかだ。そんな土地で積雪があると大パニックになる。田んぼに落ちたり塀にぶつかったりする車が続出する。

愛知と言っても三河と尾張ではまったく異なる。尾張の北西部は愛知における豪雪地帯だ。三河で降っていなくても尾張北西部は大変なことになっていることがある。尾張北西部に住んでいる学生は雪の影響で遅刻する,あるいは大学に来られないことがある。昨日も雪のために1限の授業に遅刻した学生がいた。

愛教大には岐阜県から通学している学生が結構いる。岐阜は愛知とは比較にならない豪雪地帯だ。降雪時,岐阜県民は大学にはまず来ない。というか多分行きたくても電車やバスが大混乱して行けない。今朝も岐阜は雪模様。

こんなことを書いている自分は,三河に来てから何とひ弱になったのだろうと思う。会津に住んでいた時には1mの積雪のなかを自転車で新聞配達していた。雪で学校が休みになることなんて考えられなかった。山形でも同じ。仙台はさすがに大雪が降ると大変なことになったが,それでも積雪は決して珍しいものではない。雪は生活の一部だった。雪がない冬なんて想像もしなかった。

しかし,雪が生活の一部ではない地方に長年住んでしまうと,雪国にはあまり住みたくないと正直思ってしまうのだな。

 

20051213()

昨日の事件について,家でヒカルに尋ねたところ,強く否定された。本当にやっていない様子。説得力のある反論であった。

ということは,イツキか? おい,君まだ1歳だろ?

ひょっとして,オレか?  。。。さて,研究しよっと。

 

20051212()

今朝の仕事は鍵探しから始まった。地学フロアの資料室の鍵がなくなった。居室,マグネ部屋,学生部屋をざっと探したが見つからない。週末にゼミや研究打ち合わせ等でバタバタしていたので,学生の誰かに貸しっ放しになっているのかと思い,学生にメールを送った。しかし見つからない。家に持って行ったかと思い電話で問い合わせたが,ないとのこと。どこかに落としたか? それとも週末に資料室に置きっ放しにしてしまい誰かに取られたか? 悪用されないか? あせった。

居室をくまなく探した。そしたら,あった! 「何でこんなところに」というところにあった。窓際の暖房の上の影(??)。私が鍵をこんなところに置くはずがない。考えた。たぶん,こうだ。土曜の昼に家族が遊びに来たのだ。当然ヒカルとイツキも来た。あいつらは顕微鏡を覗いたりペンや電池で遊んだりしていた。たぶん,ヒカルかイツキのどちらかに突然変な悪戯心が生じ,月曜日の朝に私を困らせようとして,使用頻度の高い資料室の鍵をわざわざ選んで見つかりにくい場所に隠したのだろう。。。

イツキはさすがにまだそこまで考えられないはずなので,やったのはきっとヒカルだ! 間違いない。奴め。

 

2005129()

測定3日目。サンプル数が少ないので進行が早い。今日はマグネタイトがきちんと見えると思われる日。しかし午後からゼミがあるので実験は午前中のみ。たとえゼミであっても,実験がインタラプトさせられるのは気持ちよくない(ゼミの日程を決めたのは自分なので文句言うのは筋違いなのだが)

学生時代や助手時代は用事が少なかったので,実験がインタラプトさせられることは少なかったと思う。いま,1日フルに実験に使える日は,夏休み等を除くとほぼ皆無。使える時間がどんどん少なくなる中で,逆境に負けず仕事の効率をあげて生産性をどんどん高めていける人が本当の意味で優れた研究者なのだと思う。そうありたい。

 

2005128()

キムワイプで鼻をかむと鼻が荒れる。痛い。これはやめた方がいい。。。

 

2005127()

今日から久々にマグネ測定。卒論生たちのサンプルに対して3IRMの段階熱消磁を行っている。今週末には終了させたい。どんな磁性鉱物が出てくるか楽しみ。

きのう書いたヤフーの天気指数について追記。ヤフーのページには「鍋物指数」というのもある(一体なんのこっちゃ)。名古屋の今日の鍋指数は70。高いのか低いのかもよくわからん。「ちり鍋,あんこう鍋はいかが?」だと。いいね〜。そういえば久しくあんこう食べてないな。

 

2005126()

ヤフーの天気情報に「風邪ひき指数」というのがある。どういう指数なのかよくわからないが(説明がない),おそらく気温差や湿度などから出している数字なのだろう。名古屋の今日の風邪ひき指数は70であった。怖い顔してグラサンかけた爆弾みたいな奴が4つも並んでいる(あまりセンス良くないなーー)。明日も爆弾が4つも並ぶ。どのくらい信じられるかわからない。けど,風邪恐怖症の私にとっては願ってもない情報である。

 

2005125()

やはり私は冬季に風邪を引きやすい体質のようだ。11月に一度引いたが,先週末からまた引いてしまった。1ヶ月に1度は引いている。手洗い,マスク,タオル使い分けなど,どんなに気をつけても引いてしまう。家族の中で誰かが引くと結局全員に移ってしまう。そんなものか,と諦めムード漂う。5月にえらい目に遭ったので(zakki 2005523),風邪に対して恐怖心を持っている。しかし,有効な防衛策はないようである。

今日,マグネ部屋でサンプル棚を整理していたら,小鳥の死骸が出てきてビックリ仰天。

 

2005121()

さあ,図を描くぞ! と思ってドローソフトを立ち上げようと思ったら,ソフトが壊れた。何度開こうと思っても開かない。結局,再インストール。更新ファイルなどのインストール(これが面倒!)も含めて30分ほど無駄になった。出端をくじかれやる気をなくす。結局今,アれを書いている。。。

いかんいかん,やろう。

 

20051130()

今日の午後は会議が5つも予定されている。憂鬱。

今週,来週,再来週と,ちょっと授業が多い。ゼミも含めると授業がないのは木曜だけ。新しい論文を書きたいが,少しの間おあずけ。。。ん,再来週すぎたらもう正月間近じゃないか! 去年の師走は「何やってんだ,俺」という状態だったが,今年の師走はより効率よく物事を進めたい。

 

20051128()

昨日もまた矢作川でバーベキューをやった。この季節,矢作橋からバーベキューをやっているファミリーを見かけたら,ほぼ間違いなく星だと思っていい()

 

20051124()

昨日は矢作川の河原で家族でバーベキューをやった。季節外れかと思ったが,晴天で風も穏やかでポカポカ陽気。ヒカルはバーベキューそこそこに得意の石投げ。イツキは石投げ初登板。その後みんなでフリスピー大会。

ヒカルもイツキも成長目覚しく,いつも新しい発見ばかりだ。子どもはすごい! 今週末にはヒカルの生活発表会がある。イヌの役らしい()。とても楽しみ。

DVビデオを間違ってヒカルの幼稚園運動会のテープに上書きしてしまった! とんでもない間違い。

 

20051117()

昨日の修士研究・卒業研究中間発表会は,質疑応答時間が大変短かったため,あまりコメントできなかった。私の感想や意見(全体的なもの)をまとめておこう。

(1) プレゼン技能をもっと磨け

ここ数年の間にプレゼンソフト(例えばppt)と液晶プロジェクタの普及によってプレゼンの質は大きく向上していると思う。どの発表もスライドは美しくできている。スライドに関しては大きな問題はないと思う。

以下に述べるような問題はあるものの,愛教大地学のプレゼンのレベルは恐らく全国の大学の中でも上位に位置すると思われる。教員の指導が適切であることもあるが,学生諸君が互いに切磋琢磨しあい己の技能を磨こうと意識していることの表われだろう。学生諸君はもっと自信を持ってよい。内容もトップレベルになるように努めてほしい。

ほぼ半数の学生は原稿に大きく頼って発表していた。ひどい場合は原稿丸読みもあった。原稿を読むとどうしても顔が下がってしまい,声が通りにくくなる。下を向いているため自信がなさそうに見える。原稿を読むことに意識が集中してしまうため,どこかで読み間違えると慌ててしまう。従って原稿を読むような発表は避けるべきである。わずか5分や10分の発表なのだから,100回くらい練習すれば原稿の内容など頭に入ってしまう(私が指導する学生には「スクリーンに写して100回練習しろ」といつも言っている)。徹底的に練習せよ。必ずうまくなる。

(2) 質疑応答を大切に

半数以上の学生は発表時間(卒業研究の場合は5)を超過してしまった。これでは質疑応答の時間が短くなってしまう。質疑応答は専門外の教員や学生から意見をもらえる「またとない」機会なのだ。自分の指導教員からはいつでも指導を受けられるが,そうでない先生から質問,コメント,アドバイスを受けられるのは,はっきり言って質疑応答の時間しかない。そんな貴重な時間を無駄にするような行為は避けるべきである。

専門外の教員や学生から出される質問に対して的確に応答できるようになってほしい。発表初心者にはなかなか難しい課題だとは思うが,自分の研究を本当の意味で自分のものにできていれば,自分の言葉で自分の意見を的確に言えるだろう。テーマは指導教員から与えられたものかもしれないが,あくまで研究は君自身のものだ。

(3) 自治体や学校にアンケートを行う場合に意識してほしいこと

最近,自治体や小中高に対するアンケート調査を行う卒業研究が増えている。それ自体は悪いことではないが,次のことはよく意識してほしい。それは,アンケート回答をお願いするだけでその解析結果や研究成果を自治体や小中高に還元できないような研究は大変失礼であるということである。これは結果的に自治体や小中高を「材料として使っただけ」になってしまう。

郵送によるアンケートではなく,実際に自分で自治体や小中高に出向いてインタビューすることが望ましいと私は考える。もし「そんなことをしたら面倒だ,手間がかかる」と考えているならば,それは君(や君の指導教員)の傲慢である。インタビューするとなれば,君は自分の研究目的や研究背景を相手に口頭で伝えなければならない。君にとっては大変かもしれないが,相手にとってはそれは有益であろう。相手は新たに知識を獲得できる。もちろん君もその調査から相手の意見を聞くことができる。

繰り返すが,材料として使うだけのアンケート調査は慎むべきである。必ず何らかの形で回答者に成果を還元すべきだ(報告書送付,研究集会での発表など)。相手がいるのだから,自己満足を得るだけの研究にしてはならない。

(4) 3年生諸君へ

「すげー」「うまいなあ」「下手だなぁ」「あの先生怖えーなぁ」といろいろ感じたかもしれないが,1年後には君が主役だ。あと1週間もすれば研究室が決定し,早いところではゼミも始まることだろう。大学生活もあと1年ちょっとである。卒業,そして社会への巣立ちを目前としている。緊張感を持って勉学に励んでほしい。ちなみに私の研究室では今月末から3年生もゼミに参加することになる。

 

20051115()

紀宮さまと黒田さんの挙式がいま帝国ホテルで行われているようだ。たいへん御目出度いことである。

帝国ホテルの結婚式とはどういうものなのだろう? 私みたいな庶民には想像もできないが。。。ということで帝国ホテルのウェディングプランをホームページでのぞいてみた。あらら,思っていたほど高くない。といっても普通のホテルの結婚式に比べれば高いけど。皇族と同じく帝国ホテルで結婚式を挙げたとなれば,自慢の種の一つになるであろう。教え子が帝国ホテルで結婚して,それにお呼ばれして行く可能性は,,,ないか()

 

20051114()

授業時間が90分では足りん! ペースが狂ってきた。来週はバッファーにしよう。120分にしたい。

今度の水曜は4年生とM2の中間発表会。その裏番組としてLittle Birdsというイラク戦争の映画が共通棟で上映される予定になっているらしい。何てこった! ああ,見たい。見たいけど見れない。中間発表も大事だが,そっちも大事な気がする。。。いや,見なければならない気がする。

 

20051111()

暦の上では冬。朝晩は寒くなってきた。我が家では樹が常時鼻水をダラダラさせ,嫁さんは咳をしている。樹の鼻水も嫁さんの咳も,感冒なのか,それとも他の疾患なのか,よくわからない。

私も先月下旬に,輝か前科者K.H. (学生)の風邪をもらい,それ以降あまり調子が良くない。昨日からなぜか鼻が急におかしくなった。また風邪か? それとも何か知らんがアレルギー反応か? 鼻水とくしゃみがひどくて眠りが浅い。今朝は4時にくしゃみで目が覚めてしまい,仕方ないので5時には研究室に入った。早起きして自分の仕事をするのはいいが,あまり早すぎると眠くなる。午前中に地震の教科書を1冊読破したが所々覚えていない。。。

今日から研究室で加湿器を使っている。ひょっとしたらレジオネラ属菌が生息しているかもしれないと思い,入念に洗浄。

 

2005119()

レジオネラについていろいろ調べているが,強酸性下で生息できないらしいことはほぼ間違いないようだ。5日に古畑ほか(2004)の結果を紹介したが,笹原ほか(2004: 感染症誌, 78, 545-553)も同様の結果を得ている。彼らは「温泉水がLegionella 属菌に汚染されにくい泉質としてはpHが最も重要」であると結論している。

 

2005118()

第一共通棟(愛教大の講義棟の一つ)の耐震改修工事がほぼ終了したようだ。外観はたぶんほとんど変化しないだろうと見ていたが,その予想が見事に当たった()。新機能が多少追加されただけで,基本的には従来とほとんど変化がないように見える。外壁も「どうして今の時代にこんなんなっちゃうの?」と悲しくなるくらい地味で安っぽい。もうちょっと現代風にできないのかなー? 同じ耐震改修工事でも他大学と比べると本当に「どうして?」と思ってしまう。お上はそこまで大学に格差をつけるのか

自然科学棟は今のところ改修の予定は全くないようだ。一般に鉄筋コンクリート製の構造物の寿命は60年前後とのこと。この建物はすでに35年が経過している。壁や床にはあちらこちらに亀裂が走り,雨漏りもあり,台風が来るとあちこちで水浸しになる。改修が先か,それとも東海地震や東南海地震が先か

 

2005115()

感染症学雑誌という医学系ジャーナルに昨年掲載された,温泉のレジオネラ属菌に関する報告『温泉水からのレジオネラ属菌の分離状況』(古畑ほか,2004)を読んだ。「日本秘湯に入る会」という温泉マニアの趣味的集まり(実は会員…)のメールでこの論文の存在を知った。

私にとって大変興味深い事実は次の2点である。

(1) いわゆる「かけ流し」の浴槽からもレジオネラ属菌が検出されたこと

一般にレジオネラ属菌は循環式浴槽で増殖すると考えられているが,この報告の結果は循環式のみならず従来少ないと思われていたかけ流し式もレジオネラ属菌の住処になっていることを示している。しかも,検出菌数(個体数)ワースト10の浴槽を見ると,その中の4槽がかけ流し式(そのうち3槽が内湯)という衝撃的な結果である。内湯のかけ流し浴槽は個体数が少ないと思われがちだが,この論文の結果はそうした「常識」を覆すものである。かけ流し温泉だからレジオネラは大丈夫,という従来の考えは大きく見直されなければならない。こうした結果になった理由として,著者らは次のように解釈している。すなわち,かけ流しでも源泉を一旦貯湯することによって貯湯槽内や配管内でレジオネラ属菌が増殖している可能性が考えられ,また冷鉱泉などで泉温が低い場合はろ過機のない循環を行って加熱しているため配管内でもレジオネラ属菌が増殖している可能性が考えられる(古畑ほか,2004)

(以下,私の見解) 源泉をタンクに溜めたり長い配湯菅を通したりすると,そこでレジオネラ属菌が増殖する可能性が高いのだろう。また,いくらかけ流しとは言っても浴槽や配湯菅の清掃を怠れば,レジオネラの温床(アメーバ,ぬめり)が形成されやすいと考えられる。湯に接触するところを毎日きちんと清掃し,そうした清潔な浴槽に新鮮な源泉をかけ流しにすることで,レジオネラ問題を抑制することができるのではかなろうか。また,循環式浴槽でも清掃を入念に行い(ドモホルンリンクルではないが毎日分解して清掃する,というくらいの気持ちを持って隅々まで清掃する),適切な殺菌消毒処置を行えば,問題の発生を抑制できるものと思われる(循環だからダメ,という単純な構図は成立しないだろう)。結局,手間はかかるが「清掃」がこの問題に対する最大の対処法であると思われる。

(2) pH3以下の温泉でレジオネラ属菌の分離率が低いこと

弱酸性〜中性の温泉水(分離率約27%〜約35)に比べ,pHが3以下の温泉水では分離率が約5%と顕著に低い。これは酸性下ではレジオネラ属菌が生息しにくく,レジオネラの危険性は比較的低いことを示唆している。

(私の見解) 酸性泉は水虫に効くと昔からよく言われているが,水虫菌のみならずレジオネラ属菌も酸性下で弱いようだ。強酸性のかけ流し露天風呂に入りたくなった。ああ,草津に行きたい。

 

2005114()

大学改革が迷走を極めている。どこに漂着するのかまったくわからない。どこにも漂着せずに沈没するかもしれない。

理念なき改革である。単なる数合わせ。自分たちの保身と現環境の維持への執着しか見えてこない。学生不在の議論。この大学は一体誰が主役だ?

現執行部(役員)は大学の将来ビジョンを本当に持っているのか? たとえ持っていたとしてもそれが全く伝わってこない。何のための役員か? ボトムアップと言うが,現在のようにヒラの社員達がバラバラの意志や希望を持っているような状況ではボトムアップは正常に働かない。こんな状況でボトムアップをしようとすればすべて折衷の何だかわからない解しか出ないことは歴史を見ればわかるだろう。強い信念と理念を持ったリーダーによるトップダウンが必要である。それを恐れていては改革なんてできやしない。

理科講座もどこへ行くのか全くわからない。来週初めには結果が出る見込みだが,どんな結果が出ようとも,それが一体誰のための改革かと言われれば誰も答えられないだろう。理念をしっかり持った人の意思や考えをできるだけ尊重する方向で議論を進めるべきだと私は考えるが,この組織ではそうはならない仕組みになっている。分野間にそびえ立つ途方もなく高い壁。誰も超えることができない。壊すことも。

専門がそんなに大事か? 学生を何だと思っているのか? 専門家育成教育をしたい,または自分の手足として学生を使いたいとしか思えないが。ここは名大ではないよ。私はこの大学は個別分野の専門家育成教育を目的としているのではないと思っている。ある専門に少し触れることで科学の奥深さと楽しさを少しでも理解し,論理的な思考力と問題解決能力を身に着けて教員をはじめとする社会へ出て行ってほしいと思っている。だから私は引き続き教員養成に携わることになろうが,別の新課程に出ることになろうが,どちらでも問題はない。自分の研究は学生に頼らなくてもやっていける。一人でも研究できる(地質学はこういうときに強いのだ)。ハンマーとクリノメーターさえあれば新しい研究ができる。学生を奴隷か秘書のように使うつもりは全くない。

せっかくある環境課程を簡単に捨ててはならないと思う。「環境」「自然」「フィールド」「防災」がキーワード。私の案が通ったか,それとも愚にもつかぬ方向に行ってしまうかどうかは,来週の今頃にはわかっている。

 

2005112()

「科学者は一般の人にわかるような言葉で研究の内容をもっと語らなければならない,それだけでなく科学者から一般の人へという一方通行でよしとする従来の考え方を変え,双方向のコミュニケーションこそを実践していかなければならない」。イギリスのロバート・メイ卿の言葉だという(高橋真理子『学術の動向』20048月号)

社会へ貢献するという視点を揩ツ,up-to-dateな話題を一般の人々に噛み砕いて伝える,科学的なものの見方を(自分の研究の宣伝ではなく)子どもや一般の人々へ教える,というようなことが大事であることはよく認識しているし,そういう努力をしたいと思っている。しかし,「双方向のコミュニケーション」というのは具体的にどのようなことなのだろう? それをよく考えよ,とお叱りを受けそうだが,今の私にはまだよくわからない。

 

2005111()

早いものでもう11月だ。去年の今頃も同じようなことを書いたけど。

後期の授業も本格的に始まり,限られた時間を有効に活用するために,今週から早寝早起きモードに切り替えた。大学の東門が開く6時少し過ぎに大学に到着。1限の授業が始まるまで3時間も使える。この3時間のうちに授業で使う資料のコピー,pptファイルの整理,教材の準備,雑用等をやる。

3年生の研究室配属がもうすぐだ。これを読んでいる3年生で,私のところに少しでも興味を持っている人は,次のことをよく承知しておいてほしい。これも読んでおいて。

(1) 毎週ゼミをやります。ゼミは大学における研究教育活動で極めて重要なものであると私は考えています。ゼミで科学的な考え方や発表技能を徹底的に鍛えます。そういう教育を受けたいと思う人はぜひ来て下さい。テキトーに卒業したいと思っている人も拒否はしませんが覚悟はしておいて下さい。

(2) フィールドに出ます。研究テーマによってフィールドの場所や仕事量は異なりますが,どんなテーマであれフィールドワークを多かれ少なかれやります。フィールドが好きだ,または面白い,または体力はあまりないけどマイペースでフィールドに出るのは苦にならないと思っている人はウェルカムです。フィールドなんて嫌いだ,やりたくないと思っている人も拒否はしませんが覚悟はしておいて下さい。

(3) 自律的に活動してもらいます。もちろん軌道修正は適宜行いますが,基本的には君が自主的に計画を立てて,自分で考え自分で行動して研究を遂行していきます。「次あれやれ,次こうしろ」とはあまり言いたくありません(実際にはけっこう言ったりしますが)。これを読んでワクワクする人はぜひ来て下さい。一人では行動できないような人も拒否はしませんが覚悟はしておいて下さい。

いずれにせよ,明るく,積極的に活動する意欲のある学生がいい。一緒にいい研究をやろう! 教育指導の実際については4年生に直接聞いてみるのがいいと思う。

 

20051028()

とうとう研究室にもゴキブリが出た。朝一で「さて,勉強するぞ!」と机に向かったら,デカいのが足元でひっくり返っていた。出端をくじかれた感じ。

現在,河川地形の勉強にはまっている。ここ23日,地形学がマイブーム。

 

20051027()

本学では来年度からBlackwell社の電子ジャーナルが利用できなくなってしまう。法人化に伴う予算上の困難がその理由だとか。とうとう来てしまった,というのが正直なところ。

私がBlackwellでよく読む雑誌はThe Island ArcGeophysical Journal Internationalだが,前者は地質学会の無料閲覧を使って今後も(たぶん)読める。しかし後者は読めなくなる。GJIにはマグネ関係の論文が多く出るので私にとっては重要なのだが。。。来年度からはタイトルとアブストだけ見て,面白そうな論文は他の大学や研究所から取り寄せることになる。紙の雑誌を購入する資金的余裕はない。

いちおうElsevier (Science Direct)はまだ利用できるようだ。しかしこれもいつまでもつことやら。Elsevierもダメになったら「氏ね」と言われたようなものか。。。

 

20051026()

大学改組絡みで,教養教育(またはliberal arts)について考えている。

東大演習林教授のの丹下 健氏(森林生理生態学)は『学術の動向』20057月号の中で次のように述べている。少し長いが引用しよう。「生活の中での実体験に乏しくまた初等中等教育課程での体験教育も十分には機能しているとはいえない状況にあることから,大学としては実体験に乏しく社会性も年齢相応には備わっていない学生が入学してくることを想定する必要があろう。 …(中略)… すでに様々な教育をうけ,過剰な情報を得てある意味で頭でっかちになっている大学生が対象の場合には,児童に対する体験学習の方法とは当然のことながら異なるであろう。大学生の知的好奇心を刺激して関心を喚起しながら,かつ実体験を重視した体験学習の構成が求められる。そのためには,フィールド科学の研究者の研究フィールドと経験を活用することが一つの選択肢と考える。つまり,自分の好きなように実験条件を設定できる実験科学と異なり,フィールド科学は現実の自然や社会が研究対象である。自然を対象とした場合,自然環境は場所によって異なり,たとえばその場所に生息する植物の種類を規定している環境要因も同一ではない。またそこでの現象は自然環境だけに規定されているのではなく,大なり小なり人間活動の影響を受けていることが多い。それが現実の社会である。その意味では,演習林や農場,牧場などの,人間の生活や生産活動を前提とした農学部の実習フィールドは,体験教育のフィールドとして最適なものの一つといえよう。」

やはりフィールドに根ざした研究をやっている人間は,分野を問わず同じようなことを考えているらしい。

 

20051024()

やっちまった。金曜だと思っていた授業が実は月曜だった(勘違い…)。何気なく自分の仕事をしていたら,突然学生が来た。

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「失礼します,先生,いつ授業が始まるんですか?」

「はあ? 何の授業?」

「地史学Bですけど

「え!? 金曜日でしょ?」

「え,いえ,金曜は地史学実験ですよ,もうみんな集まってます」

「え,え,うそ,何人くらい?」

「けっこういますよ,20人くらい

「え,うそ,え,マジ,なんで? ちょっと待って,うそ」 (と言いながら教務資料を確認し,青くなる)

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結局,何も準備をしないで授業をした。と言っても今日はグループディスカッションだけど。

この職業をはじめて9年目になるが,とうとうやってしまった。俺に限って絶対にしないと思っていたのに。。。 激しく反省。

 

20051020()

「表層地盤のゆれやすさ全国マップ」が内閣府から公表された。今日の朝刊にも載っていたので既にご存知の方も多いであろう。

我が家は矢作川の後背湿地帯にあるので表層地質は良くない。このマップでは計測震度増分が0.8-1.0のエリアに入ってしまう。地質や地震防災について教える立場の人間がそんなところに住んでいるとは何事か! と言われそう。矢作川の近くであっても岡崎の丘陵地(武節花崗岩が分布)や壁海面(碧海層が分布)は比較的地盤が良い。

嫁さんの実家はもっとひどく,計測震度増分1.0-1.65という最強エリアに入ってしまう。全国的に見ても最悪。あの辺はいわゆるゼロメートル地帯で(伊勢湾の湾奥で養老断層や環境変動の影響を受けて陸域と浅海域を繰り返してきたところ,場所によっては平均海面高度よりも低い),日光川やその他の河川の後背湿地でもあり,さらに場所によっては干拓地でもある。地学的立場から言えば,本当は人が住むべき地域ではない。

ヒカルが小学校に入学する前に,より地盤が強固な場所に引っ越そう。学生に偉そうなことを言う前に,まずはわが身を直さなければね。

 

20051019()

後期の2年生の授業は,高校地学の教科書を参考書的に利用して固体地球科学の基礎を学習することにした。単に教科書の内容を教えるだけなら高校と同じになってしまい,それではあまり面白くないので,教科書の記述内容から(私が特に興味を持っている)いくつかの題材を選んでそれを掘り下げて解説する。

この授業の準備をするために,現在出版されている高校地学(地学I, II)の教科書をすべて購入した。見比べると,内容は大きくは異ならないが,構成や項目取り扱いの力の入れ具合などにけっこう個性が出ているように感じられる。例えばT書籍やD学習社のものは紙面を大胆に使って多くの図表を盛り込んでいる。地学図表集として活用できるかもしれない。S出版の教科書は従来型の大きさで図表もそれほど多くないが,ストーリー性があり読んでいてけっこう面白い。

よく言われることだが,高校地学程度の知識を一般市民が共通して持っていれば,環境問題や自然災害に対する考え方や意識は現在とまるで異なるに違いない。どうして高校では地学を教えないのか,このままでいいのか,我々はどうすべきなのか,そうした点について今度の第1回目の授業では学生とディスカッションしてみよう。

 

20051018()

科研費の書類は,一部電子化されたといっても手間は以前とほとんど変わらない。大量コピー,右上隅をマジックで色づけ,左端を糊付け せめて糊付け作業だけでもなくしてもらいたい。この単純作業は脳が溶けそうになる。秘書さんを雇いたい

採択を信じつつ,とても丁寧に,心を込めて糊付けする私。

とある英文をインターネット上の翻訳にかけた。「この標準が線に性格の数に置く2つの限度が,あります。CRLFを除いて,998の性格とSHOULDがほんの78文字しかそうしないより,性格MUSTの各々の線はもうないです。」 キター!

 

20051014()

サイエンス最新号にディープインパクト計画(彗星に人工物をぶち当てた実験)の観測特集が出ている。その中のある論文は,なんと共著者の数が約200人! いくらなんでも,これはちょっとやり過ぎじゃないの?

 

20051013()

うーん,マグネのソフトの使い方がわからん。あー,統計キライ!

 

20051012()

今日は,何だか,とても疲れた。

仕事したっ! てな感じだけど,実は自分の実になるようなことはほとんどしていない。

明日は論文書きたい。。。今夜はもう帰ろう。

 

20051011()

古い文献を整理していたら,上田誠也氏の『プレートテクトニクスに対する反論を検討する』という論文が出てきた。学部4年のときに上田誠也氏にはまって論文を集めていた。たぶんその時にコピーして,それっきりになっていたのだろう。中身はタイトルからだいたい想像できるが,面白そうなので読んでみた。以下,アンダーラインを引いた部分(私にとって少しだけ重要と思われる部分)を引用してみよう。

* …いつまでもプレートテクトニクスは仮説か,理論か,仮説ならば教えないほうがいいかもなどと言っていては遂にどうにもならないことになる。そもそも,教科書に書いてあることがすべて真理だという発想はおかしいのではないだろうか?プレートテクトニクスというものの見方を教えることと,それですべて解決したとすることは全く別のことではなかろうか。 (←もっともである)

* プレートテクトニクス反対論の大御所ジェフリース先生によれば,理論なるものは三つの部分からなる。(1) 仮説Pを立てる。(2) Pの帰結q1, q2, …を考える。(3) q1, q2, …を観測事実によって検証する。Q1, q2, …が検証に合格すればPは確認されたことになる。そのようなqの数が増大すればPはいよいよ確からしくなる。しかし,そのうち1つでも明らかに事実に反するならばPは捨てられるか改良されるべきである。私はこれは当然の理と思うし,大方の考え方とも一致するだろう。私としては,もし,qの中で事実と反するものがあった場合には,Pからqへの推論に誤りがある可能性もあることを指摘したいところであるが。 (←これももっともなことである)

* …ある倍率の望遠鏡でみたら,これこれのものが見えたというようなものである。だから,更に高い分解能でみた場合に非剛体的な性質が見出されても別に驚くことも,困ることもない。それが困るといって,プレートテクトニクスを攻撃する人がいたら,その人こそ,科学を教条化する人ということになる。とにかく,すべての科学上の結論には,つねに有効の限界があり,しかも,それらはつねに疑いに値するのである。ニュートンの万有引力則にして然りであろう。しかし,そういって何もしないのでは進歩はない。正しいものと仮定して,論理を進め,どこかで破綻をきたすことによってはじめて進歩が生まれるわけであろう。 (←これもまことにもっともなことでございます)

* ベロウソフなどによれば,海洋底の地磁気縞模様すらが,マントルからの熱作用が海の周辺から海嶺に向かって順次おこり,現在海嶺部が熱的に活性化しているという解釈をうけることになる。これもいかにもありそうもなく思えるが,仮説として全く成立たぬことを証明するには少々厄介かもしれない。岩石の放射年代をリセットし,堆積物を一掃してしまう類の熱作用(彼はこれを大陸地殻の海洋化作用と同一視しているようでもある)が次第に海のまん中に向かって進行するなど,ファンタスティクですらあるではないか。 (←むむ,さすがベロウソフ)

 

2005107()

今年の科研費で買ったパルスマグネタイザーがやっと届いた。小さなコイルに瞬間的に電流を流して強い磁場を発生されるだけの単純な装置なのに,普通車新車1台が買えるほど高い。これで地下の大型電磁石と5階のマグネ部屋との間を何度も行ったりきたりする労働から解放される。

これでうちのラボには基礎的な磁気実験をやるための一通りの機材が揃ったことになる。小さな競争的資金を獲得しながらコツコツと揃えた。最後に欲しいのは2GSQUID磁力計だが,これは弱小貧乏大学であるがゆえに無理(買えたとしても維持ができない)

 

2005105()

オサムシの話.前にどこかの雑誌で見て面白いなと思ったが,その時はそれで終わった.しかし先日神戸で尊敬するO先生がこの話題を語るのを見て,一度しっかりレビューしようと決めた.というわけでここ数日,科研費申請書類と平行して(というか,申請書きが嫌になって逃避行動として)オサムシ関係の論文を集め,読んでいる.Journal of molecular evolutionとかMolecular Biology and Evolutionといったバリバリ生物系の雑誌に出ているので,細かい専門用語がわからん! 久々に辞書片手に格闘している.学生時代,単語1語ごとに辞書を引いて苦しんでいたのを思い出した.

分子時計の原理がいまいちわからんが,どうもtime constraintsとして地学的な年代情報を使っているようだ.すなわち分子時計から推定される年代(分子系統樹における分岐のタイミング)の確度は大山脈の形成年代,水系の形成年代など,結局地学的な年代情報の確度に依存するらしい.地質学において年代は最も基本かつ重要な情報であるが,単に地学の問題を解くためだけに重要なのではなく,こうした異分野の研究をやる上でも重要な情報なのである.

 

(追記) 学内の事務職員から次のようなメールが届いた.

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先生方へ

守衛さんがマムシを捕獲したので,もし研究等に必要な方はいただけるそうなので,守衛所まで直接連絡してください。

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Σ( ̄;;;)!!

いるか! 一体どこで捕まえたんだよぅ...

 

2005104()

神戸のワークショップでは楽しく酒を飲めた.やっぱり酒を飲むのが最大の目的だったような気がする.

神戸に行ったついでに久々に淡路島に渡った.淡路島には10年前に兵庫県南部地震の調査で行ったが,それ以来ご無沙汰であった(四国に行く途中に通過したことはあるが).野島断層の断層保存館を訪れるのが目的.保存館訪問記については後日レポートする.

科研費申請の季節.今年から申請方法が大きく変わった.電子申請と言うと聞こえはいいが,はっきり言って面倒.記述欄の分量も大幅に増えた.スペースが増えたからといって文章でぎっしり書いたら誰も読む気をなくすよね.少なくとも私はそんなの読みたくない.ということで,なるべく大きな字で,図もまじえて,素人にもわかるように美しく書いてみよう.

今書いているところ.今日中に書き終えたいと思っているが,分量が結構多くて終わらんかもしれない.頼む,当たってくれーー!

 

2005926()

付属高校の生徒が大学見学にやってきた.短い時間だったが地質学の魅力と重要性をアピールしたつもりだ.

高校で地学を履修していないのは仕方がない.それは生徒諸君の責任ではなく我が国の教育界の責任である.ゆえに高校生が地学の深い部分を知らないのも仕方がない.しかし,これからの時代,地学に関する知識がますます重要になるのは明白だ.特に地質学の重要性がますます大きくなっていくことを私は強調したい.

勉強に早い遅いはない.高校で地学を学んでいないけど実は少し興味を持っている君,大学で学べばいいのだよ.高校で物理や化学や生物を学んでいるなら,今はそれをしっかり勉強しよう.そして大学に入ったら,高校で得た知識をベースにして私達と一緒に地学を懸命に学べばいい.

さて,明日からは神戸.神戸は久しぶり.

 

2005923()

15にも書いたように,自然科学棟5階の男子トイレの床の排水溝にゴキブリがいる.いつもは穴の中に潜んでいるようだが,たまに鉄蓋の隙間から触角を出して外の様子を探っている.いるとわかっていながら用たしに行かなければならないのは嫌な気分である.

バケツで水を流せばどこかに流れ去っていくだろうか? だが中途半端な水量では流れるどころか沢山のゴキブリが驚いてワシャワシャ出てくるかもしれない.とんでもないことになる.きっと大量に流さなければならない.賭けだな,これは.

 

2005922()

これまで中心的研究課題として行ってきた古地磁気によるテクトニクスの研究から,より地質学を重視した研究課題に取り組もうと考えている.研究の主軸をフィールド地質学に移すということだ.私にとって特段新しいわけではない.院生のときは地質学を中心にやっていた.ただ,旧来の「地質学のための地質学」をやりたいとは思っていない.地球物理学や地理学といった地質以外の分野や一般社会にとって有益な地質学をやりたい.本気でそう思っている.

そのためにも,現在継続中の研究を超特急で進行させ,溜まったデータをどんなジャーナルでもいいから出し切ってしまわなければならない.身軽になりたい.業績云々,国際誌云々なんてのはどうでもいい.はやく新しい分野の勉強をしたい.

古地磁気測定や岩石磁気分析のエキップメントを一通り揃えた途端,古地磁気/岩石磁気から足をあらう(というのは言い過ぎで,軸足を地質に移すということ)のはもったいないと思われるかもしれない.しかし,新しくやりたいことができたのだから仕方がない.古地磁気/岩石磁気は今後の研究で生じた問題を解くために補助的に使うことになるだろう.Partial ARM, IRM decompositionなどのかなり専門的な岩石磁気実験にはあまり興味がなくなってきている.

来週神戸で行われるインターナショナル・ワークショップ(というか,ただの飲み会という噂も…)の準備をしている.今週中に何とか終わらせたい.発表20分の予定だが,またオーバーしそうな予感.地質学会でも過激にオーバーしてしまったばかり.まあ,飲み会だからいいか!? この発表を機会に,設楽のマグネもいい加減に投稿しなきゃ.新しい研究に取り組むためにも.

 

2005916()

「チクリ苦情大会」 (地区陸上大会)

「今年から貝が胃に棲み始めました」 (今年から海外に住み始めました)

「寄生虫で重体だ」 (帰省中で渋滞だ)

「生ゴミが産卵しています」 (生ゴミが散乱しています)

大笑い (↑o↑)ハハハ

日本漢字能力検定協会が「変漢ミスコンテスト」ニいうのをやっていて,その一部が今日の新聞に紹介されていた.ウェブ上でも紹介されている.本当に変換ミスで出たのかどうかその辺はよくわからないけど,面白いからいい.

前に学生のレポートを読んでいて「凝結尿海岸」というのがあり大爆笑したことがある.正しくは「溶結凝灰岩」.変換ミス+タイプミスの作品.

 

2005915()

自然科学棟はゴキブリが大量に出る.毎日でる.たまに女性の悲鳴が聞こえるが,それはきっと虫系に弱い女子学生が不意にゴキブリに遭遇したからに違いない.

今日はトイレの床にある排水溝からワシャワシャと出てきた.さすがに驚いた.用をたしているときに出てきたので逃げることができず,頼むから俺に近づくな! と用をたしながら祈った.こんな所に生息していたのかと新たに認識.

 

2005914()

地質学会のpptファイル作成完了.やはり論文になった内容だと準備が楽.ついでに月末のワークショップの準備も早めに終わらせてしまおうか.

せっかく巡検に行ったのにレポートを出さずに単位取得を放棄する学生がいる.毎年必ずいるが,今年は多い.一体どうしたことだろう.もしこれを読んでいる君が該当するならば,次のことをよく心にとめてほしい.

レポートを書くのは大変だ.特に巡検レポートは教科書やインターネットを調べて片付くようなものではなく,君が自分の言葉で書かなければならないから尚更大変だ.しかし大変だからと言って途中で投げ出したら,君はもう伸びない.

レポートを書くということは,露頭で観察した事実,そこで考えた解釈,みんなで議論して導かれた結論などを要領よくまとめるということだ.この作業を通して,それまで断片的だった知識が有機的に結びつくようになる.不思議なもので,頭ではわかったつもりのことでもいざ書き出すと筆が進まないことがよくある.それは「わかったつもり」のことが実はよくわかっていないからだ.書き出して実はよくわからないことに気づき,そこでもう一度フィールドノートを読み返したり教科書を調べたりして,何とかしてわかろうとする.この営みを勉強という.私が必ずレポートを課すのはこうした真の勉強を君にしてほしいからだ.レポート作成を放棄することは,実はよくわかっていないことをわかろうとする営み(勉強)を放棄することだ.その結果,君はいつまでたってもわからないままになる.それでいいのか?

悔しかったら,書きなさい.自分を伸ばすために.

 

2005912()

去年の今頃も同じようなことを書いていたが,レポート地獄である.

学生の巡検レポートの感想欄に「大変だったけど」「非常に辛い3日間でした」「ハードな3日間でした」「野外実習がこんなに辛いものとは」などというネガティブ文言が文頭に書かれているのを見て情けなくなり,読む気をなくす.しかし今日読まないと来週の地質学会のプレゼン準備ができない.

確かに暑かったのは事実だが,あの程度のフィールドワークで「大変」「ハード」「辛い」などと軽々しく言ってほしくない.大型バスも通れる道沿いを少し歩いただけで,ハードだなどと言ってほしくない.きれいなトイレもあって途中でジュースも飲めるような巡検コースを歩いただけで,非常に辛いなどと言ってほしくない.自分の体力不足と経験不足による困難を,地学という学問や教員のせいにしてはならないと思うが,如何?

3日間,一生懸命露頭を観たことで,教科書1冊分くらいの知識が頭に入ったのだから,「フィールドワークはなんて素晴らしいのだろう」と思ってほしい.地球の歴史を紐解き,地球を理解するための基礎的な知識と技術が3日間で習得できたと思えば,暑かったことくらい何てことはないだろう.

 

200598()

古地磁気夏の学校でのレクチャーは,やはり��備時間不足でまともな話ができなかった.

「東北大作戦 秋!」は予定していたサンプリングや地質調査を実行でき,こちらはまずまずの成果.

今回入った温泉をメモしておこう.

瀬峯坂温泉 宝珠の湯

平成15年にオープンした新しいセンター系日帰り入浴施設.大きな建物に広々とした駐車場.はじめ見たときは「はずれかな〜」と思ったが,さすが東北,センター系とは言っても実力はなかなかだ.入浴料は500円.

広々とした敷地に,大きなお風呂,広いロビー,食堂,大広間などを備え,快適にくつろぐことができる.飲食の料金も良心的.従業員の接客も良い.風呂は内湯のみで,大浴槽,小浴槽(ぬるめの湯),サウナ,家族風呂などがある.内湯からは窓越しに大きな庭園が見え,露天があるのかなと思って行ってみたら何もなかった.残念.

大浴槽は極めて大きく立派で50人程度は楽に入れる.その大きな浴槽に湯がかけ流され,オーバーフローした湯が広い床面を薄く鏡のように流れていく.源泉の温度が高いため大浴槽に注がれる湯は加水されているという表示があったが,それにしてもこの巨大な浴槽を贅沢にかけ流しでやっていくということは相当湯量が豊富なのだろう.他方,小浴槽(ぬるめの湯)は比較的小さいが,それでも10人くらいは入れる大きさを持つ.この浴槽は源泉100%かけ流し.湯を相当絞っているためオーバーフローの量は微々たるもの.

湯は等張性の含弱放射能ナトリウム・カルシウム塩化物泉.pH = 7.9(弱アルカリ性),源泉温度は59.5,総量約8.4g/kg.無色透明でごくわずかに白濁,薄塩味,焦げたゴム臭()が感知され(表現が難しい),新鮮な湯はイオウ臭がする.ヌルヌルはない.これといって強い個性はないが,よく温まる湯である.愛知だったら最上位にランクされるだろう.

北上山地の某鉱泉

北上山地にある小さな鉱泉.地元の人々が自分達のために作った手作り鉱泉である.現在の施設は2004年に作られたものだそうだが,温泉自体はずっと昔からあったらしい.別名「たまご湯」という.あまり多くの人が押し寄せると大変なことになるので正式名称と場所は伏せる.

入浴料は500円.内湯のみ,浴槽はタイル張りで56人で一杯になるような小さなもの.そこに注がれるのはpH10 (アルカリ性,地元の人による情報)の恐らく単純泉.低張性冷鉱泉を加熱循環して利用.多少ヌルヌルあり.湯は無色透明で無味無臭.湯にはこれと言って個性はない.

特筆すべきことは,この鉱泉が明治以来こんこんと沸き出でる自噴泉であるということ.田んぼの真ん中で湧き出しており(15L/minとのこと),それをパイプで引いて一旦源泉タンクに溜めてから利用している.地元のおじさんに源泉を案内していただいた.源泉は冷たく(恐らく10),タマゴ臭がする.源泉を飲んでゲップをするとタマゴ臭がするということから「たまご湯」と名づけられたそうな(地元民による,本当かいな?)

これと言って特徴のある湯ではないが,山間の鄙び系鉱泉ということで記憶に残る湯になりそうだ.なお,どうしてこの場所に鉱泉が沸き出でるのかについて地元の方々と議論した.私の解釈を披露したら地元の方々は「長年の謎が解けた!」と感激していた.ウソは言っていないつもりだが,今後私の解釈がどのようにねじれ曲がって伝わっていくのか,そしてそのねじれ曲がった解釈が私の名とともに休憩所に張られたりすることを想像すると,少し怖い.

 

2005831()

今日こそは夏の学校のプレゼンを準備するつもりだったが,突然,尊敬するO先生からワークショップのお誘いがあり,日程調整やそのアブストを書く作業で時間がなくなった.「東北大作戦 秋!」の準備もしていない.何やってんだ,俺 もうだめ.まあ,どうにかなるさ.

オーハシの仕事は東北日本の従来のテクトニクス観を一変させるようなインパクトを持っているかもしれない.まじで.テラニシの結果もオーハシと似たようなものになった場合はグレート!

 

2005830()

まずい,夏の学校のプレゼン準備が終わらない もう時間がない.まあ,どうにかなるさ.古地磁気プロの人たち,今のうちに謝っておきます,ごめんなさい.

たとえ夏期休暇中であってもまとまった時間なんて取れないことにあらためて気づく.その理由の半分は自分にあるのだが.今の職にあり続ける限り,そして今のスタイルで仕事を続ける限り,この状態は続く.時間が取れない中で最大限の努力をして論文読みや論文執筆の時間を確保し,自分自身を磨くしかない.当たり前のことだが,あらためて気づく.

久々に論文を投稿.そういえば前にリジェクト食らったやつもそろそろリライトしてどこかに出さなきゃ.

 

2005825()

来月初めにつくばで古地磁気学の夏の学校が行われる.毎年恒例の行事だが,今年は基礎から応用まで幅広く古地磁気学の魅力を学生や院生諸君に知ってもらおうという趣旨で開かれるらしい.私は古地磁気学のテクトニクスへの応用という内容の話をしなければならない.少し古地磁気をかじったことのある人ならば,古地磁気を使ってどのようにテクトニクスに迫るかということくらい,少なくとも基礎原理くらいは知っていると思う.私の話は「学部生にもわかるように」という注文が付いている.さて,どの程度のレベルの話をすべきか・・・? 偏角とは,伏角とは,などという説明からはじめたら院生や研究者は鼻糞をほじりだす.教科書に詳しく書かれているようなことはいちいち解説したくないというのが本音.そもそもテーマが広すぎる.うーん,どうしよう,学会発表よりも難しい仕事を引き受けてしまったようだ.

明日から紀州巡検.その準備もしなくちゃ.そして夏の学校が終わったら,その足で「東北大作戦 秋!」に出撃することになっている.その準備も.これから2週間はドタバタしそう.

今日は台風が接近するらしい.愛知から見て東のほうを通過する見込みなので,大きな影響はないものと予想される.

 

2005820()

眼鏡のコーティングがクラックだらけで擦りガラス状態になったので,仕方なく新しい眼鏡を作ることにした.今かけている眼鏡は5年ほどもった.眼鏡屋のおっちゃんの説明によれば,あまり知られていないがプラスチックレンズは一般に34年が寿命(とレンズメーカーが言っているらしい)とのこと.ここ1ヶ月ほどの間に一気に擦りガラス状態になったので温泉が原因かと思っていたが,眼鏡をかけて温泉に入る私に過失があるわけではなくレンズ(厳密にはコーティング)自体の寿命である可能性がある.また,7月末から8月前半にフィールドをガンガンやったので,寿命が近付いたレンズが真夏の直射日光で一気にやられたという可能性も考えられる.いちおう,今使っている擦りガラス眼鏡を温泉/風呂専用眼鏡にして,新しい眼鏡は温泉/風呂では使わないつもり.なお新しい眼鏡は明日出来上がる予定.

コーティングにクラックが入るのは,レンズ本体(プラスチック)とコーティング(金属薄膜らしい)の熱膨張率が異なることが原因.プラスチックは約60以上の高温になると体積が増えるが,それに張られているコーティングは変化しない.そのためコーティングには引張応力が加わりクラックが生じる.

コーティングの熱膨張率をプラスチックと同程度にできないものか? そうすればクラック問題は解決されるに違いない.技術的にそれほど困難であるとは思われないが(素人なのでよくわからん).もしかしたら技術的にはとっくに解決済みだが,それを出すとメーカーの利益が減るので(眼鏡交換の頻度が低下する),意図的に公開していないのだろうか?

 

2005819()

今度の衆院選にライブドア堀江氏が出馬することになったらしい.しかもあの郵政反対象徴的存在の亀井静香氏と同じ選挙区で.何を企んでいるのかよくわからないが,私的には出馬を歓迎.メチャ面白いじゃない? と言っても選挙区が違うので投票できないけど.

北海道では,あのムネオ被告が新党を作った.ムネオの主張を聞いていると昔も今もまったく変わらない(利益誘導政治).北海道だけよければいいのか? 松山千春にはガッカリ.

今回の選挙は自民党というコップの中の嵐,各種ねじれ現象,首相の手法の荒っぽさなど,不可解な点や問題点が沢山あるが,基本的には「この国をどうしたいのか」という点で各党やグループの主張には違いが見られ,投票先にはあまり困らない.私はもう決まっている.

 

2005818()

(1) いつものように新潟経由ルートで帰省したが,今回は往復とも混雑のピークと重なってしまい,行きは11時間,帰りは12時間もドライブする羽目になった.みんなヘトヘト,樹に至ってはチャイルドシート嫌いになってしまったみたい

(2) 樹が変わった! あんなにおとなしくてお人形さんみたいだったのに,帰省期間中に見る見る暴れん坊乳児に変貌してしまった.1歳になった頃は輝もすごかったが,それを越えているかもしれない.存在感ではお兄ちゃんを凌駕する日も近い?

(3) 昨日はラグーナ蒲郡に遊びに行った.Tokyo Disney Seaをとても小さくしたような施設だが,なかなか楽しい.輝は噴水ショーに興奮.トレイントレインには3回も乗った 私的にはトレジャーハンティングのような絶叫モノが好きだが,しばらくの我慢.9月にまた行きたい.

(4) 何だか最近,日本語のスパムメールがとても多くなった(スパムの1/3程度).「お久しぶりです」「ご無沙汰しております」「貴方が指名されました」といった件名で来るものは全部スパム.何が「ご無沙汰しております」だ,君とはずっとご無沙汰したいよ! と言いながらこれらのゴミを消去するのにいつも時間を取られている.メッセージルールを適用してもすべて抹殺できるわけではない.どうにかならないものか・・・ 他のいくつかのホームページで私のメールアドレスが公開されてしまっている.まずはそれの削除依頼を出すべきかな.

 

2005810()

書きたいことは山ほどあるが,レポート添削や成績評価に追われて余裕がない.メモ程度に書いておく.

先週: ホーライ実習.天候に恵まれ順調に進んだ.皆よく頑張った.怪我人が出たのが残念.

先週末: 岡崎花火大会.矢作川でバーベQをしながら鑑賞.夏を満喫.

今日: 地学実験のレポート添削にほぼ1日費やす.大多数の学生が小学生程度の文章表現力しか持たないことに溜息.毎年のことではあるが.一人一人に丁寧に朱字を入れてやりたいがそんな余裕はまったくない.このまま小学生程度の表現力で教員/公務員/企業人になるか,または卒業までのどこかの段階で大人に化けるか,それは本人の意識と努力次第.

書きたい論文がいくつかある.9月になったら少し書けるかな? あー,書きたい.

 

200582()

明日から3日間,2年生の野外実習(巡検).諸君,俺について来い! フィールドの楽しさと奥深さを教えたる! 暑さに負けるなよ!

 

200581()

無事,大学に戻ってきた.

今回のクルーズは波が非常に穏やかでほとんど揺れず,至極快適であった.夕食ではステーキ5枚食べて自己レコードを更新.前々回のやられたときと同じ船でリベンジを果たせた.オオシに見せたかった.嬉しくて酒を飲みすぎ,寝覚めはあまりよくなかった.

 

2005730() <出張先にて>

今夜は1000年の歴史ヨる鳴子である.宿泊は「姥の湯」という温泉宿.鳴子では「滝の湯」という共同湯と並んで古い湯であるという.自炊部に宿泊した.昭和初期〜中期と思われる年季の入った(ボロい)部屋に通された.空調設備は皆無.扇風機は有料(500).部屋に電話もない.コンセントすらない.現代の生活様式に慣れた人間にとってこういう何もない部屋は新鮮である.自炊部の宿泊料は13000(素泊まり)

姥の湯には4種類の異なる泉質の湯がある.すべて自家源泉とのこと.しかし湯はすべてライトで(1g/kg前後),成分の濃さという点では特筆すべきものではない.しかし同一敷地の中でこれだけバラエティーに富む湯が出ることは大変驚きである.今夜はこの4種類の湯を楽しみ,さらに滝の湯にも足を運んだ.滝の湯までは徒歩で約5分.以下,鳴子の温泉メモ.

滝の湯(共同浴場) 温泉神社の脇,鳴子を代表する有名な共同湯.7本の木製樋を通して湯が浴舎に送られる.樋を伝ってきた湯は浴槽に湯滝となって流れ落ちる.男女別の内湯のみで広くはない.入浴料は150円だが,姥の湯で無料入浴券をもらえたため無料で入浴できた.浴槽は2つ.1(手前の大きいほう)はやや熱め,もう1(奥の小さいほう)36程度?でぬるい.湯はわずかに緑がかった白濁,美しい色.透明度は1m程度.強い硫化水素臭.少し酸味がある(pH2.8).好きな湯である.泉質は酸性含硫黄NaAlCaFe(II)-硫酸塩泉(硫化水素型)

こけし湯(硫黄泉) 含硫黄Na-炭酸水素塩・塩化物泉(低張性中性高温泉)63.5,約1.4g/kg.鄙び系の狭い浴室で私の好きなタイプ.木製の浴槽は34人で一杯になってしまうほどの大きさ.源泉が高温であるため湯を絞って入れている.湯口には硫黄がびっしり付着.浴槽縁も硫黄沈着物で白色化.硫化水素臭が強い(滝の湯よりも強く感じられる).わずかに緑がかった白濁湯.透明度は約30cm.色は滝の湯と似ているがこちらは無味で酸味も感じられない.やっぱり硫化水素型の白濁湯はいい.

義経風呂(芒硝) NaCa-硫酸塩・炭酸水素塩泉(低張性弱アルカリ高温泉)60.0,約1.2g/kg.やや広めの浴室.湯は無色透明,無味無臭(わずかに硫黄臭があるように感じられたが硫黄泉の後だったため鼻がおかしかったかも).この湯も源泉温度が高いためチョビチョビ湯が注がれていた.それでも浴槽に張られた湯は熱め(44程度か?).愛知ならばこの程度の湯でも秀逸だが,ここでは非常にライトな湯に感じられてしまう.浴感はあまりない.

旧姥の湯(露天風呂) Na-炭酸水素塩・硫酸塩泉(低張性中性高温泉)54.2,約1.4g/kg.男女共用の比較的大きな露天岩風呂.時間帯で男女を分けている.景色は良くない(塀によって空しか見えない).湯は無色透明で微硫黄臭+金気臭あり,少し鉄味あり.約1.4gとライトだがこの宿では硫黄泉に次いで好きな湯.夜,一人だけで涼を感じながら湯を浴びる快感.無心になれる.

姥の湯(単純泉) 低張性中性高温泉,44.2,約0.9g/kg.やや大きめの浴室に扇型の浴槽がある.単純泉と言えども湯はわずかに白濁,金気臭+弱い硫化水素臭が感じられる.湯の成分によって浴槽のタイル表面は茶色くなっている.

5つの湯に入って大満足であった.ちなみに今夜の夕食は卵とじ蕎麦.美味しかった.

そうそう,昼間には鬼首に立ち寄った.鬼首は学生時代に何度か通ったことはあるが,立ち寄るのは初めて.長く滞在して温泉を楽しみたいが,また今度の機会にしよう.今回は吹上温泉の間欠泉と地獄を見た.入浴はできなかったが簡単な調査は行うことができた.

間欠泉「弁天」 硫化水素臭あり.無色透明.味は不明.熱湯らしいが吹き上げた飛沫は冷却されて雨のようだった.約10分毎に吹き上がる.当然入浴不可.

間欠泉「雲竜」 これも硫化水素臭あり.無色透明で無味.低張性中性高温泉ではなかろうか? 激熱であった.これも約10分間隔で吹き上がるが,高さは弁天に劣る.これも入浴不可.

玉乃湯 2つの間欠泉の間にある自噴泉.これも無色透明で無味.僅かな硫化水素臭あり.これも激熱,アッチッチ.入浴不可.

大露天風呂 間欠泉を泉源とするらしいが詳細は不明.大きな風呂.無色透明,無味,ごく僅かに硫化水素臭ありか? いずれにせよライトな湯.入りたかったがタオルがなく,また観光客が多数覗きに来るので断念.「覗き」観光客が絶えないので女性の入浴は困難だろう.人間は覗きが好きであることを認識.

吹上沢の地獄 大小様々な熱湯自噴が見られる.いずれも激熱で硫化水素ガスを放つが,湯はライト.温泉マニアにとっては地獄ではなくパラダイスである.写真撮りまくり.寺と早にも自噴泉の素晴らしさが理解してもらえたと思う.沢をせき止めて湯だまりを作れば入浴できる(ただし温度調整は難しそう)

 

2005729() <出張先にて>

サンプリング終了.結局,今回のサンプリングでは1号機と2号機(予備)2台のエンジンドリルを使用し,2ニも故障した.最初のフィールドで1号機が故障.恐らくボールベアリングが破損したものと思われる(1号機は同様のトラブルをこれまで2度も起こしている).そこで2号機にバトンタッチし,今日までサンプリングを行ってきた.今日の夕方,溜池の脇の足場が極めて悪い場所でコアリングを行っていたら,急にアイドリングがきかなくなった.そのうちエンジンがかからなくなった.2号機は同じようなトラブルを昨年も起こしている.クラッチが焼き付いたか? 結局,今回のサンプリングはドリルの故障によって終了という後味の悪いものとなった.それでも一応目標は達成できたからいいのだが.2台とも寿命が近いのだろう.そろそろ3号機を購入しなければならない.カネをどうにか工面しなければならない.

今日は農家のオヤジからトマトをもらった.これも前日書いたように「東北大」作戦()のおかげ.オヤジ,とても美味しかったよ.久々にトマトの味がするトマトを食った.

今夜はクルクル寿司.100円皿ばかり10枚.

 

2005728() <出張先にて>

暑い.今日はカンカン照りの中を調査・サンプリングだった.しかし暑くても愛知のようにジメジメしていないのが救いだ.今日は6サイトで採取できた.明日も同程度の仕事をしたい.

私有地でサンプリングするとき,この地域では「東北大」と言うと大抵の人は快く許可してくれる.「前に東北大にいて今は愛知にいる者ですが,研究のため」と言うのである.ウソではないので罪はない.そうすると「出身どこだい?」「うちの孫も東北大に行っててな」などと話が盛り上がるのだ.これを「愛知から来た者ですが」と話を切り出すと警戒されてしまう.警戒されるとその警戒心を解くために長々と仕事の目的や内容を説明しなければならない.制約された時間の中で仕事をする身としてはその時間ロスはけっこう大きい.母校はこういう場面で役に立つ.

今夜は五目あんかけ焼きそば.ちなみに昨夜は餃子定食.

 

2005726() <出張先にて>

「台風が来るとひどくなるから別の宿に移って」と宿の女将に言われた.家屋全体が緩く傾動を受けた()ような宿だったので,確かに台風が直撃したら大変かもしれない.傾動が進んで直立またはoverturnしてしまったら大変だ().ということでやむなく予定より1日早くチェックアウト.午前中に1地点だけサンプリングし,午後に学生と一緒に鍾乳洞を観光,夜にいつもお世話になっている公共の宿に入る.突然申し込んだが空室があってよかった.

しかし今回の台風,予定のコースよりも東に逸れたようで,予想されたような大きな影響は出ない模様.たぶんあの宿も傾動が進むことはないだろう.私たちの仕事にも影響は出ないと思われる.

急遽予定外のコースを移動することになった.また大沢温泉の近くを通る.大沢は春に入ったばかりだから別の温泉に入ってみたい.そこで近くの志戸平温泉を目指す.ところが志戸平は宿が老朽化したため全面改修工事中.そこでやっぱり大沢に入ることにした.

大沢温泉 やっぱりこの温泉の佇まいは素晴らしい.特に自炊部と菊水館は天然記念物級である.愛知万博で古い家を展示してなぜか人気を博しているようだが(そんなに珍しいか? まったく見たいと思わんが…),そんなのとは比較にならない.大沢温泉は湯浴みに加えてこの風情を感じることに意味がある.今回は大沢の湯(自炊部の混浴露天風呂)と豊沢の湯(山水閣の半露天風呂)に入った.浴槽の縁に腰掛けてボーっと山河を眺める.何も考えない.無心で湯に身を委ねる快感.体が少し冷えたら桶で湯をかけてまたボーっとする.これを何度も繰り返して1時間ほど入浴.心が洗われる.やっぱり本物の温泉は素晴らしい.こないだ入った加賀井温泉のように湯がグレートなのもいいが,大沢のように湯はライトだがそれ以外の部分で満足感が得られる温泉もまた格別である.さらに大沢は従業員の接客態度も特筆に値する.

大沢温泉の近くに院生時代の後輩の親御さんが暮らす家があるそうだ.前にホームページを見て素敵な生き方だと思った.一度お邪魔してみたいが今回は急だったのでどうにもならない.また機会があれば(というか多分機会を作るかな),お世話になってみたい.

今夜はミルキーウェイでハンバーグ+サラダバー+スープバー.生野菜を食溜め.

 

2005725() <出張先にて>

Baked contact test用のサンプリング完了.サンプリングはうまくいった.どういう結果になるだろうか.楽しみ.

調査&サンプリングは順調に進み,このフィールドにおける目標は達成できた.明日は台風の影響で荒れるらしいので多分休むことになるだろう.台風の中を次のフィールドに移動する予定.

今夜は野菜炒め定食.野菜をたっぷり食べた.

 

2005724() <出張先にて>

疲れた 台風が接近しているので明日は気合を入れてサンプリングだ.今のところ順調.

こちらに来てからアレルギーが強く出ている.愛知を発つ頃は絶好調だったのに 梅雨の季節はいつも調子が悪いので(ここはまだ梅雨が明けていない),やはり季節性の鼻炎だろうか.

今夜は冷麺.

 

2005723() <出張先にて>

平行岩脈群を発見.早速ルートマップを作成したD今回のフィールドノートはソフトカバーなのでルートマップが描きにくい.失敗だ.密集度は5/100m程度と高く,岩質も類似しているため,活動タイミングはほぼ同じと思われる.マグネのデータが得られれば同時期かどうかわかるだろう.これでサイト数は充分確保できることになった.

お昼過ぎに学生たちと合流.彼女たちが最初に経験した露頭は岩石がきわめて堅硬で,サンプリングに何と2時間もかかった(いろいろ教えた時間も含む).うーん,今後どうなることやら

今夜は焼肉定食.

 

2005722() <出張先にて>

午前中に移動し,お昼過ぎにフィールドに到着.昼食後さっそく山歩き.新しいスパイク地下足袋を履いて気を引き締める.けっこう急峻な地形.久々の沢登りだ.ジャブジャブ.

予想通り露出が良く,baked contact testができる露頭を3箇所も発見した.これは予想以上の収穫.但しどの露頭もジャブジャブしなければならず,学生たちは耐えられるか? もう8月になろうというのに日中でも気温が20に達しない.水も冷たい.学生たちはいきなり地質調査の試練を味わうことになるだろう.学生たちとは明日合流することになっている.

小雨がぱらつく中を沢歩きしたので体が冷えた.温泉があったらいいのになーと思いながら車を走らせていると,偶然,温泉を発見した.温泉といってもこの辺りでは湯は出ないはずなので冷泉だろう.しかし非常に興味がある.もちろん行った.

ひきめ乃湯 蟇目集落から細い林道を車で45分登ったところにある秘湯一軒宿.うーん,風情は私好み.しかし山を登ってきたということが気になる.多くの場合,良泉(特に自噴泉)は沢沿いや海沿いにあるものだ.大丈夫かな,と思いながら玄関をくぐる.

入浴料は385円.何だこの中途半端な金額は 女将に聞いたところ,以前は350円だったが入湯税が加算されるようになったのでこうなったとのこと.

男女別の内湯のみ.浴槽は大きめのポリバス.沸かし湯をポリバスに溜めて使用している.源泉温度は10.5とのこと.湯は無色透明,無味無臭,ごくわずかに濁っているが単に湯の汚れなのかもしれない(溜め湯なので…).浴感は乏しい.ツルツルもべたつきもない.普通の風呂のような感じだ.成分表も掲示されていない.しかし地元の人はこの温泉()を大変愛しているようだ.先客に聞いたところ,非常に温まるし特に怪我には非常に良く効くとのこと.ここの歴史は古く,発見は明治時代.昭和初期に開通した山田線の建設工事のとき,血まみれの怪我人がここで湯治をしてすぐに良くなったとのこと(本当かいな?).ただし年々薄くなっており,水量も減少していて土日以外は男湯か女湯のどちらか一方しか使っていないらしい.どこかから自噴していると思われる冷水(沢水)をタンクに溜めて利用しているとのこと(女将による).浴感を気にせず秘湯が好きだ,という人にはいいかも.

今日の夕食はくるくる寿司.

 

2005721() <出張先にて>

今日は移動日.途中2箇所で温泉を調査した(楽しんだのではなく調査したのである,誤解なく…).場所は書きません.

加賀井温泉 一陽館

盆地の縁に位置する鄙び系温泉.もとは温泉旅館だったようだが,現在旅館は営業しておらず日帰り入浴のみ.3階建ての古い木造家屋が休憩所として利用されているようだ(私は入浴のみ利用).入浴料は300円.

管理人と思われるおじさんに入浴料を払いに行ったら「初めてか?」と聞かれたので「初めて」「温泉が好きでここも前から入りたいと思っていた」と答えたら,「俺はマニアのような温泉好きは嫌いだ」「ここはそんな奴らが来るところじゃない」「真剣に湯治をする人が来るとこだ」と先制パンチ.少しムッとしたが,ここは素直にハイハイと話を聞く.この方,言葉は少々厳しいが,源泉の性質やこの温泉の歴史を詳しく説明してくれた.泉源の脇にある源泉溜め枡で,「頭を突っ込んでみろ」と言われたのでそっと頭を入れたら,「もっと奥まで!」.グイッと奥まで入れた.途端,ムッと来るような炭酸ガス.あまりの濃度に息が苦しい.源泉は炭酸で沸騰したような泡立ち状態.すごいの一言.苦しくなって頭を上げたら,おじさんは源泉の化学的性質について語り出した.専門用語を使った説明.相当詳しい.話し中もじっと目を見て話している.管理しているだけの単なるおじさんではなさそうだ.

風呂は内湯(男女別各1)と露天2(混浴).毎分400Lの湯が贅沢にかけ流されている.循環・塩素投入なんてされているはずがない.

内湯は長細い浴槽の脇に脱衣場がある.析出物がすごい.浴槽の縁が析出物によってテラス状になっている.木製の浴槽と思われるがコンクリート槽のようになってしまっている.美しい.床も一面に析出物が生成している.床の析出物はきちんと掃除されて平らに削られているが,削らなかったら千枚皿になっているはず.湯治の方が多いということなので歩行を考えて削っているのか? 湯は薄い鶯色で濁りあり,透明度5060cm,適温,泡つきが見られる.湯面に張った薄膜が湯の濃さを静かに物語っている.味もすごい.口に含むとまず炭酸刺激があり,その後強い塩味,鉄味,及び土類風味が続き,最後に苦味がくる.濃厚だ.成分表によると成分総計は約14g/kgで高張性.浴後はべた付き感がある.適温なのでつい長湯してしまいそうになる.しかし長湯したらきっとヘトヘトになるだろう.そんな感じの湯である.

露天の2つの浴槽は湯の色が違う.片方は内湯を少し赤くしたようで,もう片方はオレンジジュースのような色.しかし源泉は同じ.注がれる湯量が異なり,酸化の程度の違いが色の違いになっているようだ.オレンジジュースのほうは透明度が10cm.浴感は内湯のほうがあるように感じた(何と言っても膜が張るような湯なのだから,内湯は)

浴後,おじさんに挨拶した.「ありがとうございました,素晴らしい湯ですね」「どこから来た?」「愛知です,仕事で東北地方に行く途中です」「何の仕事だ」「実は地質の仕事をやってます,大学です」「おお,愛知のどこの大学だ」「愛知教育大というところで」「おお,愛教大か,知ってるよ」.何でもこの方,もとは大学の教官で現在名誉教授なのだそうだ.どうりで詳しいはずだ.某教授や某名誉教授の名がポンポン飛び出す.この温泉の話に加え,松代群発地震の話,この温泉付近の地質地形の話などで盛り上がった.たいへん気さくな方であった.熱烈再訪希望になるに違いない温泉である.かなり老朽化が進んでいるが,今後も永く守っていただきたい湯である.

新津温泉

住宅地の中にある温泉銭湯.あるホームページに油臭がする温泉と紹介されていたので行ってみた.入浴料は300円.内湯のみ(男女別)

脱衣場から浴室に入ると強烈な石油臭が鼻をついた.これほど強い石油臭の温泉は初めて.湯は無色透明(ごくわずかに青緑色か?)で成分総計約14g/kg.少しツルツル感がある.湯口パイプの脇に飲泉用コップが置いてあったので恐る恐る湯を口に含む.あまり思い出したくないが強塩味+石油風味で極めて不味い.これは飲めん.高校生のときに悪友とともにキャンプをやった.その時何を間違ったか灯油を口に含んでしまったことがあるが,その時経験したこの世のものとは思えない味が思い出された.これほど石油臭が強いのに湯面に油が浮いていないのは意外である(ただし湯船は油のベトベト感があった).後で管理のおじさんに聞いたら,昔は石油と混ざって出ていたが最近は石油は出なくなったとのこと.ただし天然ガスは一緒に上がってくるとのこと.浴槽は56人が入ったら一杯になってしまう大きさ.かけ流しだが湯量は多いとは言えず,混雑時には多少湯が汚れてしまうと思われる.

夜,体に染み込んだ石油臭を取ろうと風呂に入った.だが,石鹸で洗っても取れない! いつまで残ることやら 石油の臭いが好きな人にはたまらない温泉だろう.家族では絶対に来れないが.

 

2005719()

梅雨明けた! この地方特有のムンムンした夏が来た.早く北に行きたい(もちろんあの国ではない)

ただいま答案用紙と格闘中.180人分は無茶である.たぶんフィールドに持っていくことになる・・・ 結局,研究モードにならないじゃないか! 俺,いい加減にしろ! 雑記書いてる暇はない! と言っても,こういう仕事は集中力がなかなか続かないので・・・

 

2005718()

処理し忘れていた雑用をやっている.いいかげんに今日で雑用は終わらせたい.

自分の仕事を,事前の断りも無しに,当然のように人に押し付けるトンデモ人間がいる.極めてタチが悪い.思いっきり愚痴を言いたい.が,ここで言うと面倒なことになるかもしれないので抑えよう.クズ人間のせいでイライラするのも馬鹿馬鹿しい.腹がへっているのもイライラの原因か? 飯食べよう.

外はいい天気.もう梅雨が明けるかな? 「東北大作戦2005夏!」がいよいよ近づいてきた.

 

2005715()

やっと・・・ やっと授業が終わったーーー!! ふううぅぅぅぅぅううううう...

事務用の無意味な書類書きも終わらせたし,大切な仕事(口外×)も終わらせた.やっと研究モードに入れる! 眠いが,今夜は自分へのご褒美にちょっぴり多くビールを飲もう.

さあ,夏休みだ! フィールドだ! 早く梅雨明けろ!

 

200577()

前期も終盤に入った.あと1週間ほどで授業地獄から脱出できる!

不思議なもので,授業や会議が立て込んで研究どころではない状況なのに,ふと論文を書きたいという欲求が出,それがいよいよ強くなり,我慢できなくなってガガガーッと一気に書き上げてしまうことがある.フラフラになりながら引用文献を整えて執筆終了した途端,何とも言えない充足感に満たされる.これがたまらない.その直後「授業どうしよう・・・()」と現実に引き戻されパニックに輪をかける()のが,いつものパターン.一種の自慰行為だな,これは.

 

2005630()

20年前の1985年,私は中学3年生で,陸上部の部活に精を出していた.記憶は断片的だが,そうした記憶の断片の一部に日航機墜落事故がある.ちょうどお盆の時期,満員のジャンボ機が群馬県の山奥(御巣鷹山の近く)に墜落して520名もの死者を出すという史上最悪の航空機事故であった.テレビにかじりついてニュースを見ていたような気がする.しかしニュースの内容はほとんど覚えていない.

今日,事故当時の新聞を見た.テレビ欄には「ぴったしカンカン」「乳姉妹」「夕やけニャンニャン」「トゥナイト」「11PM」など,懐かしい番組が並ぶ.もう20年も経ったのかと愕然とする.

新聞に家族を残して亡くなった会社員の遺書が載っていた.強い衝撃を受けた.遺書の内容は本で知っていたが,墜落直前のどうしようもない状況において家族に向けて書かれた凄まじい文章.

この事故についてもっと知りたい.

 

2005625()

幼稚園で親子学級が開催され,輝と一緒に土粘土いじりをやってきた.土粘土で巨大なコーヒーカップを作った.後からそれを窯で焼くそうだ.輝は最初,ニンジンやジャガイモなどを作って遊んでいたが,すぐに飽きてどこかに行ってしまった.私一人,黙々とコーヒーカップを作った.

輝は私に似て,はにかみやだ.家では大声で歌えるのに,親が集まっているような場ではまったく歌えない.他の子たちは手拍子しながら歌ったり踊ったりしているのに,輝は私にしがみついて顔を赤く染めている.図体は年中か年長さんくらいあるのに一人恥ずかしがっている姿はなかなか滑稽である.

私は今でこそ人前で自信満々に偉そうなことを言えているが,子どもの頃は今の輝のように人前で何かをやったり歌ったりするのは苦手だったような気がする.輝ほどではなかチたかな・・・ よく覚えてないな.

 

2005624()

来週,パニックになりそうな予感・・・ いや,なるに違いない.マズイ・・・

 

2005621()

眠い.睡眠時間が足りないわけではないが,どういうわけか非常に眠い.午前中は何とか耐えられるが,午後になると目を開けているのが辛い.子どもの夜鳴きで夜中何度も起こされる.ひどいときは2人が同時に起きてシンクロして泣き出す.たぶんこれが主因だと思う.こんな状態がこれからしばらく続くのだろう.ひょっとして睡眠中無呼吸症候群だったりして・・・ まさかとは思うが.

 

2005620()

理念なし.単なる数合わせ.何でもあり.学生不在.たいへんバカらしいことに貴重な時間を費やしてしまった気がする.

やりたいと思っても,ここではできないようだ.

 

2005617()

『沈まぬ太陽』(山崎豊子著)で恩地 元のモデルとなった小倉寛太郎氏(故人)に興味を持ち,いろいろ調べている.

 

2005616()

センター系の温泉に行くといつも気になることがある.それは大人のマナーの悪さだ.非常識な大人があまりにも多い.年代は無関係.40代や50代に多く,定年退職したと思えるような老人にも非常識な行動をとる人がいる.現代の子どもや若者はそんな大人の背中を見て育つ.極めて罪深い.言いたいことは沢山あるが,今日は特に強調したい3点だけ指摘する.

(1) 浴室に入ったら,いきなり湯船に入らず,まずかけ湯をする.または体を洗う. 本来言うまでもないマナーだろう.しかし,かけ湯もしないでいきなり湯船にドボーン,という大人が何と多いことか・・・ そういう非常識な人のせいで,湯船は大腸菌等の細菌,古い角質,体脂などで汚染される.人がたくさん集まる土日,近くのある温泉では湯面が角質や体脂でギラギラ光るほど汚い湯になる(想像してみて!).そんな非常識な人が多数集まるセンター系温泉やスーパー銭湯では,必然的に殺菌剤が必要になる.なお,かけ湯は体に適度な負荷を与えることになるので(=準備運動),いきなり湯船に入って血管破れて死んでしまうという事故を防ぐ効果も期待できる.

(2) 湯船で顔や頭を洗わない. これも当然.しかし湯船でジャバジャバ頭に湯をかけて洗っている中年オヤジが何と多いことか! そうした非常識な大人のせいで,湯は髪の毛,角質,体脂で汚染される.これは男湯だけの問題か? 女湯でもそういう人っている?

(3) サウナから出たら,いきなり水風呂に入らず,シャワーで汗を流してから水風呂に入る. サウナで汗まみれになって,そのまま水風呂に入ったら,汗はどこに行く? 子どもでもわかるよね? そんな非常識な人の汗のせいで水風呂が食塩泉になった(ウエッ),なんてことにならないように・・・ これも男湯だけの問題かな?

その他,入浴のマナーについては温泉に関する沢山のホームページで紹介されているので,ぜひ検索して学習してほしい.

 

2005614()

宇宙には形成過程や地表環境が地球とよく似た惑星がきっと存在し,そこにはヌんな形であれ生命体が存在するに違いない.生命は地球固有のものではないはずだ.太陽系や地球の歴史を概観すると,そういう思いを強くする.

インターネットのニュースを見ていたら,地球によく似た岩石惑星が太陽系外で発見されたという超ド級の重大ニュースを見つけた.この惑星,半径が地球の約2倍,質量が約7.5倍という星で,主に岩石,水,大気からなり,比較的小さい恒星のまわりをたった2日で公転しているという.地球からわずか15光年という近所で見つかった.恒星からの距離が0.021 AUと極めて近く,それゆえ高温(陽が当たる側で推定200-400)であるため,生命体が存在する可能性は低いと伝えられているが,果たしてどうだろうか? 地球では高温の熱水噴出孔や地下深部に微生物が生息していることがわかっている.大変夢のある発見だと思う.詳細はNSFのホームページのニュース欄(13日付)でどうぞ.

 

2005610()

上顎洞の炎症はほぼ治まり,今はとても調子がいい.ここ数年ずっと使い続けてきたステロイド点鼻薬がいらない状態だ.飲み薬も抗ヒスタミン剤だけでOKになった.幕張での事件勃発以来(zakki 2005523),念のため温泉を控えていたが,そろそろ温泉巡りを再開したい.どこへ行こうか?

 

200569()

今日もお昼から出勤.といっても午前中サボっていたわけではなく,学生の教育実習校へ行き研究授業を参観してきた.学生はたいへん良くやっている.楽しい授業であった.

ただし,授業にまったく問題がなかったわけではない.詳しくは書かないが,700 mAになると期待される実験で実際にやってみたら660 mAになったら,なぜ700ではなく660になったのか,生徒によく考えさせなければならない.実験手順や装置に問題はないか? 繰り返し測定してもそうなるか? そもそも700という予想(仮説)が正しくないのか? 仮説を立てて実験を行い,結果の考察を通じて結論を導くという理科の基本的プロセスにおいて,こうした検証作業が非常に大切である.期待値の700にならなかったから660という実験結果を修正液で消して700という数字を書き込む(数値の捏造!)ということが,実験の目標ではないはずだ.生徒はきっと「なんで660になるの?」と疑問に思ったはずであり(口には出さないが),その疑問を解決させるための検討を教師が提案するかしないかが,その生徒の理科に対する考え方を左右すると言っても過言ではないと思う.実習生にはこうした私の考えを率直に述べた.こうした経験をもとに,より良い教育をするためにはどうしたらよいか,常に考えてほしいと願う.これは私自身の自戒でもある.

 

200568()

午前中,幼稚園のカレーパーティーに参加した.朝からPTA役員の方たちと大鍋でカレーを作り,お昼前に家族でシートを広げてカレーをパクパク.会長が大変気さくな方だったので,役員でもない私が飛び入りで手伝いに行っても快く受け入れてくれた.大学や学会関係以外の方と共同作業をするのは久しぶりであり,大変新鮮で,面白かった.研究室にばかり閉じこもっていないで,もっと社会の活動に参加しなければならない.心からそう思う.

 

200567()

今日は健康診断.といっても身長体重等の簡単な測定と胸部X線撮影だけ.

身長が1 cm伸びた! 目標まであとわずか6 cm

というステキな結果を学生に自慢しようと思い学生部屋に行ったら,M. O.が突っ伏して寝ていた.なぜか非常に暑い.エアコンをつけているのになぜこんなに暑いのかと聞いたら「知らない」という返事.まさかと思いリモコンの設定温度を見たら,30! そりゃ暑いはずだ...

身長伸びて非常に嬉しいので,この気分で論文を一気に書こう!

 

200566()

夏日となった昨日,ある屋外イベントで魔法戦隊マジレンジャーのショーを見た.マジレッドはなかなか格好よかった.マジグリーンはなぜか冷めていた.マジピンクはハアハア息が荒かった.ウルザードというヤツもいた.あの炎天下,しかもアスファルトの上で,着ぐるみの中は大変な状態だろう.たいへんな仕事だと思った.子どもたちのために,うちのヒカルのためにも,これからも戦え,マジレンジャー!

 

200564()

今日は土曜日だが,金曜日の補講日となっているため授業がある.今日からいよいよ3年生の実験授業が始まる.これからの金曜は午前に自然科学入門,午後に3年生の実験と,授業で1日が終わってしまう.

授業の中で何か新しい発見を見出すことができればストレスなくやっていけるはず.前向きにやろう.前向き,前向き・・・

毎年のことだが,実験を履修する学生の少なさには困ってしまう.私の実験が面白くないから少ない,というわけではなさそうで,どうも実験は1単位しか出ないのでそれならば2単位もらえる講義を多く取ったほうがいいという理由で実験をあまり取らないようだ.まあ,私も学生のときは同じようなことを考えたことがあるので,学生をすべて悪く言うことはできない.「実験は大切だから単位の大小に関係なく取るように!」と言ったところで,素直に聞いてくれるはずもない.私は実験や演習を2単位,場合によっては3単位か4単位にすればいいと前から思っているが,それをやるのは本学では困難を伴うらしい.「講義は2単位,演習と実験は1単位」と杓子定規に定めてしまうほうが問題だ.夏休みの野外実習などは,個人的には4単位くらいあげたいと思うのだが.

(2限の授業から戻ってきた)

板書が消されていなかった.授業で板書したら授業終了時にそれを消して出てくるのがマナーだろう? そうした人間として基本的なマナーを知らない教員がいる.ファカルティ・ディベロプメント(FD)とか教育改善とか言われているこの時代,職場にそんな人間がいることが恥ずかしい.次回も消されていなかったらちょっと騒いでやろう.

 

200562()

雨の日,マスクをしたままフィールドワークをやると呼吸困難に陥ることがわかった.

 

200561()

ちょっと作文をする機会があったので,一部を抜粋して掲載しておく.私が専門とする地球科学の重要性を訴えたもの.

人類と自然のかかわり合い,地球人口増加に伴う資源枯渇,大気汚染や地球温暖化,そして震災や土砂災害等の自然災害といった諸問題が全世界的な関心を集めている中,地球科学の重要性は世界的にいっそう高まっている.地球温暖化や地質汚染等の環境問題に取り組むためには,地球とその構成物(大気,水,岩石,地層等)の物理化学的性質を深く理解し,さらに人間の一生よりもはるかに長い時間スケールで自然現象を見つめるというセンスが不可欠である.この地方では東海地震が関心を集めているが,東海地震説を理解するためには東海地方とその周辺の地球科学的特性,海溝型地震の繰り返しの歴史,地震(断層運動)のメカニズム,及び岩石力学の基礎を知る必要があり,そうすることが防災と震災の低減(減災)へとつながる.地球環境問題の多くは人類が自然と共存するという意識から自然環境を人類の都合の良いようにコントロールするという意識へ変化した時から始まった.しかしそういう人類も35億年またはそれ以上続く地球生態系の一部なのであり,そうした長い生命の歴史から見ると人類の歴史などは点になってしまうほど短いものである.ごく最近地球に発生した人類という生き物が地球環境と地球生態系をこれほどまでに変化させているという意識を持つことが,人類の正常な発展にとって極めて大切である.こうした意識は地球科学に触れることによってはじめて生まれる.高等学校において地学を履修する生徒が少ないという事実があるが(地学という用語は個人的には適当であるとは思わない),それは決して地球科学がサイエンスにおいて重要ではないことを意味するのではない.むしろ人類の正常な発展という人類共通の究極的な目標において,地球科学は最重要な学問だ.

 

2005531()

体がこういう状態なので,最近時間を見つけては人体の構造,生化学反応,健康について調べたり考えたりしている.風邪をひきやすくなったことについては,結局慢性的にストレスが溜まっていること,そして無意識のうちに指を舐めたり鼻を掻いたりしていることが大きな原因ではないかと推察している.ページをめくるときにペロッ.文献読んでいるときにワカラネーッと思いながら鼻の頭をポリポリ.こうした悪癖をやめなければならない.ストレスは難しい問題ですぐになくすことはできないと思うが,ペロッやポリポリは意識すれば改善できると思う.手洗いを頻繁に行い,ウイルスや細菌まみれの手を口や鼻に運ばないように気をつける.マスクを着用すれば手を口や鼻に接触させることを物理的に抑止できる.予防的にマスクをつけよう.

X線像にはまだ左上顎洞に白い影が見えている.強い痛みは消えたが,重たい感じがまだ続く.抗生剤の点滴はまだ続く・・・ 医療費がかさむ.

今朝のラジオでバス問題が議論されていた.バスと言ってもbusbathではなく,ブラックバスのbassである.バスは外来魚で(北米に多いらしい),現在日本の湖沼や河川の生態系を荒らしまくっていることはよく知られているが(バス問題),議論を聞いているとこの問題の根は相当深いようだ.私は釣りをやらないのでこの問題にあまり関心はなかったのだが,今朝の議論を聞いて興味を持った.

 

2005527()

また風邪.昨夜からおかしくなった.最近明らかに免疫が低下している.一体どうしたのだ? ちょっと怖い気がする.

虚脱感とまではいかないが,何となくやる気がなく,眠気もある.しばらく仕事から離れたい気分.今日もこれから点滴なので,ちょっと先生に相談してみよう.

今日は恵子という35歳の女からメールが来た.なんと会社社長らしい.俺も偉くなったもんだ().趣味は酒&ゴルフとのこと.「もし興味がなかったら、私のことは忘れてくださいね〜さよならー」.ご丁寧にどうも.言われなくても忘れるって.

 

2005526()

朝早くから地学実験の準備をし,お昼前に大学を抜け出して点滴を受け,超特急でお昼を食べ,午後は5時間ぶっ続けで地学実験.

明日は午前中に1年生の自然科学入門があり,それが終わったら直で豊橋の中学校に行き,そこから戻ってすぐに点滴を受ける予定.今日の実験の後片付けもしなきゃ.

ヤラネバナラヌのだな.これを書く力があるうちは,きっとまだ大丈夫.俺,ガンバ!

 

2005525()

昨日の午後,千葉から井ヶ谷の耳鼻科に直行し,点滴を受けた.結局,千葉を2往復した.症状は少し良くなってきているように感じられるが,まだ少し痛みがあり,膿性の液体も出る.

バタバタしていたので,学会では顔見知りの人とほとんど挨拶を交わせなかった.礼を失したが,お許しいただきたい.

今日からまた,授業と雑用に終われる日々が再開する.明日の地学実験の準備をほとんどしていない.明日も授業前に耳鼻科なので,今日中に実験の準備をしなければ.

 

2005523() <出張先で執筆>

どうしてこうなるんだろう? ということが起きた.今日は本来ならば学会を少し()抜け出して温泉巡りに行くところだったが,温泉ではなく自宅に戻ってしまった.そして今(これを書いているのは夜),また千葉にいる.岡崎と千葉を行ったり来たりしている.

実は昨日の昼頃から左上の歯が痛くなった.歯の治療は先週で完了しているはずなのでおかしいと思ったが,ひょっとして表面には見えない奥深くで炎症が進行しているのかと最初は思った.ところが,時間が経つにつれ歯だけではなく鼻の奥にも違和感を覚え,顔面の半分に割れそうな痛みが襲ってきた.痛みは次第に強くなる.強弱の変化はない.ずっと強い痛み.これは只事ではない.俺の顔左半分で何が起こっている? 前に勉強した「家庭の医学」を思い出した.上顎洞の急性副鼻腔炎? 上顎洞の急性副鼻腔炎では膿性の鼻水に加え,頬の奥の痛み,腫れ,発熱,ときに歯の痛みなどが生じることがあるという.歯の痛みだからといって歯科に行ってしまう人もいるらしい.多分これだ.

昨日の午後は地質学会の代議員による総会が行われ,私はそこで書記をやっていた.いちおう下書きのような資料を事務局からもらってはいたが,質問やコメント等の内容をきちんと記録しなければならない.だが,正直言って記録どころではない.痛い! 痛くてまともに考えられない.いちおうペンを走らせたが,たぶん後で読んだら何が書いてあるのかわからないだろう.記憶も曖昧だ.人はなぜか,激痛に襲われたときは記憶があやふやになるらしい.痛みの記憶を残したくないという潜在的な意識が働くのだろうか? これほどの痛みに襲われたことは記憶にないので,ある意味新鮮な認識であった.

総会の後半では若手・中堅研究者によるパネルディスカッションが行われた.大変面白いものだったと思うが,残念ながら私は一刻も早くこの場を出て病院へ駆け込みたかった! 顔が崩壊する! 痛みのためか,それとも炎症のためか,左目から涙も溢れてきた.決してディスカッションに感動したのではない.パネラーには大変申し訳ないが,あのときの私はディスカッションなんてどうでもよかった.

総会終了後,わき目も振らずに海浜幕張駅に向かい,名古屋までのチケットを買った.日曜なので救急を除き病院はやっていない.しかも不覚にも保険証を持ってきていない.もし千葉の病院に駆け込んだら高額な診療費が申請されるに違いない.そんなことも考えたが,本当のところは家に帰りたかった.家族に助けを求め,自宅の近くの夜間病院に行きたかった.(今思うと面白い心理である)

京葉線の中の様子は何一つ覚えていない.本当だ.新幹線の中では,何度も腕時計を見ながら早く,早く! と心の中で叫んでいた.福知山線の大事故以来,速さをとるか安全をとるかみたいな議論が一部で行われているが,馬鹿馬鹿しい.どちらも重要なのだ! 速いにこしたことはない.そして安全は絶対に無視できない.当たり前ではないか.速さと安全という相対する目的を両立するのが交通技術の終わりのない命題である.新幹線は速くなくてはならない.速くない新幹線なんて存在意義がないではないか.

新幹線に乗っているとき,鼻の奥でパンッと何かが破れたような感じがした.その直後,低粘性の大量の鼻水が喉のほうへ落ちていった.何だこれは? 上顎洞が破裂? まさか? 本当に骨が砕けたのか? 座席を立ち急いでトイレに行き,鼻をかんだ.鮮血の混じった鼻水が出た.やはり只事ではない.この「パンッ」はその後もう一度起こった.左の耳で耳鳴りも発生してきた.やばいと思った.

名古屋に着き,多分フラフラしながら名駅の長いコンコースを歩き(よく覚えていない),そこから東海道線に乗り換えて岡崎に向かった.岡崎駅で嫁さんに車に拾ってもらうことを電話でお願いしてある.今夜はきっと長くなる.そう思ったので,在来線のホームのきしめん屋に入ってきしめんを食べた.不思議と痛みがやわらいだ.

新快速に乗っている間,早く,早くとずっと思っていた.新幹線の中ほどではないが,やはり痛い.

ところで,東海道線はさすがによくできている.揺れが非常に少ない.軌道がしっかりしているからに違いない.バラスト軌道だが軌道の歪みや誤差が小さいのだろう.さすが新幹線と並ぶ我が国の大幹線だ.よく整備されている.新快速は120km/h運転をしており,それ自体は名鉄本線の特急や急行と変わらないが,名鉄で120km/h出すと揺れが大きくなるし走行音も大きい.JR新快速の中では実はそんなことを考える余裕があった.

岡崎駅に到着し,家族と合流.嬉しかった.それから当番の夜間病院へ行チた.夜間病院ではアルバイトらしき学生風の若医者に診てもらった.問診,触診,単純X線撮影(レントゲン)の結果,急性副鼻腔炎との診断.私の予想は当たった.この医者,若いがなかなかできる.感心.

家に着いた.安心した.鼻を強くかんだ.1cm大の弾力性のある固形物質が飛び出した.それは無色透明で,血が混ざったわらび餅のようなものであった.それが飛び出したのに続き,どっと多量の薄黄色の液体が鼻から流れ出た.思わずティッシュで鼻を押さえる.それと同時に痛みがすーっと引き,重い感じもなくなった.上顎洞と鼻腔を結ぶ通路がこのわらび餅状物質で詰まり,上顎洞に液体が溜まり,内圧が高まって神経を圧迫して痛みが生じたのかな,と勝手に想像した.違うような気もするが・・・

そして今日.午前中に罹りつけの耳鼻科に行った.やはり急性副鼻腔炎との診断.10日ほど前に風邪を引いたが(zakki 2005513),それが引き金になったのだろうと先生は解釈した.とすると,今回の騒動の根本原因はK.H.にあることになる.耳鼻科では治療をしてもらい,点滴もしてもらった.点滴は明日も行わなければならない.よって明日,自分の発表が終わったら直ちに愛知に帰らなければならないのだ.点滴の合間に自分の発表のために千葉に戻ってきたというのが正しいのだ.明日の夕方には古地磁気関係のポスターがあるのだが,残念ながら出席でォない.

 

2005521() <出先で執筆>

5時頃に起床.夜中に何度も目が覚めた.寝坊してはいけないと思っていたためか? カップ麺とパンを食べ,いざ出発!

矢作橋から名鉄で豊橋まで行く.そしてひかり号に乗り換え.豊橋停車のひかり号はいつも乗客が多い.今朝も自由席がほぼ満席状態だ.浜松や静岡から乗る人は大変だ.車内では合同大会のプログラムを見て,出席するセッションを確認した.23日はいくつか聞きたい発表はあるが全体としては暇になりそうな感じ.月曜は思い切って温泉の旅に出かけよう.

品川で下車し,東海道線の普通に乗り換えて川崎へ.品川から川崎まではかなり距離があるが,長い駅間を普通電車は快調に飛ばす.

川崎で降りるのは初めてだ.なかなか大きな街だ.駅前にはホームレスや物乞いがたくさんいる.汚いオヤジに意味不明な声をかけられた.良い感じがしない.地下街を歩いて高速バス乗り場へ向かう.

高速バスは出発時刻の20分も前にバス停に入った.券売機が地下街にあったが故障していた.バスはガラガラ.これで採算が合うのだろうか? 運ちゃんは優しそうなおじさん.

バスは川崎市内を抜けて東京湾アクアラインへ.私は初めて通る.約10kmの長いトンネルを抜けると海ほたるに到着.ここは東京湾に浮かぶ人工島.そこから袖ヶ浦までは長い橋である.橋の下は干潟になっており,潮干狩りの家族が多数見られた.微笑ましい風景.干潟の泥にはリップルマークが気持ち悪いほどできていた.

バスの運ちゃんは顔は優しそうだが運転はとても荒い.普通乗用車をかき分けるように走る.すごく飛ばしているように感じられたが,木更津へ到着した時間はほぼ定刻.最近大事故を起こした西日本の鉄道会社を思い出した.定刻運行最重視の空気は何も鉄道会社だけではなく,ほとんどすべての交通機関に当てはまることであると認識した.

木更津駅で私を待っていたのは,何とキハ30! この言葉がわかる人は鉄チャンである.キハを見たのは久々.2両編成で,相当くたびれている感じで,何となく「やえもん機関車」を想起させるような佇まいである.楽しい旅である.

思い返してみると,こうして列車を何度も乗り継ぎ,超ローカルな鉄道にも乗り,仕事とはまったくかけ離れた目的で自由に旅をするのは久々である.小さい頃はローカル線を何度も旅した.好きだった.面白かった.しかしいつの頃か,大学に入学してからか,そういう旅はしなくなった.もちろん車であちこち行くことは仕事柄,日常茶飯事である.しかし基本的に車の旅と鉄道の旅は全く異なる.時刻表を片手に時間を気にしながら列車を乗り継ぎ,ディーゼルのけたたましい唸り声を耳にしながら運ばれていく旅.これは私の深層に眠っていた何か本質的なものを呼び起こしたような気がするのである.

キハ30は大きなディーゼル音をたてながら,しかしゆっくりと,久留里線をひた走る.今これをキハ30に揺られながら書いている.揺れが相当ひどいため,タイプミスが多い.

上総亀山駅で鴨川日東バスに乗り換えるのだが,接続が悪く,1時間も待たなければならない.その間に昼食でもとろうと予定していたが,駅の周りには昼食をとれそうな食堂はまったくないことがわかった.駅の周りを徒歩で一回りしてみたが,なぜここに駅があるのかというくらいひっそりとした集落である.仕方がないから,駅前で唯一あいていた商店に入り,パンを3つ買って昼食とする.

駅舎の中のランプに,ツバメが巣を作っている.こんな機会を観察できるのはめったにないので,じっくり見させてもらった.どこからか枯れ草や小枝を嘴にはさんできて,ランプの上で嘴を器用に使いながら巣を形成していく.夫と嫁が交互にやってきては,せっせと巣を作っていく.非常に器用だが,たまに失敗するらしく,ランプの下の地面には枯れ草や小枝がたくさん落ちている.立派な巣が出来上がることを期待してしまう.

上総亀山駅からバスで15分くらい揺られると,黄和田畑という地区に到着した.黄和田層という中新世の地層があり,この辺りがその模式地なのかと想像する.そこから10分ほど歩くと,今日最初の目的地である七里川温泉に到着.

玄関には飲泉所があったので,さっそく口にしてみた.口中に広がる硫黄の味覚と香り.おっ,と思わず声が出た.硫黄がしっかり感知できる.硫黄泉であることは事前調査で知っていたが,実際に味わってみるとやはり感動である.硫黄泉は弘前の桜ヶ丘温泉以来だ.

入浴料500円を払い館内へ入る.広い休憩所や売店があり,ゆっくりできる施設である.飲食も可能.いくつかのグループが玄関前のロビーで宴会を開いている.すごいところだ.私はさっそく浴室へ.男性浴場は内湯1つと露天1つ.外には車が多数とまっていたが,浴室はガラガラ.ラッキー! みんな宴会やってるのか.まずは写真撮影.

内湯は10数人も入っスら一杯になってしまうほどの大きさ.ケロリン桶がおいてある.カランも源泉を使用.カランの水と湯は硫黄臭がしっかりしている.湯は無色透明で,ツルツルやベタツキはない.硫黄臭はあるものの低張性のライトな湯であろう(残念ながら分析表が見当たらなかった).湯船は78人で一杯になるであろうD嬉しいことにかけ流しで利用されている.錆でボロボロになった給湯管から熱い湯が注がれる.湯船の湯は加熱のためか硫黄臭が飛んでしまいほとんど感じられない.細かい湯の花が舞う.

露天風呂は開放的で,房総の低い山並みがよく見える.露天の湯は内湯とは異なるようだ.やや黄色を帯びた透明な湯で硫黄臭はない.味も内湯の湯と若干異なる.源泉が異なると思われるが詳細は不明.内湯と同じくライトな湯.

黄和田畑のバス停まで徒歩で戻り,バスで亀山駅まで戻る.そこから徒歩で今度は亀山温泉ホテルへと向かった.この地域ではもっとも大きな宿泊施設らしく,大量(毎分600リットル!)の黒湯自噴の温泉としてウェブ上でも紹介されていた.

ホテルは少々くたびれた感じで,客もあまりいない.入浴料は1000円と高い.さっき行った七里川温泉は500円で結構満足したので,1000円払って不満足だったら文句を言ってやろうと思いながら浴室へ入る.

風呂は内湯のみ.ガラス張りなので亀山湖(ダム湖)がよく見える.湯船は2030人くらいは入れるであろう広いもの.その湯船に巨岩から相当量の黒湯が流れ落ちている.おお,さすが600 L/minだ! と思いきや,湯船縁から湯がオーバーフローしていない.なーんだ.後で分析表を見たら600 L/minではなく152.8 L/mimと記載されている.全然違うじゃん! なるほど152.8ではあの大きな湯船(しかも男女で2)を源泉かけ流しにすることは無理だろう.やられた.嘘はいけないよ.ただ,湯船に人が入るとオーバーフローするので,完全循環式というわけではないようだ.

このように源泉100%かけ流しではなさそうだが,湯は相当いい感じである.黒湯で透明度は約1.5m,きれいな紅茶色で多量の湯の花を含み,有機物臭(何と表現したらよいかわからないが,とにかく有機物のにおい)が強い.ツルツルが強く,成分のために床も滑りやすくなっている.弱い塩味.成分総量14 g/kgと,なかなかのものだ.

結局,1000円はやや高かったと思う.小さくてもいいので源泉浴槽あるいは源泉蛇口があるといいのだが.

ちなみにこのホテル,レストランの料金も高い.カレーライスが1000円,えびピラフも1000円,天ぷら定食は2000円.宿泊料は知らないが,うーん,という感じだ.

ホテルを出て,また徒歩で今度は嵯峨和という温泉宿に向かった.ホテルの黒湯で結構ガツンときたようで,体が重い.うーん,もういいかな,疲れたな,でもここで帰ったら絶対後悔するよな,と思いながら歩いているうちに嵯峨和に着いてしまった.着いてしまったんだから仕方がない,入ろう.

フロントで入浴料700円を払い,若女将に先導されて浴室へ.脱衣場は狭い.大人4人も入ったら身動きがとれないだろう.しかし幸いにも浴室には誰もいない.今日は本当にラッキーである.例のごとく,まずはケータイ写真.

岩風呂に張られた湯は黒湯で,見た感じは亀山温泉ホテルと区別がつかない.透明度もほぼ同じ.有機物臭もする.しかし嵯峨和の黒湯は無味.湯の花もほとんど見られない.後述するように湯の花がないのは循環で取り除かれてしまっているのかもしれない.だが明らかにここの黒湯はホテルのそれよりも薄い.ツルツル感もホテルの湯に比べてやや弱いようだ.事実,成分表には総量1290 mg/kgと記載されている.ホテルの約1/10だ.ちなみにナトリウム炭酸水素塩泉とのこと.

浴室入口に,循環式であること,塩素殺菌していること,加温はしているが加水はしていないことなどが事細かに示されていた.こういう情報開示は利用者にとって大変ありがたいことである.冷たい源泉なので加キはもちろん,循環と殺菌もやむを得ないだろう.私はこの宿の姿勢を気に入ったのだ.

私の体はもう長湯には耐えられない.頭も重くなってきた.あまり頑張りすぎると明日からの学会でまずいことになる.いちおう学会がメインの目的なので(と言っておく必要があるだろう),今日の温泉めぐりはここで終わりにしよう.ということで,湯上りに美味しいかき氷を食べて,宿を出た.

いま,これを久留里線上りのキハの中で書いている.今日は結局3湯まわった.これから千葉市のホテルに行き,夕食をとり,ゆっくり休むつもり.大変充実した温泉巡りであった.月曜日も()やろう.

 

2005520()

明日は朝一番の新幹線で行く.アクアライン経由(川崎からバスがある)で千葉に入り,房総の山の中の温泉を徒歩&バスを駆使してハシゴするつもり.事前の文献調査はバッチリ! 震えるほど楽しみ,うむむ.

 

2005519()

今日は研究者からのメールが異常に少ない.いつもの半分もない.その理由はきっと,みんな来週の合同大会のプレゼン準備に追われているからに違いない.斯くいう私もその一人.何としても今日中に終わらせなければ!

しかし,スパムメールは相変わらず来る.当たり前か・・・

合同大会には45日の日程で出席する.まとまった滞在なので,なるべく時間を作って千葉&東京の温泉巡りをするつもり.そのためにも,事前の文献調査をしなければならない.温泉のために,今日中にスライド作成を片付けるのだ! 研究者とは思えんな・・・

 

2005517()

ほぼ毎日,見知らぬ女性からメールが来るが,昨夜は佐藤麻子さんという34歳の女性から届いた.34歳,職業は秘密だが年収は5000万円あるらしく,300万円くらいなら今日持っていくことができるとのこと.

いったいどんな職業やってんの,あんた? なかなか笑わせてくれます.こんなのに引っかかる人って,本当にいるのかな?

おっと,こんなどうでもいいことを書いている余裕はないのだ.来週の学会の準備をしなければ.

 

2005516()

ふとしたきっかけで,細胞生物学の基礎を勉強している.原核細胞と真核細胞,真核細胞中に含まれる皮膜小器官(ミトコンドリア,ゴルジ体など)の役割,DNAなど.大学1年生のときに教養部の授業でやったきり,長い間離れていた.不思議なもので,18歳のときには何だかよくわからなかったことが,いま読み返すと素直に理解できてしまうことが多い.

 

2005514()

今日のお昼,スガキヤ[*1]で何と1000円分も食ってしまった! これで私も立派なナゴヤニアン[*2]

[*1] ♪名古屋といえばスガキヤ・ラーメン! 世界の果てまでスガキヤ・ラーメン! と歌われるほど,名古屋地区ではよく知られているラーメン・チェーン.ラーメンだけでなく,味ご飯,ソフトクリーム,あんみつなどもある.安価なのが特長.愛知に来た当時,学生にスガキヤを教えてもらい,最初は「何でこんなラーメンがはやっているのだろう」と思ったものだが,今ではけっこう好きになってしまった.ちなみにナゴヤニアン[*2]の多くはスガキヤを全国チェーンであると思い込んでいるらしい(いちおう東京にも1店だけ出しているようだが・・・)

[*2] 名古屋人の別称.ナゴヤンとも.広い意味で名古屋市とその周辺地区(まあ愛知県だと思ってよい)の人間の事を指す.中澤天童(故人)が命名? なお,ナゴヤニアンの生態については同氏の本が詳しい.清水義範(この人は愛教大卒)の本もある.

 

2005513()

また風邪をひいた.今回は喉から来て鼻に移行するタイプ.今は鼻がひどく,喉はだいぶ良くなってきた.今回の風邪はK.H. から移されたのは明らかである(K.H. もそれをよく認識しているハズ).別に責めるつもりはないが,けっこう大変だったので,ずっと忘れないかも.

それにしても,最近風邪を引き易くなったような気がする.1.52ヶ月の周期で風邪をひく.子ど烽ェいるからかもしれないが,別の要因もあるのかな? ここ23年,ずっとステロイドの点鼻薬をやっているので,それの影響か? 一般にステロイド点鼻は吸収後すぐに分解されるので全身作用は無視できると言われているようだが,それでも長期間服用すると体質が変わってしまうのか? 今度医師に聞いてみよう.そういえば,今日は耳鼻科だ.今日聞いてみよう.

学生のレポートでウェブページからの盗作が非常に目立つ.ちょっとパソコンに詳しくなってコピペを覚えたら,それを駆使してレポートを「ちょちょいのちょい」と作っている.こうした行為は単純な手作業であり,何も頭を使わず,レポートの効果は皆無であるといわざるを得ない.盗作は今に始まったことではないが(昔から教科書丸写しはあった),学生だからといって盗作や無断転載が許されるわけではないことを認識してもらう必要はあるだろう.ちょっとした資料を作ってみた.今度の授業で配布するつもり.

ウェブページからのコピペを阻止するために,レポートは手書きしか認めないという先生がいるようだ.いろいろ聞いてみると,そういう先生はけっこう多いらしい.確かにコピペよりも手書き丸写しのほうが少しは学生の頭に入るのかもしれないが,この時代において何だかなー,てな感じだ.

 

200556()

まだGWは終わっていないが,今日は平日なので授業がある.愛教大の学生の多くは自宅通学で,また基本的にまじめだから,欠席者は意外と少ないものと思われる.

今回の帰省では,新たな温泉には1箇所しか行けなかった(山都町いいでのゆ).詳細は温泉のページに載せるが,なかなか良い温泉であった.家族で行くため,制約条件が多く(適当な休憩スペースがある,刺激的な湯は×,など),どうしてもセンター系の施設になってしまうが,東北地方ではセンター系施設でも源泉100%かけ流しの湯が楽しめることが多い.今回もそうであった.

 

2005423()

レポート添削,科研費の書類作成,授業の準備,メール処理など,今日はいろいろ頑張った! おかげで来週は論文書きの時間が取れそう.さて,今日は早く帰って子どもと遊ぼう.

それにしても,どうして科研費の提出書類はいつも突撃で来るのだろう? 出張中だったら大変なことになる.金曜に突然来て「今後の月曜までに出して」と言われても困るっつーの!

 

2005421()

セラミッククラウン(セラミック製の歯の被せもの)を付けた.保険適用外なので高くついたが,色,艶,模様など,素人では本物の歯との違いがまったくわからない.別にステージに立つわけでもないのでプラスチック製の被せ物(保険適用品)でもよかったのだが・・・ 贅沢してしまった.

今日で終わりだと思ったら,なんともう1本,下の親知らずが少し虫歯だそうだ.親知らずなので放っといてもいいが(虫歯が進んだら抜けばいい),痛くなるのは嫌なので治療を行うことにした.きちんと歯磨きしているつもりなのに,虫歯になってしまうものなのね.体質や歯質によって虫歯のなりやすさが人によって異なると聞いたことがある.

研究室から窓の外を見ると,木々が新緑で包まれ始めている.新緑の露天風呂に入りたい気分.そういえば最近,酸性泉に入ってないな・・・

 

2005415()

金曜日には一年生対象の授業がある.履修人数の調整でバタバタし,学生諸君には迷惑をかけた.調整によって人数が少し減ったものの,それでも大変な授業であることには変わらない.教室のマイクの使用法がよくわからず,先週,今週とマイクなしの大声で講義した.そのため,授業後は疲れて何もしたくない気分.論文書きも今週はもういいや.メール処理,文書処理(シュレッダーなど),雑用,そしてこの雑記書きなど,気楽にできる作業だけやっている.このように気分にあわせて仕事を調整できるのがこの商売のいいところだ.もちろん,いつもこんなふうにいくとは限らないが.6月になったら授業地獄が待っている.想像したくない・・・

最近ケータイを新しくした.今のケータイはすごい! PDFJPEGTXTなどのファイルを記録・表示できるため,応用範囲が極めて広い.どこかに行く場合,予め目的地周辺の地図をJPEGで記録しておけば,紙の地図は不要.バスや電車の時刻表もPDFファイルとして入れている(そうすればいちいちiモードでパケット代を払わなくてすむ).電子ブックもいくつか入っている.電車やバスの中でジーっとケータイ画面を見つめている私を見かけたら,メールに勤しんでいるわけではなく,電子ブックを読んでいると思って間違いない.電話はほとんど使わない.いちおう(というか当然)電話機能は付いているが,もはや電話もできる電子ツールと言うべきか.

明日はヒカルの幼稚園に行く.幼稚園でのヒカルを見るの初めてだ.楽しみ.

 

2005413()

この時期,多くの学生は活気に満ちている.授業における新入生諸君の眼差しは真剣そのもの.こちらも自ずと気合が入る.この季節,私は好きだ.ワクワクして桜色のシャツを着て大学に行ったら,ある4年生から「(その色)あまり好きじゃない」と言われ,少しヘコむ.

ヒカルもこの4月から幼稚園.幼稚園での出来事を夕飯のときに聞くのがとても楽しい.幼稚園では数多くの刺激を受けてほしい.毎日あったことを先生が丁寧に説明してくれるとのことで,嫁さんは今のところ満足しているようだ.

イツキは成長が目覚しい.帰宅時に笑顔で迎えてくれるが嬉しい.ハイハイも上手になってきた.表現もさらに豊かになった.

 

2005412()

しばらく雑記をお休みしたが,この間,長期フィールドに行ったり授業が始まったりしてバタバタしていた.逐一書くのは無理.

岩手の大沢温泉を味わってきた.感想は温泉のページに書いたが,入浴後3日間くらい美肌効果が続いていると感じられた素晴らしい湯であった.ああいう鄙び系湯治場が好き.夏には鉛温泉,国見温泉,そして夏油温泉に行きたい.楽しみ.

仙台から名古屋までフェリーで帰ってきた.昨年8月には台風の影響をもろに受けてとんでもない目にあったが(zakki 2004830),今回は素敵なクルーズを楽しめた.船は最近できた「ニューきそ」.風呂には3度も入った.ディナーバイキングでは前回のリベンジだと思いステーキを4枚食った.生演奏,映画もみた.夜もしっかり寝ることができた(ちと暑かったが).至福のひと時であった.学生を2人連れて行ったが,片方は私と同じく楽しめたようで,もう片方は前回の私のようにグロッキー状態.次回リベンジなるか!? (次回はもういい?)

 

2005324()

久々の雑記.昨夜の卒業謝恩会でちょっと,いやかなり飲みすぎて,今まともに論文が書けるような頭ではないので,雑記でも書いて二日酔いを解消したいと思っている.

今年度も個性豊かな学生達を指導することができた.学問的な部分では指導する立場だったが,それ以外の部分では学生達から反省のきっかけを得ることが少なくなかった.昨夜はその感謝の意を込めてカラオケを熱唱したが,伝わっただろうか? 学生達の前で歌うのは超久々.どうだ,びっくりしただろう? 学生のときは毎日のようにカラオケをやっていた時期もあったのだ.

学生達からプレゼントをもらった.「ケロリン桶」とはナイス! 私にとって最高のプレゼントだ.ケロリン桶には関東版と関西版がある(サイズが異なる)のは温泉仲間の間では有名だが,私がもらったのは関東版.ケロリン桶は非常に丈夫で,どんな使い方をしてもまず壊れない.一生使うことができる.野天風呂や野湯に行くのがますます楽しみになった.

ありがとう.

 

200537()

昨日,家族で京都の梅小路蒸気機関車館に行った.ちと寒かったが,まずまずの天気.やえもん機関車のようなSLスチーム号に乗れてヒカルも私も大興奮! たぶんヒカルよりも私のほうがはしゃいでいた.やっぱり蒸気機関車はすごい.子供の頃の夢が蘇ってきた.スタッフのサービス精神にも感心した.ヒカルは家に帰ってきてからも「やえもん!」「ポッポー!」「石炭!」「トーマス!」と大はしゃぎ.なぜか石炭が気になるらしい.イツキがもう少し大きくなってからまた行こう.

 

200533()

こないだ車を車検に出したら,検査標章ステッカー(前面ガラスに貼り付けるステッカー)の大きさとデザインが変わったことを知った.従来のステッカーは大きく目立つもので,新車購入時には非常に目障りな印象を与えるものだった.しかし新しいステッカーは約3 cm四方と小さく,デザインも前のものに比べればよくなった気がする(単に数字がイタリックになっただけ?).ウェブで調べたら昨年1月から変わったらしい.もう1年以上経つのにまったく気付かなかった.毎日数え切れないほどの車を見ているはずなのに,これまでまったく気付かなかったという事実が面白い.

今日はこれから先月末締切りだった原稿を超特急で書いて(これは気付かなかったのではなく単に忘れていたマズイ),午後は今度の磁気測定の準備と会議だ.授業がないってのは,いいね!

 

200532()

一人の岩石学者がお亡くなりになったことを知った.この方はご自身の研究に加え,地学教育や教材開発,調査道具(ハンマーなど)製作にも熱心に取り組まれていた.私は院生時代にこの方が作成した岩石ハンマーを購入・使用したことがあった.木製柄に重厚な鋼製頭という昔ながらのハンマーだが,バランスがよく,非常に切れ味の良いハンマーであった.阿武隈の花崗岩を調査中,私の叩き方が悪かったせいで柄が折れた.このことをある学会のときに彼に伝えたら,柄が折れたという報告は初めてであると言い,たいへん気になさっていた.その後23年間は彼から年賀状が届き,ハンマーのこの部分を改良したとか,また使って下さいとおっしゃっていた.その後しばらく連絡を取らず,学会でもお会いしなくなったなあと思っていた.

また一人,味のある地学職人が消えた.ご冥福をお祈りします.

 

200531()

先週末,中津川市坂下(旧坂下町)の椛の湖研修所で合宿ゼミを行った.みんなで勉強し,運動し,温泉に入り,鍋をつつき,酒を飲み・・・と,たいへん充実した合宿だった.またやろう.今度はサンプリング実習をやろうかな.

中津川温泉「クアリゾート湯舟沢」は,ヌルヌル系,無色透明,薄塩味,強塩素臭の循環湯.基本的にヌルヌル系は好きなので,小さくてもよいから源泉かけ流し塩素なし浴槽があると良いのだが.「漂白剤をこぼしたのか?」と思うような強烈塩素臭は勘弁願いたい.

 

2005219()

教育,そして現代の学生について,より深く理解する努力をしなければならない.学生のために,私のために・・・

しばらく時間が必要だ.

 

2005218()

早朝,通勤途中にチンピラに絡まれた.信号無視をして交差点に突入した車が他の車と事故を起こしそうになった.危ないなあ,と私は思いながらその車と同じ道を後に続いて走行していたら,突然前を走っていたその車が急停止し,なぜか私に絡んできた.なんでオレ? まったくわからない.クラクションを鳴らしたわけでもなく,パッシングをしたわけでもなく,あおったわけでもない.何もしていない.相当気が立っていたのだろう.そのチンピラは金属棒を持っていて,今にも殴りかかってきそうな勢いで私の車の中に侵入してきた.殺されたくないので,とにかく反抗せずにハイハイと相手の罵声を聞き流した.以前にも別の場所でチンピラにやられそうになった.その経験から,こういう時にはたとえこちらに罪がなくてもハイハイとその場をやり過ごすのがベストであると思っている.正義感から下手に反論したりすると何をされるかわからない.相手は凶器を持っている.殺されてしまう.

こういう経験は2度目.西三河にはおかしな人間が多いという印象を持っているが,多いので出くわす確率が高いのか,それとも私の車に何か問題があるのだろうか? そういえば2回とも今の車にかえてから起こっている.いずれにせよ,朝一番でこういうひどい目に遭うと,その日はずっと嫌な気分になる.

 

2005216()

愛教大は名古屋空港にアプローチする飛行機の航路になっている.名古屋空港に南側からアプローチするとき,三河平野の上空3000-4000ft前後を飛行し,愛教大上空,名古屋市上空(ナゴヤドームの斜め上)を経て着陸する.ちょうど愛教大上空付近で飛行機が脚を出すようで,エンジン音とともにグイーン・ゴトンというような機械音が聞こえる.たまに,かなり低い高度を飛ぶことがあり,そういう時の音はすごい.授業中にはうるさくて声が聞こえにくいほどだ.磁気測定をしている時に飛行機が通過する時も,磁場が乱れないかと不安になる.

しかし,こうした風景も今日が最後.明日,中部空港が開港する.それに伴い,名古屋空港からは一部の小型機を除き,大部分のエアラインが撤退する.

今までうるさく感じてきたあの音が今後聞けないと思うと,少し寂しい.

そういえば,知多半島の先端の2町が合併することになり,その名称が行政の独断で「南セントレア市」に決まり,それに対して住民やマスコミが大反対を唱えたという事件がある.東海地方では結構有名な事件になっている.結局行政は「南セントレア市」を一旦撤回し,住民アンケートをとった上で再度決断することになったようだ.地域住民やマスコミの運動が行政のアホを潰した格好の例だ.

今日から3日間は卒論を修論の発表,そして定年退職する先生の最終講義などで半缶詰状態.

 

2005212()

採取してきた岩石サンプルの整形作業をしている.あまり頭を使わない単純作業だ.石工室は暖房がないためとても寒い.1時間おきに休憩を取って熱いコーヒーを飲む.いま休憩中.

コーヒーを飲みながら,リクルートの進学ネットというウェブサイトを見ている.ここに「学校選び」のページがある.試しに東海地方で地球・宇宙科学を学べる大学という条件で検索してみた.その結果,名大,静大,東海大など9大学学科がヒットした.そこには愛教大の地学は含まれていなかった.9名も地球・宇宙科学の研究者を有する教室なのに,リクルート社において本学の本教室は地球・宇宙科学を学べるという位置づけにはなっていないようだ.いろいろ検索してみたが,どうも愛教大は「教育」を学べる大学としてのみ認知されているらしい.

リクルートに限らず,恐らくこの類の多くのサイトで同様の結果が出るだろう.教育大学・学部というのは一般にはその程度にしか捉えられていないのか? 教育大学・学部=「教育学」または「教員養成」という単純な認識.リクルートの調査不足を責めることもできるが,これまで積極的に宣伝をしてこなかった教育大学・学部にもまったく問題がないとは言えない.

いろいろ言いたいことはあるが,休憩はここまで.

 

2005211()

紀伊半島出張から帰ってきた.

出張1日目の夜から感冒の症状が強く出てきて,この3日間ずっと微熱++鼻水との戦いだった.今回の風邪は胃腸から始まって,一旦治まったと思いきや,普通感冒の症状が後から出るという,しつこく嫌らしいものである.まだ鼻がグズグズしている.

微熱でゴホゴホ咳をしながらエンジンドリルを振り回すのは,きわめて体に悪い.何度もやめたいと思った.しかし,ここでやめたら研究がストップしてしまう.辛いのは今だけ.面白い論文が書けるぞー! そう思いながらドリルをブンブン振り回す.熱でふらふらだったためか,ビットを2本もダメにしてしまった.あ〜痛!

風邪,そして嗅覚が限りなくゼロに近いという理由で,温泉はたった1箇所でしか入らなかった.私の好きな湯の口温泉.あの火薬臭を感じることはできなかったが,薄塩味の源泉かけ流しは健在.気持ちよかったが,湯上り後はいっそうフラフラに.宿に帰るまでの運転ェたいへんだった.

今回,熊野市新鹿町の「あたしか温泉」を見に行った.事前の調査で休業中であることは知っていたが,やはり閉まっていた.というか,施設の傷みが進んでいるようで,このまま廃業か・・・

あたしか温泉フ脇を流れる川の上流に「湯の薬師」があることを現地で知り,早速行ってみた.あたしか温泉から1 kmも行かない所に薬師様があり,その下の川底から鉱泉がちょろちょろと自噴していた.眼に効くという.現地の案内によれば硫化水素臭がするとのことだが,私の壊れた嗅覚ではそれを感じ取ることができなかった(残念!).透明,無味で1520程度と思われる.白っぽい湯華ができていた.今度また行こう.なお,ここの地質は粗粒な花崗斑岩(熊野酸性岩の北岩体)

紀伊長島町の「鹿の湯」も休業or廃業したようだ.

 

200528()

最近,毎日鼻血が出る.今朝も出た.風邪で鼻水が出るので,つい思いっきり鼻をかんでしまうとブハッと出る.アルデシンというステロイド系点鼻薬を点しているせいなのかもしれない.いや,やはりヤツの呪いのせいか?

今日は午前中授業をやって,お昼頃から出張に出かける.久々にワクワクする出張だ.

 

200527()

私が風邪をひくと,通常,まず鼻の奥の粘膜がヒリヒリ痛くなり,次に喉が痛くなり,鼻もおかしくなり,最後に気管に移って咳が出るという順序で炎症が進む.しかし今回の風邪は違う.まず胃腸がおかしくなり(恐らくウイルス性急性胃腸炎),熱が出て,それから喉が痛くなり,今は鼻がおかしくなっている.炎症が下(胃腸)から上()に向かって進んでいる.胃腸を荒らしたウイルスが食道を通って上に進んでいるのだろうか?

まだ熱はあるが,明日からの出張には何とか行けそう.というか気合いで行くしかない.

 

200526()

今日は大学院二次募集の試験日なので大学に来ている.

私もヒカルの胃腸かぜをもらってしまったようだ.昨夜,寝ていたら,突然吐き気と寒気が襲ってきた.すぐに胃腸かぜだと察した.すごい寒気と吐き気で,布団の中で冷や汗をかきながら苦しんだ.布団を3枚重ね,暖房もつけた.しかしそれでも寒い.1520分の周期で吐き気が襲う.寝ゲだけは絶対に嫌だったので,深呼吸したり枕を高くしたり・・・ そんなこんなで23時間ほど布団の中で唸り続けた.フェリーの悪夢(Zakki 2004830)が何度もフラッシュバックした.

今は吐き気は治まったものの,悪寒が続き,下痢もひどい.熱があるからか,体中が筋肉痛になったようだ.まずい.今週は火曜日からサンプリング旅行だ.こんな調子で行けるのか? しかし今週を逃すとしばらく行けない.明日の調子を見てから,行くか延期するか判断しよう.

今回は,まず嫁さんが風邪をひき,次に樹が風邪をひき,それからヒカルがダウンして,最後に私に来た.風邪の連鎖は防ぎようがない.

 

200524()

昨夜,ヒカルが急に体調不良となり,岡崎の某大病院の夜間救急に駆け込んだ. 1時間くらい待たされてから診察を受け,それから血液検査や点滴を受けたりして,結局家に戻ったのは3時過ぎ.まいった.NHK教育の「クローズアップ現代」で子供の早寝早起きに関する内容をやっていて,今日ははやく寝ようと決めた直後だった.今日はとても眠い.

この病院は3次救命救急病院になっているためか,救急車が頻繁に患者を搬送してくる.さながら某局の「救命救急24時」の世界だ.

 

200523()

合同大会で何を話そうか? マグネのセッションのコンビーナーなので,やっぱりマグネのセッションで話さないとまずいかな? まったく違うセッションで発表したほうが面白いというネタはあるのだが・・・

 

200521()

最近,早起きして7時前には大学に着くようにしている.早朝は道路がすいている.大学も静かで誰にも邪魔されずに自分の仕事ができる.17:30頃に帰宅するにしても10時間くらいは仕事ができる.いいこと尽くめなのだ.子供が小さいうちはこういう生活で通したい.

この時期,朝6時頃は夜明け前の暗闇だ.それなのに,ヘッドライトをつけずに走る車が必ずいる.「ライトは夜だけ」とでも思っているのだろうか.今日も怖い目にあった.大きな道路に出るときに目視でよく確認したつもりだが,無灯火の車が接近していたことがわからなかった.危なかった.いくら注意しても,無灯火で,しかも黒い車だったら,絶対わからない.

メーカーは,天の明るさがある程度以下の鼾は自動的にライトが点くようなシステムを開発・標準装備すべきだ.そうすれば上記のような危険は少なくなるに違いない.技術的には何も難しいことはないはず.ただし,天の明るさがある程度以上になったら自動的に消灯するというような「気の利いた」システムは不要.あくまで消灯はドライバーの判断に任す.昼間でもライトをつけるべきだと考えている人がいる.

 

2005131()

昨日は南信の某スキー場とその近くの某日帰り温泉施設に行ってきた.

スキー場のソリ専用ゲレンデはカチカチのアイスバーン状態.先週ずっと暖かかったのに急に冷え込んだためだろう.ソリのゲレンデがアイスバーンになると悲惨だ.プラスチック製のソリをアイスバーンでコントロールすることはステンマルク(古い?)でも不可能であるに違いない.一直線に猛スピードで滑降するだけ.おまけに,ソリのゲレンデなのになぜかコブが発生していた.もうどうなるかは想像できるだろう.私とヒカルはソリとともに宙に舞い,空中分解し,放物線を描いて落下 ヒカルは生まれて初めての放物線落下であろう.怪我しなくてよかった.私は今日もお尻が痛い.

ここのゲレンデはゲレンデ最下部の平坦な場所が狭い.そのため,滑降してくるソリが止まるためには,わざと転ぶか,または人に激突するかのどちらしかない.アイスバーンではない通常のコンディションならばスキーの横滑りのようにザザッと止まることができるが,アイスバーンでは横滑りさせても摩擦はゼロに近い.昨日は奇声を上げながら猛スピードで滑降してくるソリ乗り幼児が人間魚雷に見えた.

温泉は大変な混雑で,洗い場で行列ができて10分ほど待たされた.入浴者数が明らかに浴室の許容能力を超えていた.洗い場で待つのを嫌がる人が湯船の中で頭をジャバジャバ,顔をバシャバシャ.そのため湯の表面には剥がれ落ちた角質なのか脂なのかわからない「油膜」が張り,ギラギラと光っていた.循環湯なので表面の油膜は消えることなく漂い続ける.恐ろしい光景であった.カルキ臭も強烈.この温泉にはもう行かない.

早いものでもう1月が終わる.

 

2005128()

卒論校閲はやっと中間地点に到達したか,というところ.今月中に終了させたかった.今日はタベの卒論を見ている途中にハナヂが出た.あいつは遠隔操作で俺を痛めつけている.やはり手強い.

はやく校閲を終わらせて,自分の論文に着手したい.ああ,書きたい.

でも,明日と明後日は久々に休もう.ヒカルをつれてソリ遊び&温泉だ!

 

2005125()

週末に愛教大でFT研究会が行われた.大きな問題もなく(と思いたい),無事終了した.学生たちはよく手伝ってくれた.彼らにとっても良い刺激になったことだろう.

FTの世界では若手と中堅が頑張っている.絶対的な研究者数は少ないものの,FT界における日本人中堅・若手のアクティビティーは相当なものだ.

明日は会議の連続.ユウウツ

 

2005117()

前から入ってみたいと思っていた長島の「なばなの里 里の湯」へ行った.豪華であることは事前情報で知ってはいたが,予想通りの豪華さであった.石鹸類が常備されているのはもちろんのこと,タオル使い放題+スキンケア用品使い放題+お茶無料サービス! 1500円も払う価値はある.さすがリゾート企業長島! 一方,肝心の湯はどうかと言うと,「まあまあ」.ツルツル系の重曹泉で基本的には好きなタイプの湯だが,残念ながら循環しているらしい.湯船からはナミナミとオーバーフローしているので,一見かけ流しのように見えるが,しっかり循環装置がついている.ただ,カルキ臭はほとんど感じられなかった.詳細は不明だが,加温目的の半循環なのかもしれない(憶測).まあ,大きな湯船をあれだけ多く持っているのだから,どんなに湯量が豊富でも循環なしではやっていけないだろう.この温泉は,湯を楽しむというよりは,至れり尽くせりのサービスを買って少しだけリッチな気分になるという楽しみ方がいいようだ.それにしても,客にそこそこ満足感を与えてガッポリ儲けをとるリゾート長島の手法には,いつもながら恐れ入る.

一つ,気に入らないことがある.前に電話で「おたくはかけ流しですか?」と聞いたことがある.その時の答えは「はい,かけ流しです」.しかし実際には温泉好きの言う「源泉100%かけ流し」ではなかった.確かに湯口から湯を注いで(新湯かどうかは不明),湯船縁からオーバーフローさせているので,形の上では「かけ流し」である.だから,なばなの里の返答はウソだとは言えない.「循環していない正真正銘のかけ流しですか?」と聞けばよかった.甘かった.長島リゾートはよく考えている.

今のところ,西尾張+木曽三川エリアでのお気に入りは,ゴールデンランド木曾岬,冨吉温泉テルマ55,尾張温泉東海センター,そして永和温泉みそぎ湯の4湯.三重をもう少し攻めてみよう.

 

2005114()

しばらく雑記帳からご無沙汰していたが,別にどこかに出かけていたわけではなく,体調を崩したわけでもなく,ただ何となく気が向かなかっただけ.というか雑記どころではなかった.正月に帰省して温泉三昧,愛知に帰ってきたら卒論の校閲地獄,そして今週はずっとマグネ測定.家族には実家に帰ってもらっている.

ということで,今年もよろしくお願いします.

ここ1週間,独身時代のような生活を送ってきたため,体重が少し減ったような気がする.メシより研究! とにかく研究! 学生指導もバリバリ! 来週からはまた授業が本格化する.春休みに入るまで,またしばらく研究時間がなくなる.できるうちにやっておかないと.

話は変わるが,温泉に飢えている.正月に会津の温泉を堪能したばかりだが,その効果はとっくに切れた.夜中に知立のスパ銭や安城コロナの湯に行って急場をしのいでいる()のだが,やはり塩素漬けの湯は気持ちよくない.とりあえず明日は蟹江に行くので,尾張温泉or久々に木曽岬温泉かな.楽しみ.

知立のスパ銭「アサヒ乃湯」にしばらく前から「天然温泉」の垂れ幕がかかっていたのは知っていたが,入ったことはなかった.先日行ってきた.ヌルヌル強いがカルキが強くて痒くなるほど.根尾川温泉(今は営業していない?)からローリーしているらしい.露天で湯しぶきを上げて瀧のように流れ落ち,打たせ湯もあるが,強循環の湯でそんなことをやっているのは怖いと思った.

 

20041229()

卒論校閲,やっと半分終わった.残り半分は新年に入ってから.新年早々爆発するのもイヤなのだが・・・ 仕方ない.

マグニチュード9.0の地震というのはとても恐ろしい.あの地域において地震と津波に関する教育と防災環境整備が遅れていることが被害を大きくした一因であることは明らかだが,それでも3万人超,ひょっとしたら6万人に達するという死者数は尋常ではない.

明日から帰省する.家族と一緒に温泉巡りをしたい.温泉からエネルギーをもらおう.

今年の執筆はこれでおしまい.よいお年を.

 

20041228()

学生の卒論を校閲している.脳がケイレンを起こしそう

ここ数日,自分の研究時間がまったく作れない.俺は一体何をやっているのだろうか?

昨夜は飲みすぎて駅を乗り越してしまい,起きた時には「ん,ここはどこ?」.結局家に帰れなかった.東三河の田舎駅で,近くにコンビニも宿もなく,身も心も寒かった.タクシーを拾って豊川のホテルまで連れて行ってもらった.そこで一泊.余計な金を使ってしまった.俺,大丈夫か??

 

20041220()

時間的,気持ち的な余裕があまりなく,しばらく書くことができなかった.いろいろ書きたいことがあるが,今日は温泉について.

昨日は西尾張の温泉を4箇所も巡った.まさに至福の日であった.

まずは憧れの永和温泉「みそぎ湯」.前から行きたいと思っていたが場所がわからなかった.場所をインターネットでなんとか探り当てた.超C級温泉であることは事前の調査で知っていたが,まさに期待を裏切らない素晴らしい温泉であった.どうしてこんな場所にこの湯が出るの,というような極上湯をかけ流し.源泉は豊かなタマゴ臭.弱いツルツル感もある.この温泉を維持管理している人にも貴重なお話を聞くことができた.詳細は別にレポートする予定.

2番目は冨吉温泉「テルマ55」.ここは前に入ったことがあるが,その時は子供が一緒だったので源泉を深く調査することができなかった.意外にもなかなか良い湯であることに気づく.ただし熱すぎるのが玉に瑕.

3番目は木曽岬町(三重県)の鍋田川温泉.ここは初めて.期待して行ったのだが,どうも湯を循環させているようだ.ガッカリ.

4番目は尾張温泉東海センター.ここは何度も来ているので知り尽くしていると思っていたが,実は露天風呂の高温の源泉(露天に出て左側の塩ビパイプからドバドバ出ている)が素晴らしいことを再認識した.ドブ臭のような硫化水素臭+昆布茶のような臭いが混ざった個性的な湯.湯口から少し離れると臭いが薄くなる.どうも湯口から出てすぐに飛んでしまっているようだ.昨夜はこの源泉の前に陣取って,桶で源泉をアビルマン.幸せなひと時であった.

西尾張は素晴らしい温泉郷である.引っ越したい気分だが,この地域はいわゆるゼロメートル地帯なので,それを考えると足踏みしそう.

 

2004128()

不覚にもカゼをひいてしまった.久々.授業がつらい.

 

2004127()

今朝のウェブ上のニュースで,OECD (経済協力開発機構)が昨年,41カ国の15歳男女に実施した国際学習到達度調査の結果が載っていた.例えば読解力では,日本は前回(2000) 8位から今回14位に大きく落ち込み,数学的応用力も前回1位だったのが今回は6位に順位を大きく下げたとか.この結果を受けて,文部科学省は来夏までに読解力を向上させるなどの緊急プログラムを策定するらしい.

学力は国力である.学力が落ちてきているということは,この国の力も徐々に落ちていることを意味する.

子供や若年層の学力が落ちてきているという認識や危惧は今に始まったわけではない.国民の多くが前からそう感じている.その原因も国民の多くは知っている.今回の結果は,多くの国民が持つ認識や危惧を数字で明瞭に示したものだ.

こうなるであろうことはいわば自明であった.授業の大幅削減,学習指導要領の「改悪」など,この国の(特に文部省の)役人どもは国民の多くの批判や危惧をよそに教育を破壊してきた.勉強せずにどうして学力を向上または維持できる? 「ゆとり教育」などという愚かな政策をとったために,子供たちの多くは暇を持て余すようになり,ゲームやパソコンに熱中することになった.多くの親も子供に適切な教育や指導をすることができない.

緊急プログラムを策定するということだが,時すでに遅し.緊急の対応で国民の学力が向上すると役人たちは本気で考えているのだろうか.一般論であるが,壊すのは簡単だが復元したり発展させるのは大変である.1年で回復できるものではない.「教育は国家百年の計」なのである.

すぐに学力を向上させることはできない.教育には時間がかかる.それをキチンと認識した上で,国民は全員が力をあわせて10年,20年という長期的な視野を持って子供や若年層の教育を立て直す必要がある.役人に丸投げ,役人の言いなりになっていては,この国は本当に滅びてしまう.

しかし,教育建て直しに着手したとしても,「ゆとり」世代の人間は10年,20年後に成人となり子を持つようになる.そうなった時のこの国を想像すると,ちょっと怖い気がする.そう思うのは私だけだろうか 何か取り返しのつかないことをしてしまったような気がする.

 

2004125()

昨日,今日と休日出勤.業務だから仕方ない.

最近,お香をはじめた.今はビャクダンがお気に入り.

 

2004124()

輝は夜中に目を覚ますことがある.昨夜も突然目を覚まして布団の上で大暴れ.いつも泣き喚いて理絵や私の言うことを聞かなくなる.押さえつけることもできない.ひどい興奮状態になっているのだろう.今に始まったことではなく,ずっと小さい頃からあった.どこか痛いというわけでもなさそうだ.悪夢を見たのだろうか?

そういう輝の泣き声で樹も起こされる.でも樹は昨夜泣かなかった.泣き喚く輝を横目で「大丈夫?」というような顔で見つめていた.まだ乳児なのに心配する気持ちが芽生えているのだろうか? とてもかわいい.

 

20041128() <出張先にて執筆>

午前中はシンポの続きが行われた.二日酔いではないが,なぜか眠かった.

12時にシンポ終了.関係者に挨拶して大学を出た.午後は弘前市内で温泉をまわった.

まず平野の南部に位置する白馬龍神温泉.大学前から小栗山行きのバスに乗り10分ほど揺られる.終点(バス案内所)から歩いてすぐの所に温泉はあった.

なかなか立派な建物であった.日帰り温泉施設で,大浴場のほか家族風呂や休憩施設などもある.お昼を少し過ぎた時間であるためか,広い駐車場には10台ほどしか駐車していない.

入浴料は300円.脱衣場,浴場とも広い.浴場では中央にアメーバ状の形の大きな湯船がある.それを取り囲むように洗い場がある.青森の温泉はこういうスタイルが多いようだ.露天風呂,打たせ湯,サウナもある.

この温泉で特筆すべきことは温泉析出物である.洗い場では硬い析出物が見事な千枚皿を形成している.湯船の縁にも大量に析出物が生じテラスが生じている.もちろん湯はかけ流し.湯口では熱めの湯が注がれるが,湯船が大きいため湯は適温(4142)に保たれている.塩味のする湯はごくわずかに土類臭がする程度でほとんど無臭.少し土色に濁り透明度は約2m.これといって強い個性のある湯には見えない.しかし,この立派な析出物はどうだろう.温泉の奥深さをあらためて思い知らされた.

次に白馬龍神温泉からタクシーで桜ヶ丘温泉へ向かった.運転手は桜ヶ丘温泉を知らなかったらしく,私が地図を見せて場所を教える.10分少し乗車して約1800円也.「へえ〜,こんな所にも温泉があったのか〜」と運転手の弁(ただし標準語に変換済)

桜ヶ丘温泉は桜ヶ丘団地の真ん中にあった.一見,温泉があるとは思えない住宅地なのだが.外見は普通の銭湯である.

350円を払って浴室へ入った.すると強い硫黄臭がお出迎え.新屋温泉やなりや旅館第二浴場ほど強い臭いではないが,良湯を期待させるには十分な香りである.浴場は大変混雑していた.日曜の午後だからだろうか.浴室の構造は普通の銭湯であるが,湯船にかけ流される湯は硫黄臭たっぷりの白濁湯.析出物は見られない.塩味でまったりしている.肌に硫黄分が付着するような感じ.ワックスを肌に薄く塗りつけたようなツヤが生じた.しかしベタ付き感はない.むしろツルツル湯である.私的には極上の湯だ.打たせ湯やサウナもある.こんな素晴らしい温泉が住宅団地の真ん中にあるとは,弘前はやはりグレートな街である.

いま,青森空港でこれを書いている.少し早く空港に着いてしまった.出発まで1時間もある.外はとても寒い.そういえば岩木山は白くなっていた.少し早いがチェックインしてしまおう.

非常に有意義な23日の旅であった.弘前,また来るぞ!

 

20041127() <出張先にて執筆>

夜半過ぎ,台風並みの暴風雨となった.おまけに布団が短く足が出て寒い.熟睡できなかった.

7時頃に朝食.量が多い.一人の老婦が先に食べていた.湯治とのこと.もう8日間も滞在しているらしい.津軽弁が強くてあまり理解できなかったが,あたたかい雰囲気であった.朝食といい,言葉といい,山の空気といい,やはり東北である.とても懐かしい.

朝食後,朝風呂を浴びようと浴室へ行った.浴室は掃除中であった.昨夜掃除していたのにまた掃除している.12回,床を磨いていることになる.これだけ頻繁に磨き上げ,お湯は大量かけ流し.見かけはボロいが湯はきわめて新鮮で清潔なのだ.これが本物の温泉なのだ(松田忠徳ふう)

夜は見えなかったが,この建物はなんと析出物丘の上に建っていた.

さて,これから湯ノ沢温泉に行く.湯ノ沢では時間が許す限り温泉宿をまわってみたいと思う.

(湯ノ沢温泉で湯めぐり)

湯ノ沢温泉には9:00頃に到着した.冷たい雨が降っていた.道路脇には変質した軽石質凝灰岩が露出していた.層理はほぼ水平.カルデラ充填堆積物だろうか?

まず「でわの湯・湯の沢山荘」に入った.湯ノ沢温泉の3件の温泉宿のうち最も手前にある温泉宿だ.

朝だからだろうか,なんと入浴者は私一人であった.ラッキー! 浴室に入り驚いた.床が分厚い千枚皿状の析出物で一面覆われているのだ! 郡司勇氏の『一湯入魂温泉』で知ってはいたが(だからこの温泉にきたのだが),実際に見るとその美しさに圧倒された.ブラッシングにより千枚皿のクレストは削られてしまっている.湯船の縁にも多量の析出物が生じ,テラスが発生している.湯は熱めで緑灰色.硫化水素臭と土類臭が強い.味はとても濃厚だ.塩見が強く苦味もある(マグネシウムが大量に入っているためか?).かなり複雑な味で表現が難しい.成分総量は21g/kgもある.湯面には油膜のように湯の花が一面に浮いている.大きな感動のため,独り言を言いながら洗い場をうろうろ歩き回ってしまった.

浴舎の脇には川が流れ,そこに温泉水が排出されているのだが,そこにも大量の析出物が生じていた.

次に「なりや旅館」に入った.3件のうち中間の場所に位置する.ここには泉質の異なる2つの浴場がある.第一浴場は込んでいるようだったのでまず第二浴場に入った.混浴風呂と女性専用風呂がある.脱衣場には強い硫化水素臭が漂っていた.新屋のそれよりも強いかもしれない.湯に入る前から興奮状態.

第二浴場の混浴風呂は小さめの湯船とそれを取り囲む洗い場から構成される.湯船に注がれる湯は強烈な個性を持っていた.湯は熱め.白濁した湯は透明度が約15cmでわずかに緑がかっている.強い塩味に加え,何とも表現しがたい複雑な味が感じられた.おまけに鼻をツンと突く強い硫化水素臭.湯の沢山荘に負けず劣らず濃い湯である.湯船の縁は温泉析出物がテラス状を形成しているが,洗い場はきれいに掃除されているせいか析出物の薄膜しか見られない.

先客がいたのだが,その人曰く「先にこっちに入って後から向こう(第一浴場)に行ったほうがいい.こっちの湯は濃いので石鹸が泡立たない.向こうの湯は薄いので頭も洗える」とのこと(標準語に変換済).先に第二に入って正解だったようだ.ただし実際の会話は困難を極めた.強烈な津軽弁であるため1割も理解できない.ハア? ン? と何度も聞きなおし,何とか意味が理解できた.東北出身である私も津軽弁は超難解である.

濃厚な湯に満足した後,第一浴場に入った.脱衣場は男女別れているが浴室は混浴であった.私が湯に漬かっていると女性が入ってきて,女性は「え,混浴!」と驚いていた.こっちも少しドキドキ.

湯はわずかに硫化水素臭がするが,第二浴場に比べるとライトであった(4g/kg).薄い塩味で透明.析出物はごくわずか.先に第二で強い湯を経験してしまったので,第一の湯はあまり印象に残らない.良質な湯であるのだが.

湯ノ沢温泉にはもう1件宿があるが,私にはもう残された時間がなかった.弘前大学に行かなければならない.大変残念だが,もう1件は諦めた.絶対にまた来よう.

シンポジウムでの発表はまあまあのできだったと思う.討論が活発に行われた.東北日本の回転運動は私の中では決して新しい問題ではないのだが,やはり多くの地質屋には大きな問題に見えるらしい.確かに周辺分野に与えるインパクトは大きい.夜は懇親会+二次会で楽しく飲むことができた.

 

20041126()

今日の講義では古地磁気学のメインディッシュである磁気緩和理論について説明した.これを知っていないと残留磁化の獲得がよく理解できない.

私は学部生の時には磁気緩和をほとんど知らずに測定を行っていた.それでも何とか研究を進めることはできた.しかし院生になってからR. Butlerの教科書で勉強し,磁気緩和を何とか理解し,それ以降残留磁化の理解が深まった.

今夜は古遠部,明日はテ軽湯ノ沢,明後日は桜ヶ丘や白馬龍神などの弘前市内の温泉に行く予定.

(以下,追記) <出張先にて執筆>

いま,これを古遠部温泉で書いている.とうとう憧れの古遠部にやってきた.21:00頃に到着したが,宿の人は浴場を掃除していたようで,雨のなか玄関前で5分ほど待たされた.20時頃から21時頃まで掃除を行うことは前に電話で聞いていた.

実は青森空港からここに来る途中に新屋温泉に寄ってきた.新屋も温泉ファンには超有名な温泉なのでぜひ入りたいと思っていた.短い時間だが入湯できた.まずはその感想を記しておく.

新屋温泉は新屋郵便局のすぐそばにあった.新屋地区の公衆銭湯といった感じだ.

入浴料300円を払っていざ浴場へ.脱衣場へ入った途端,鼻をつく強烈な臭いが出迎えた.硫化水素臭が強いがそれだけではないようだ.この臭いは愛知では経験できない.否応なく期待感が高まる.

浴室に入る.先客は3名.マニアらしき人は見当たらない.広い浴室の中央に比較的大きな湯船がある.湯船にはエメラルドグリーンの湯がかけ流されている.美しい.湯船の中央から湯が噴出している.カランも源泉を使用している.湯量豊富だからできる技.

ツルツル系であることは事前の文献調査で知っていた.ツルツル系は先に体を洗っておいたほうがツルツル度が高まるというのが私の経験則だ.石鹸をシャワーで洗い流す.結果は予想通り,というか予想以上! すごいツルツル.ヌルヌルと言ったほうがいい.

湯船に入る.湯船のタイルもヌルヌルしていて滑りやすい.湯温は適度(41程度か?).湯は無味透明.じっくり味わうとごくわずかに甘味を感じた.古遠部に入ることを考慮し,体力を保存するため下半身浴とする.ヌルヌルが超キモチイイ! これほどのヌルヌル温泉は初めてかもしれない.さすが「日本一の銭湯」と評されるだけある.この極上の湯に毎日入ることができる新屋地区の人々,本当に羨ましい.

さて,そろそろ憧れの古遠部の湯を味わってこよう.

(古遠部で入浴)

1時間ほど入浴した.興奮が冷めない.

本やインターネットを通じて十分知っているつもりだったが,これほど豪快にかけ流している湯船は初めて体験した.洗い場全面に湯が溢れて水深12cmの洪水となっている.排水口付近では所により水深が5cmを超えている! 滝のような音が浴室全体に響く.決して大きいとは言えない湯船にこれほどの湯を注いだら洪水になるのは当たり前.ケロリン桶が流れていった.

湯口には湯呑みが置いてあった.湯を口に含むと弱い炭酸を感じた.その後,何とも言えない複雑な味が口全体に広がった.鉄味と塩味が比較的強いがそれだけではない.何と表現したらよいか私にはわからない.もっと経験を積めば郡司勇氏のように評論できるだろうか? 炭酸の雰囲気と鉄臭が強い.壁や床面に青森ヒバを使っているのか,とてもよい木の香りも混ざる.ツルツル感はない.緑灰色の湯で透明度は約1m.いずれにせよ,これほど深みのある湯を大量かけ流しにしていることに強烈な驚きと感動を覚えた.

入浴者は私一人であった.独り占めだ.はなさんの有名なウェブサイトに「ここでトドらずしてどこでトドる!」と書かれてあったのを思い出した.迷わずトドることにした.トータル30分ほど横になったかもしれない.これほど長い時間トドになったのは初めてだ.湯船の縁を枕にして無防備に寝転がる.洪水が首,背中,臀部,足を洗う.この幸福感は何なんだ.久々に思考を放棄した.至福の時間.ただ,天井からポタポタと水滴攻撃が行われることは勘弁してほしかった.

いまビールを飲みながら書いている.こういう生活に憧れを感じる.文章表現をもっと磨き,温泉の経験も積めば,温泉に関する物書きとして食っていけるだろうか.普通の人より少し地学を知っているので,それを武器に温泉物書きになるのは悪くないかもしれない.

 

20041125()

ここ数日ずっと晴天続きである.朝晩は冷えるが日中は上着が要らないほど暖かい.しかし明日から崩れるという予報.雨の温泉になるのかな.

 

20041124()

大学生の日本語力の低下に関する記事がウェブ上のニュースに載っていた.メディア教育開発センターの調査によると,中学生レベルの国語力しかない大学生が国立大で6%,四年制私立大で20%,短大では35%にのぼるという.調査によると,「憂える」の意味を「喜ぶ」と思い込んでいたり(正しくは「心配する」の意),「露骨に」の意味を「おおげさに」と思い込んでいたりする学生が多いという(正しくは「あらわに」「むき出しに」の意).大学生の日本語再教育が必要であると主張されている.

愛教大で7年以上勤務しているが,本学の地学に限っていえば最近特にひどくなってきたという実感はない.今も7年前もそれほど変わらないという印象だ.イマドキの大学生の多くは日本語メチャクチャ,これはいまさら驚くべきことではない.近年ずっとメチャクチャである.もちろん大人らしい日本語を使える学生もいるが,その数は極めて少ない.まあ,私自身も耳が痛い問題ではある

なぜこうなってしまったのだろう?

愛教大とか大学といった問題ではなく,この国全体の問題であると思う.

 

20041122()

近頃,気持ちにあまり余裕がなく,この雑記書きも不規則になっている.

こういうときは風呂でリラックスするに限る.循環風呂だとわかっていても,大きなお風呂に入りたいという欲求に負けて,安城コロナに行った.金曜夜と日曜夜に行った.

金曜夜は人が少なく,なぜかカルキ臭も少なく(入浴者が少ない時は投入量も少なくしているのだろうか?),それほど不快感なく入浴できた.ヒカルも連れて行ったが,ヒカルは薬湯が好きなようで(薬湯といっても単に色がついている温水のようだ),露天の温泉には入らずにずっと薬湯で遊んでいた.結局,私もずっと薬湯に入った.

日曜夜は最悪だった.二度と日曜には行きたくないと思うほど不快だった.人がすごい.脱衣場も浴場も人でごった返している.浴槽はまるで芋洗い状態.おまけに多くの人が「かけ湯」をしないで浴槽に入ってくる.1日の汚れを体にべっとりと付着させた状態で浴槽にドボン! である.湯の表面には剥がれた角質や体脂が漂い,ギラギラと光っている.本当に油が浮いているという感じなのだ.カルキ臭も強烈.金曜夜に比べて明らかに臭い.こんな状態の風呂では塩素漬けにしないとどんな病気が広がるかわからない.塩素投入も仕方ない.とにかく気持ち悪くてとても入っていられない.出るときに入念にシャワーで体を流した.

こんな風呂に行った私が悪い.

かけ湯をしないで浴槽に入る神経が理解できない.浴槽に浸かる前にかけ湯をすることは常識だと思うのだが,それをわかっていない人が非常に多い.浴槽を清潔に保つためにかけ湯をする.陰部はもちろんのこと全身にかけ湯を行い清潔にすべきである.かけ湯にはそれ以外に,急な温度変化から身体を守るという意味もある.心臓から離れた部位から順にかけ湯を行い,循環系の負担を軽くする.かけ湯を徹底させるために,かけ湯の場所をもっと広くしたり,係員を常置してかけ湯を徹底させるといった措置も必要なのではないか.感染症が蔓延するという最悪の事態を防ぐために.

今週末は青森でとびっきりの温泉に入る予定.源泉100%かけ流し温泉で,気持ちの淀みも流れて行ってほしい.

 

20041117()

イツキ君は目覚しい勢いで成長している.表情は毎日豊かさを増している.四肢の運動も日増しに活発になっている.赤ちゃん言葉も多くなってきた.私が毎朝家を出るときには満面の笑顔を見せ,帰宅時も笑顔で手足をバタバタさせて迎えてくれる.

一方,ヒカル君は相変わらずハチャメチャである.悪ガキ街道一直線! という感じ.元気なのはいいが,もう少し挨拶と返事がきちんとできるようになってほしい.

今日の午後は卒業研究の中間発表会.

 

20041116()

秋がいよいよ深まり,大学構内の木々も色づいてきた.きっと香嵐渓(愛知県足助町)では今週から来週にかけてが見頃なのだろう.

紅葉の露天風呂は格別だ.と言っても最近入ったわけではない.入りたいという願望.先月,塩沢温泉湯元で落ち葉の漂う露天風呂(というか野湯)に入ったが,あの時は紅葉と言うよりは単に葉っぱが落ちていたという感じだった.私のお気に入りの温泉サイトでは紅葉特集を組んでいる.ああ,行きたい.

来週は津軽に行くが,津軽ではきっと紅葉は終わってしまっている.雪中温泉になる可能性がある.まあ,それはそれで良い.

 

20041112()

肩こりがひどい.首を曲げるのがつらい.温泉でリラックスしたい.

今週末は輝の七五三.

 

20041111()

夜,無灯火で自転車に乗っている人が何と多いことか.先日,大学から自宅まで帰る途中に無灯火自転車を数えてみた.その結果,見かけた10台中すべてが無灯火だった! まさか100%になるとは思っていなかっただけに,かなり驚いた.私の通学路(通勤路)は田舎なので絶対的な台数が少なく,かつ標本数も少ないため,この結果から論考を加えることは適当ではないかもしれないが,それでも無灯火率が相当大きそうだということを強く示唆する結果と言えよう.

青森では,秋田県との県境に近い山奥の温泉に行くことにした.秋田県に近く,湯量が豊富で,析出物がすごい温泉といったら,もう温泉マニアはピンと来るはず.加えて,弘前市内にもグッドな温泉がいくつかあるようなので,時間を見つけて入湯してみたい.忙しい旅になりそうだ.

 

2004119()

今月末にシンポ出席のため弘前大学に行くことになっている.シンポでは東北日本の回転テクトニクスの講演をすることになっており,その準備をこれからしなければならない.

弘前は青森県にある.青森県といえば,そう,温泉だ.やったー! 青森にはよだれが出そうな超スバラシイ温泉がたくさんある.今回もあまり時間がないので,空港でレンタカーを借りて精力的に温泉を巡ってみたいと考えている.飛行機もレンタカーも予約してしまった.車でしか行けない奥地にある,寂れた感じの,素晴らしい泉質と析出物を誇るような温泉に行ってみたい.実はもう入湯候補をいくつかリストアップしている.ゾクゾクするほど楽しみだ.

今回も,講演が目的なのか,温泉が目的なのか,よくわからない.いや違う.両方が目的だ.

 

2004118()

『震災列島』読了.今回も石黒氏の思想や意見が強烈に伝わってくる作品だった.名古屋がメチャクチャに壊されてしまった.もしこの小説の中に星家のボロアパートも登場したら,1階や2階が潰されるか,またはドミノ倒しの如く倒壊させられたであろう.大変面白かったが,インパクトやまとまり具合などの点では前作『死都日本』が勝るかもしれない.

「理科に関しては,物理と化学を選択しておけば,大概の学科を受験できる.ところが生物と地学はそうはいかない.特に理系は,この2科目で受験できる学科が意外に少ない.…(中略)…一生,地学とは無縁で社会に出てしまう学生が多いのが現実なのである.これが地変とは無縁のイギリスやオーストラリアならともかく,世界中で起こるマグニチュード6以上の地震の21パーセントが発生する国の教育方針なのだから,どうにも納得いかない.敢えて断言するが,間違っている.」

この彼の主張に,私は全く同意する.

地学現象をよく理解するためには物理と化学の知識が不可欠である.ゆえに物理と化学の基礎を高校までの学習でおさえておいてほしいという希望が私にはある.しかし,他方では,自分の足元や頭の上の世界についてほとんど何も知らないまま大多数の日本人が生きているという現実に対して危機感を覚え,小中高で地学を徹底的にやってほしい,いや,徹底的にやるべきだとも思っている.私たちは地球で生まれ,地球で育ち,地球で死んでいく.私たちの体は地球物質の一部である.それなのに,地球のことをあまりにも知らない.いや,知る機会がない(教育を受ける機会がない)というべきか.なぜ地球には生命が存在できるのか? なぜ地球は丸いのか? なぜ地球には陸と海があるのか? なぜそこに平野があり,なぜそこに山があるのか? なぜ火山は噴火するのか? なぜ地震は起こるのか? なぜ東海地震が想定されているのか? なぜ日本では台風が来ると太平洋側で甚大な被害にあうことが多いのか? なぜ冬に日本海側には大雪が降り,太平洋側では晴れるのか? なぜ大量の二酸化炭素の発生が地球温暖化を促進してしまうのか? なぜ夜になると遠い国のラジオが聞こえるのか? なぜ流星が見られるのか? こういう疑問に,果たしてどれほどの日本人が答えることができるだろうか?

 

2004115()

向こうが日時を指定しておきながら,その約束の時間に現れず,約束をすっぽかすDこちらは怒りを堪えながら待ち続ける.貴重な時間を割いているのに

こういうことは過去に何度もあった.都合で来られなくなったときや遅れるとき,どうして事前に一言連絡しないのだろう.電話で10秒話すだけだ.連絡さえもらえば,こちらは(気分は良くないけれども)納得できて仕事を再開できる.約束をすっぽかすということは,すっぽかされた人の時間を奪い,気分を著しく害することであるということを,いい加減に理解してほしい.

 

2004114()

注文していた石黒耀氏の『震災列島』が届いた.『死都日本』以来の大作だ.帯には「東海地震に東南海地震が連動,名古屋に大津波が!そして日本は!?」とある.東海地震にピリピリしているこの地域の住民には過激すぎる文言だが,いやおうなく期待を高めてくれる.ワクワク.

 

2004112()

他人の振り見て我が振り直せ,とはよく言ったものだ.

 

2004111()

早いものでもう11月.あっという間に11月.やりたいことが山ほどあるのにほとんどできずに11月になってしまった.一旦すべてをリセットして振り出しに戻したい気分.

 

20041027()

某地質系コンサルから毎日のようにメールが送られてきて,いつも楽しく読んでいるのだが,新潟中越地震が起きてからはその情報も示されている.昨日のメールに山古志村の地形図(地理院がウェブ上で公開している)に関する情報があったので,さっそく閲覧してみた.

山古志村は,一言で言えば,地すべり密集地帯だ.村のほとんどが過去に起きた地すべり地形で覆いつくされている.緩斜面(地すべり体の堆積物)中に数多くの凹地がある.それらの多くは(一般に地すべり地に多く認められるように)池や沼になっていて,地形図を見るとその多さに驚く.この地域には新潟標準層序の椎谷層・西山層の相当層が分布しており,それらの中で滑っているようだ.私は当地のn形地質を見たことがないので断言できないが,恐らく砕屑岩に挟まる火砕岩層が滑り面になっていたり,斜面傾斜と地層傾斜の方向が同じ場所で滑っていたりするのだろう.この地域や周辺の地域では過去に大きな地震が起こるたびに地すべりや崩壊が起こってきたのだろう.この地域はそういう所だ.そういう所に人間が居住し,道路や鉄道を通している.

亀の瀬地すべり(近畿地方の大和川沿い)において,排水工事をはじめとする土木地質学的手法によって地すべりをある程度抑制していることは有名だ.今後,山古志村でもそうした手段が試みられるかもしれない.しかし,山古志は地すべりや崩壊が多すぎる.すべてについて対応できるわけではない.地すべりや崩壊は地形地質が安定化しようとする自然現象である.自然に安定化しようとする現象を人間が科学技術によって抑制し,不安定のまま残すことは,どうしても無理がある.住民にはどこか比較的地盤が安定な土地に移住してもらい,他の場所は放っておく(滑っても崩れてもよい)という手も考えられる.しかし住民感情を考えると大きな声では言いにくい.

 

20041025()

新潟中越地震の本震発生時,私は三重県東部の某温泉で湯浴みを楽しんでいた.脱衣場で体をクールダウンしていたら妻から携帯に連絡があり,新潟で大きな地震が発生したとのこと.急いで車に乗り,ラジオをつけた.小千谷で震度6強とのこと.再三にわたり震度6強が発生,新幹線が脱線,高速道が陥没,山地斜面崩壊が多数発生,民家が崩壊,ライフラインが寸断と,次第に情報が集まってきた.兵庫県南部地震以来の大きな震災になったかもしれないと直感した.

被災した方々に心からお見舞い申し上げます.

余震分布(気象庁データ)は山古志村付近を北東-南西方向に直線的に伸びている.大まかには東山丘陵のトレンド,といよりは東山背斜に沿って分布している.震源メカニズム解は逆断層を示す.東山丘陵地域の地下浅所で逆断層運動が起こったようだ.

いま,いくつかの調査団が現地入りして物探や地表踏査,被害状況調査などを行っている.私もぜひ調査に加わりたいところだが,諸般の事情で行くことができない.

 

20041021()

最近,台風が来るたびに,テレビやラジオで「過去数年で最も土砂災害が起きる危険性が高まっている」という表現を耳にする.一昔前には聞いたことがなかったと思う.どしゃ降りの中,土砂災害が起こる危険をうすうす感じ始めている人にとって,この表現は強いインパクトがあるだろう.これを聞いて避難所に非難した人も多数いるに違いない.注意を喚起する表現として優れたものだと思う.だが,幸運にも土砂災害が起こらず,それが今後運良く何度も続いたら,この表現のインパクトはその土地の人々にとっては次第に弱くなっていくだろう.これが怖い.

日本の南海上には,また台風が出現し,今回の台風と似たコースを辿ってきている.来週にはまた「過去数年で最も土砂災害が起きる危険性が高まっている」がアナウンサーの口から繰り返されることだろう.

 

20041020()

電話加入権料の廃止が議論されている.私も大学入学時,始めて一人暮らしをはじめるときに,高い加入権料を払った記憶があり(お金は確か両親に出してもらった感謝),その時の証書(領収書?)をまだ大事に持っている.これが廃止されると,既に加入している人とこれから電話を引く人(支払う必要なし)の間で不公平な関係になってしまう.昨日今日のニュースや新聞で指摘されている通りだ.NTTはいろいろ言い訳をしているが,不公平を緩和する何らかの処置が必要だと思う.そうした処置なく一方的に権利をクズにしてしまうことは許されない.「金返せ」デモが発生したら私も参加してしまうかもしれない.

今日は夕方頃にトカゲが近づくらしい.今回もマグネ部屋で雨漏りと格闘しなければならない.ふう

 

20041019()

原稿修正や授業の準備など,いろいろやらなければならないことがあるのだが,やはり先日の温泉紀行文を書きたいという欲求が強く,思い切ってガーッと書いてしまった.疲れた.しかし,これで研究教育に集中できる.御嶽山周辺の温泉紀行はここ

11月末に青森の津軽に行くことになった.地質学会東北x部会に出るためだ.東北支部,懐かしい響きだ.院生時代に,仙台(確か科学館)で行われた発表会で一度発表したことがあるが,その時の総会で仙台の人達の否定的発言によって活動停止状態に追い込まれたと記憶している.最近活動を再開したのだろう.

津軽は大好きな土地だ.酒がうまいし料理も美味.人々も人情味あふれる.昔,卒論生を3人も投入してしまったが,その理由は愛知を離れて素朴な土地人情に触れてほしいと思ったからだった.ただし方言は大変きつくて,東北出身の私ですら字幕スーパーを出してほしいと思うことがよくある.津軽は温泉もスバラシイ.もちろん時間を作って堪能するつもり.ワクワク.

トカゲ(台風23)の影響で,明日から予定していたフィールドを延期した.もういい加減にしてくれ!

 

20041018()

御嶽山近くの山奥では4ヶ所の温泉に行った.秘湯中の秘湯として温泉マニアの中ではよく知られる塩沢温泉(旧湯元山荘の垂れ流し露天)をはじめ,濁河,御嶽明神,二本木と,いずれも個性のある極上の湯であった.やっぱり源泉かけ流しは最高!「もう循環風呂は入らない!」宣言をしたいくらいだ.レポートは後日時間ができたときに書く.なお,念のために断っておくが,今回の主目的もいちおう地質調査であり,温泉はその疲れを癒すために入ったのである.

当地では,まだ10月半ばというのに雪が積もった.こんなに早く冬道ドライブをすることになるとはまったく予想していなかった.雪の露天風呂もまた格別.

 

20041013()

今日,またまた新しい台風が発生したようだ.台風23号,その名はTokage (トカゲ).トカゲ・・・why? まったくわからない.誰が名づけているのか知らないが,相当趣味が悪い.どうせならばKirara (きらら)とかNanako (菜々子)というような可愛らしい名前にすればいいのに.

明日から某県の山奥に入る.秘湯の宝庫.楽しみだ.

 

20041012()

結局,どしゃ降りの雨でなくても,温泉に行ってしまった.熊野の温泉紀行はここ

台風22号は,予想されていた進路よりも少し東側を通過していった.そのため三重県南部は雨はやや多く降ったものの風は弱く,「本当に非常に強い台風なの?」という感じであった.

サンプリングは順調に進んだ.調子よく調査とサンプリングができたため,学生に予告しておいた地点数よりも少しばかり多く採ってしまった.学生は私を恨んでいるだろうが,データが少なくて頭を抱えるよりも,データが豊富でその解析で忙しくなるほうが良いに決まっている.あまり恨まないでくれたまえ.どんな結果になるか楽しみだ.

今月はまだまだ調査出張が続く.フィールドは楽しいので出張で忙しいのは苦ではないが,長い間家族と離れ離れの状態が続くことは辛い.

 

2004107()

このところ,この雑記を書く余裕がない.時間がまったくないわけではないが,日中は次から次へと打ち合わせや会議が入り,頭の切り替えをやっているうちに雑記のことをすっかり忘れてしまう.

今日からしばらく,学生のフィールドに行く.天気があまり良くないようなので,少し心配.台風もまた来そうな気配.どしゃ降りの雨になったら温泉巡りをするつもりだ.それはそれで楽しみ.タベとエを秘湯の世界へいざなってあげよう.

 

2004103()

教員採用試験に挑んだ学生2人から,ともに合格したという連絡があった.教え子から教師が出るのは初めてだ.合格するだろうという予感はしていたが,県の人事担当者は2人の素質をきちんと見抜いてくれたようだ.

卒業するまでに残された時間は僅かだ.今後は卒業研究に邁進してほしいと強く願う.採用試験の準備などで,例年の進行よりもかなり遅れている.持ち前の馬力と明るさで,その遅れを挽回し,優れた研究を成し遂げてもらいたい.

どんな教師像を目指すのか,どういう教育をしたいのか,それをよく考えてほしい.理想を持ってほしい.少なくとも,学習指導要領というマニュアルに沿ってただ知識を教えるだけの教師にはなってほしくない.最初は理想論だけで行動に移せないかもしれないが,現場に慣れてきたら自分の理想に向かって行動してほしい.理想を聞いてくれて適切な助言を与えてくれる仲間を持つことも大切だろう.

 

2004930()

松山での温泉体験記はここ

学会から帰ってきて,レポートと格闘している.あと5 cm分を評価すれば,この大変な作業から解放される.

最近の学生レポートの傾向として,箇条書きがやたらと多いことが気になる.露頭観察内容を箇条書きで列記するのはいいが,フィールドノートの記載をそのままの形でレポートに書き写したとしか思えないような愚作が多い.キーワードしか示されていなかったり,文同士が矢印で繋げられているだけだったりする(しかも矢印の繋げ方が間違っているときは最悪).要するに,きちんとした「文章」で書かれていない.読者()のことをまったく考えずに書かれているので,フィールドで指導した私ですら何が書かれてあるのか理解できないこともある.ここ34年で急にこうした傾向が顕著に出てきたと思うのだが,私の記憶違いだろうか.

もちろん,すべてのレポートがひどいわけではない.中には学生とは思えないほどレベルの高い記述をしているものもある.そういうレポートの場合,主語述語の対応や文同士の連結がしっかりしているので,読んでいてストレスを感じない.愛教大にもこうした優秀な学生がいるのかと思うと少し嬉しくなる.しかし残念なことに,こういうレポートを書ける学生はほんの一握りだ.

巡検レポートを書くのは大変だ.私もかつては学生だったから,彼らの大変さは痛いほどよくわかる.記載しなければならない量が膨大だし,観察事実から解釈を導くプロセスもしっかり示さなければならない.高校までの学習ではこれほど大量の記述をしたことはあまりないだろう.また,そもそもレポート執筆に慣れていない.書き方をわかっていない学生がとても多い.ゆえに私が彼らにレポートの書き方を教えるしかない.これも現代の大学教員に課された仕事だと思ってやるしかない.

 

2004925()

松山は遠い.ウェブでJR時刻表を調べたら,名古屋から5時間くらいかかる.岡山で乗り継ぐ特急は松江,松山,高知など,どれも(時間的に)遠くに行くものばかり.まあ,レポートをじっくり読める時間があると思えば決して悪いものではない.

道後温泉本館はもちろんのこと,椿の湯と奥道後温泉にも行ってみたい.奥道後にはジャングル風呂という巨大源泉かけ流し湯があるらしく,どんなものか楽しみだ.

学会(これが本来の目的,のはず)では,基本的に地質学会のネタと同じ話をする.しかし講演時間が20分とやや長いため,地質学会での話しに少し肉を加えなければならない.レビューを少し長くしようか.

本当は三朝のワークショップにも行きたい.有名な三朝温泉を楽しんでみたい.とても残念だ.

 

2004924()

とうとうレポート地獄が始まった.といっても,もちろん書く地獄ではない.読んで評価する地獄である.鳳来実習レポートの積算層厚30 cmに加え,今日新たに紀州巡検レポートと地学実験レポートが無堆積期間を挟んで累重し,合計40 cmくらいの層厚になってしまった.うーん,平行ラミナが美しい・・・などと感心している場合ではない!いったい,どうする!道後温泉に行くときにも電車の中で読まないと成績報告締切りまで間に合わない.温泉どころではないかも・・・

厚さ1 cmほど処理したところで,気分転換したくなった.というわけで今,これを書いている.

昨夜,家のすぐ近くに2度,雷が落ちた.雷光と同時に「ドッカーン!」というすさまじい衝撃音と微振動が発生し,思わずうわっと部屋の中でしゃがんでしまった.落ちる0.5秒前くらいから「シューッ」という音がしたと思う.あの音は何?空気摩擦抵抗の音?面白いことに,近くに落ちると電化製品が誤作動を起こすことがあるようだ.落雷と同時に,家の前の駐車場に止めてあるランエボ(私のではない)で,ピーピーピーというけたたましい警報音が鳴り出した.どうも車上荒らしの警報器が誤作動を起こしたらしい.隣の子供が怖さのあまり泣き出したのが聞こえた.子供はさぞ怖かったろう.

(追記)

もうすぐ次の日になろうとしているが,レポート堆積物は私を魅了して離そうとしない.気分転換に,某独立行政法人が管理運営しているデータベースのHPを見てみたら,翻訳機能があることに初めて気がついた.日英,英日の両方がある.すごい.さっそく試してみた.その結果,私は最高の気分転換をさせてもらった.

まず,次の英文(アメリカのあるサイトから抜粋)を邦文に翻訳させることを試みた: If we know where rock falls are likely and someone is installing a cable car, for instance, we can put rock bolts into the wall before construction begins.

はじき出された結果は次の通りである:「私達が落石が可能性が高く,だれがある場合分かるならば,建設前に壁に岩のボルトを置いた例えば,私達は缶詰にするケーブルカーを取り付けるのは始める」 (大爆笑)

次に,次の邦文(日本のあるサイトから抜粋)を英文に訳すことを試みた:「昨年1998年は測地学委員会がその観測事業の国内対応組織として発足してから百年にあたり,124日には講演会と記念式典が行われました」.

結果はこうだ: In hundred years, lecture and commemorative ceremony were done on December fourth, after the geodetics committee was started as domestic correspondence organization of the observation business in last year of 1998.

うーむ,一昔に比べれば爆笑度は低くなってきた気がするが,それでもまだ笑わせてくれる.感じとしては英日翻訳の方が爆笑度が高い.自動翻訳プログラムの開発って,とても難しいことが,よくわかるなぁ.

 

2004923()

地質学会

今回の地質学会では,数多くの新情報を入手することができ,また新しい共同研究の着手に関する打ち合わせもでき,私にとって有意義なものであった.自分の発表にはあまり満足していないが・・・.

今回は研究室の学生諸君も全員参加した.発表内容を理解することは無理でも,アカデミックな雰囲気のなかに身をおいていろいろ考えたり,プレゼンのテクニックを盗むことは,彼らにも可能だ.自主的に行動していた人,あまり気分の乗らなかった人,いろいろいたようだが,彼らは今回の体験で何を得ただろうか.

空いた時間に学生諸君と舞浜のミッキーマウスがたくさんいるところに行った.そのうち家族で行きたいと思っているので,その下見である.また,日ごろのストレスを発散されるためという目的もあった(あまりゴタゴタ書くと言い訳くさくなるか・・・).「地球の中心」という名を持つ場所では,内臓が移動するかのような恐ろし「体験をした.あの急降下は反則である.怖すぎて声も出なかった.ヒカルが乗ったら,きっと泣き出すに違いない.しかし怖いもの見たさというか何ていうか,ハマッてしまい,2回も乗ってしまった.夜に行われた水の精と火の精のショーは大変美しく,神秘的であった.感動した.強風のため花火が中止されたのは大変残念だった.

恐ろしいことに,翌日の学会会場で,他大学の知人から「昨日,○○(舞浜のこと)に行ったんだって」と言われた.ねえ君,どうして知っているの?学会参加者が,私たちと同様,あの場にいたのだろうか?または尾行されたのか?学生の中に実はスパイがいる?いずれにせよ,非常に狭い世界である.

温暖化問題?

来年,愛知万博が開催される.今日の午前中,その特番が某公共放送ラジオで放送されていた.

大学に来る途中,その番組を何気なく聴いていた.そうしたら,某研究センターの教授だというゲストの1人が次のようなことを言った.「マンモスは地球温暖化で絶滅したのです」.「人類も地球温暖化で絶滅するかもしれませんね」.

耳を疑った.確かにマンモスは最終氷期の終了(1万年前頃)とともにこの世から姿を消したように見える.だからこの人の「マンモスは地球温暖化で絶滅した」という発言は間違いであるとは言えないと思う.しかし,私が問題視するのは,この1万年前頃の気温上昇と,現在問題になっている「人類活動に関係するとみられる最近の地球温暖化」を,同質であるものとするような発言内容になっていることである.この人の後者の発言における「温暖化」は,19世紀初頭から始まった急激な温暖化を指しているように聞こえる.この最近の温暖化は,産業革命と時をほぼ同じくしていることから,機械化(産業革命)に伴って二酸化炭素などの温暖化ガスが大気中に大量に排出された結果起こったものと広く理解されている.1万年前頃の気温上昇とは原因が全く異なる.1万年前頃の気温上昇は約10万年周期で繰り返す氷期-間氷期サイクルによるものと理解される.このサイクルは地球の公転軌道の離心率が周期的に変化するためと考えられている.人間活動とは関係ない.

私が言いたいのは,「温暖化」という言葉で1万年前頃の事件と最近の事件を同列に扱うべきではないということだ.両者は明らかにメカニズムが異なる.地球環境科学をほとんど知らない人々が視聴している場において,偉い肩書きを持つ人が自信満々にそういう発言をすると,人々は「そうか」と鵜呑みにしてしまう恐れがある.

 

2004917()

今日は大変慌しい.あっという間に夕方になってしまった.これから支度をして,千葉へ移動だ.

自然科学入門はエアコンのない教室で開講されている.定員65名くらいの狭い教室に60人ほどの学生を詰め込み,窓を全開にして講義する.今日は期末試験だったが,私は暑くて汗がダクダク.こんな劣悪環境に,入学したての1年生を詰め込んで授業をする.ちなみに共通棟の多くの教室にはエアコンが設置されたが,なぜか1年生対象のこの授業はエアコンなしの教室で行われる.

こないだの紀州巡検では,偶然にも和歌山大学地学教室の団体と宿が一緒になり,学生の何人かは夜に酔っ払って乱入しあったようだ.その時に和大の学生の1人が「愛教大も(受験を)考えたけど,エアコンがないからやめた」と言っていた.エアコンがないことが赤本にでも書いてあるのだろうか.いずれにせよ,エアコンがないために,愛教大は学生を1人逃がしたことになる.

 

2004916()

内海海岸における今日の地学実験も,急激な潮位の上昇のために,夕方は悲惨な状態になった.猫の額ほどの狭さになった露頭は沖合を航行する大型貨物船が発生させた波をもろにかぶり,露頭観察が不可能に.小断層の走向傾斜の測定を大幅に時間短縮し,慌しく露頭を去った.海岸での巡検は本当にやりにくい.来年の実習地は変更しなければならないだろう.

でも,長かった地学実験もこれでやっと終わった.あとは明日の自然科学入門の期末試験をやれば,前期の授業は終了.授業まみれの前期がやっと終わる!しかし机の上には学生諸君が精魂込めて(?)作成したレポートが30 cmくらいの高さに積みあがっている.これを来週中に目を通さなければならない.ふうぅぅーーーー

DNAの二重らせん構造で有名なクリック博士がこの世を去って2ヶ月近くが経つが,今日,内海からの帰りの電車の中でクリック博士に関する記事を読んだ.博士は脳科学の分野に転向し,特に意識に関する研究で高い成果をあげていた.二重らせん構造の発見については「過去の業績」と言ってほとんど興味を示さず,永眠する寸前まで意識に関する論文の校正をしていたらしい.グレートな研究者の生き様を知ることは,大いに刺激になる.

 

2004915()

今度の地質学会では既に論文で報告した話をすることになっている.そんなことで準備は楽勝と思っていたら,学会まであと数日になってしまった.プレゼンの準備ができていない.明日,明後日は授業があるので,今日しか時間がない.

「マジンジラ」というマンガを読んだ.小学生高学年を対象としたエコロジーのマンガだ.たまたま書店で見かけ,なんとなく面白そうなので,読んでみた.なるほど小学生対象なのでストーリーは平易で読みやすい.企画者の意図も明確だ.環境に興味を持つ人は面白く読めると思う.

 

2004910()

紀州は大成功.目標をほぼ達成できた.大変充実した3日間であった.

週末は樹君のお宮参り.それが終わると京都に出張.その次は地学実験や期末試験.さらにその次は千葉で地質学会.しばらく休みがない.地質学会のプレゼンの準備はまだ半分もできていない.まずい.久々にパニックに陥るかもしれない.

昨夜,デジカメで撮った写真を整理していたら,去年の家族旅行の写真を見かけた.そこには楽しそうな輝と妻の顔がある.そういえば最近,家族で旅行をしていない.出産があったので仕方ないのだが,やはり寂しい.私は出張でいろいろなところに行っているが,妻はどこにも行っていない.家族で旅行にいける日が待ち遠しい.樹よ,早く大きくなれ.

 

200496()

昨夜は1回目の地震の後に久々に安城コロナの湯に行った.日曜日で客が多いからか,いつもに増してカルキ臭が強かった.温泉水の透明度は著しく高い.ふつうの水道水よりも透明に思えるほどだ.浴槽には温泉成分の沈着はこれっぽっちも見られない.強力な循環ろ過によって徹底的にゴミと沈着成分を除去し,何度も使いまわされた,塩辛いだけの消毒済み温水.そうとは知りながらも,僅かに含まれる(と思いたい)温泉成分の効能を期待して,ゆったりと湯に浸かった.

2度目の地震は温泉から帰ってきて自宅でテレビを見ているときに起こった.家では棚に立ててあった飾り物が揺れで転倒,落下した.報道では岡崎は震度3と出たが,それは地盤の良い場所(花崗岩)に位置する観測所の揺れであり,矢作川沿いの沖積低地には当たらない.我が家は震度4である.東海地震が起こったら我が家は本当に危ないかもしれない.

ところで先週,台風18号は西のほう(台湾方面)へ逸れていくと思っていたが,この台風,大きく向きを変えてしまった.高気圧の分布が変化して台風が北寄りに進める通路ができてしまった.紀伊半島には明日午後に最も接近する見込み.明日午後に予定している熊野酸性岩類の観察は無理そうだ.鬼ヶ城の火砕流堆積物だけは見ておきたいが,海が時化ると立ち入り禁止になってしまうかもしれない.立ち入り禁止にならなくても,轟音を立てて激しく砕け散る大波を見たら,露頭観察どころではなくなるかも.

台風の影響に加え,今回は地震の影響も考慮しなければならない.今後の余震に伴って津波が発生する可能性を否定できず,それが怖い.台風の影響はある程度予想できるが,津波はまったく予想できない.津波の情報に細心の注意を払わなければならない.今回は大変神経を使うフィールドワークになりそうだ.

 

200492()

昨夜のほしけんBBQでは少し飲みすぎたようで,今日は二日酔い気味.あまり調子が出ない.最近,酒に弱くなってきたような気がする.今日は資料整理やデータ入力などに時間を費やした.

来週は紀州巡検がある.台風18号がまた接近するのではないかと心配していたが,どうやら西に逸れていくようだ.よかった.しかしうねりはあるだろうから,天鳥の褶曲などの海岸露頭に行けるかどうか少し心配.

明日は出張の代休.そして土日がある.久々に3連休だ.散髪や掃除など,やるべきことがたくさん.それが終わったら子供と思いっきり遊ぼう.

 

2004830()

今朝,フェリーで名古屋港に着いた.

昨日,台風16号の接近でフェリーが運行されるかどうか心配したが,予定通り運行された.ただ,乗船するときに,S港の発券窓口の女性に「荒天で入港規制が行われる恐れがあるため名古屋港到着が数時間遅れる可能性があります」と言われた.あまり遅れるとお昼過ぎからの会議に間に合わなくなるが,たまにしか乗れない大型フェリーなので,迷わず乗船を決めた.しかし,このとき乗船をやめて陸路を選択しておけば,後に起こる悪夢の事態を回避できたのだった.

お昼過ぎにS港を出港.オーハシは大型フェリー乗船が始めてらしく,とてもはしゃいでいた.デッキで何枚か写真を撮ってあげた.両手を開いてタイタニックの真似をした.他人が見たらアホだと思うに違いない.S港は曇天だったが波は高くなかった.フェリーは港から出て沿岸を航行し始めたが,その時は僅かに揺れる程度で非常に快適だった.

15:00頃,スタンドコーナーでジャス演奏が始まった.久々に生演奏を楽しむ.心地いい.この時はフェリーの旅を満喫していると思った.このとき,オーハシはカプセルベッドで寝ていたようだ.

16:00過ぎ,暇になったので風呂に入った.この船の浴室は10人くらい入れる浴槽を持つ.お湯もガンガン出る.サウナも付いている.当然温泉ではないが,海原を見ながらの入浴は大変気持ちいい.しかしこの頃,前に比べて揺れが相当大きくなってきた.浴槽のお湯が船の揺れに合わせてザブンザブンと波打ち,まるでジャンボ海水プール状態だ.揺れに合わせて浴槽からお湯が溢れることもあった.だんだん揺れが大きくなってきたと感じ始めた.このとき,オーハシはまだ寝ていた模様.

風呂から出て,カプセルベッドでテレビを見て休んだ.揺黷ェいよいよ激しくなってきた.前後の揺れに加えて,ローリングも起こっている.まったくお腹がすかない.むしろお昼に食べたスパゲティーがずっと胃の中に残っているような感じ.これはやばいかも,と思い始めた.少し横になった.

18:00過ぎ,ディナーの案内放送があったので,オーハシと一緒にレストランに行った.しかしまったくお腹がすいていない.いま食べておかないと夜中空腹で辛いだろうという思いが私をレストランに向かわせたが,本当は食べたくない.しかし,レストランに入ると,そこには美味しそうな料理がたくさん並んでいた.バイキングなので食べ放題.「たくさん食べなければ損!」という貧乏欲がいで湯のようにふつふつと湧いてきた.おもむろに,大皿にステーキを2枚のせてしまった.その他,ビーフン,ミートボール,ポテト,ご飯,味噌汁,漬物,サラダ・・・おもむろにディッシュにのせる. いつもの僕だったら嬉しくて涙が出そうなボリュームと内容だ.しかし,テーブルについた途端,すごい揺れになっていることに気がついた.ドリンクコーナーではコップの収納トレーがまるでバネが付いているかのように上下に大きく振動している.コップの氷水がゆらゆら動く.当然私の体もオーハシの体もゆらゆら揺らされる.長周期の,何とも言えない揺れ.それでも何とかフォークとナイフを握ってステーキを食べ始めた.ところが,口に含んで噛み始めた途端,腹の奥底からジワッと悪魔が襲ってきた.胃が重く締め付けられる感じ.ああ,来た.だめだ.とても食べられない.「シマッタ」と思ったが,後の祭り.ステーキ2枚も取ってしまって,一体どうする,俺!無理である.

結局,ステーキは2口食べただけで,無念だがほとんどすべて残した.サラダと味噌汁は何とか食べたが,ご飯は無理だった.氷水は2杯飲んだ.バイキングで取りすぎてほとんど残すという,いつもの私だったら決して許すことができない行為.だが,そんなことはどうでもよかった.早くここを出てベッドで横になりたい.楽になりたい.本当にそう思った.

他方,オーハシはそんな私をよそ目に,平気でステーキをパクパク食べていた.全く平気な様子.彼女は残さず食べた.負けた.完敗である.こいつはすごい奴だ.本当にそう思った.

何とかベッドにたどり着いて,倒れこむように横になった.しかし,アレルギーの薬を飲むのを忘れていることに気づいた.枕元にお茶のペットボトルが置いてあったので,それで薬を飲んだ.そのときだ.ヒクッヒクッと,胃が私の意思を無視して勝手に痙攣し始めた.ヤバイ!頭から血がサアーッと流れ下る感じ.頭が痛い.よろよろ立ち上がり,深呼吸しながらトイレに向かう.めまいがひどい.なんとか抑えたい.通路で深呼吸を繰り返す.深呼吸,深呼吸・・・

一瞬,吐き気が治まった.この機を逃してはいけない.急いでベッドに向かう.そして横になる.枕をできるだけ立てて頭を高くした.それでも低いと感じたので,隣のあいているベッドから枕を勝手に持ってきて2つ重ねた.そして仰向けになった.この姿勢が最も楽だ.もう吐き気は襲ってこない.このまま朝を迎えたい.朝食はいらない.そう思った.この姿勢のまま,夜中までテレビを見た.男子マラソンが始まり,10kmを過ぎたあたりで眠くなったので,寝た.

2時間ほど寝ただろうか,ドーンという衝撃で起こされた.とんでもない揺れになっていた.うねりが巨艦を翻弄する.船首が海面から離れ,23秒後に海面をドーンと叩く.見ていないが,そうした様子がリアルに伝わる.船がビリビリ振動する.カプセルベッドが軋む.棚からペットボトルとメガネが落ちた.こうした揺れがずっと続いた.あまりの揺れに,A寝台の部屋では私以外にも何人か寝られない様子.私の車は大丈夫だろうか.他の車とぶつかっていないだろうか.船はポッキリ折れないだろうか.そんな心配が脳裏をよぎった.そういえば避難通路を確認していない.船が折れて浸水したらどうやって逃げるのだろうか.15千トンもあるこの巨艦が船首を浮かすのである.信じられない!きっとS港の女性スタッフはこうなることを予想していたのだろう.だから私に到着遅延の可能性を伝えた時に心配そうな顔つきだったのだろう.もっと強く,正直に言ってくれればこんなことにはならなかった!

朝方,うつらうつら時計を見ると7:00頃だった.船はほとんど揺れていない.あの揺れはどこに行った?はっと気づく.きっと伊勢湾に入ったんだ.助かった.船酔いもだいぶ治まっている.トイレに起きた.ふつうに歩けた.窓から海を見ると伊良湖岬が見えた.少しお腹がすいた.危機を乗り切った.

7:45,オーハシと朝食に行く.今度は食べられそう.残念ながらステーキはなかったが,たくさん食べた.おかわりした.昨夜のリベンジだ.今度はオーハシに勝ったと思った.ところが,なんとオーハシはあの夜中のとんでもない揺れを知らないと言う.そう,彼女はあの揺れの中,ぐっすり寝ていたらしい.こいつはやっぱりすごい奴だ.負けた.

下船後に知ったことだが,名古屋からS港に向けての今日の便は欠航となった.当たり前である.こんな状況で豪華クルーズなんて無理だ.

なお,Tフェリーの名誉のために付け加えておくが,荒天でなければこのフェリーは素晴らしい時間を提供してくれる.前に北海道にこのフェリーで行ったときは,至極快適な旅ができた.Tフェリーは日本の数あるフェリーの中でも評価が高いらしい(特に旅客部門).今度は家族と一緒に乗ってみたい.きっとみんな感動するだろう.ただし荒天時はもうこりごりだ.

 

2004827() <出張先にて執筆>

調査はあと1日を残すのみとなった.予定していた調査&サンプリングはほぼ終了したが,もう少しやっておきたいことがあるので,明日も忙しくなる見込み.

学生は大変よくやっている.今回は相当ハードな調査になると予想していたので,途中で泣き出すのではないかと少し心配していたが,よくついてきている.今日はドリルとポンプと冷却水20Lを持って登山を敢行し,目標を見事に達成できた.なかなか根性がある.サンプルのオリエンテーションもコツを掴んだのか,正確に早くできるようになった.彼女は今回のフィールドワークで何を考え,何を得ただろう.

愛知にはフェリーで帰る予定だが,大きな台風が接近しているようなので,ちゃんと運行されるかどうか心配だ.30日の午後に重要な会議が予定されているので,その日のお昼までには何としてでも戻らなければならない.しかし,もうしばらく滞在したいというのが正直な気持ち.家族には会いたいが,雑用と授業に追われる日々に戻ることを考えると気が重くなる.

 

2004825() <出張先にて執筆>

調査は順調に進んでいる.疲れが溜まってきたが,天気がいいので休む気にならない.

6時頃に起き,朝食を食べ,7時過ぎに出発.夕方は真っ暗になるまで調査し,宿に戻る途中で夕食をとり,宿に入ったらゆっくり入浴する.そして調査のまとめと明日の打ち合わせを行い,寝る.とても健全な生活だ.フィールドに来ると精神が安定する.

どこからか野焼きの匂いのする,ずっと信号のない高原の道路を,窓を全開にして飛ばしていると,こういう風景が私には合っているのかな・・・,と思ったりする.

 

2004822() <出張先にて執筆>

いまI県のK市にいる.途中1泊して2日かけてやってきた.愛知からはさすがに遠い.4年生の卒論フィールド調査のため8日間滞在する予定だ.

今日の午後,さっそく地質調査を行った.思ったほど露出が悪くなく,地質構造の把握は容易である.古地磁気学では磁化ベクトルの傾動補正が正しくできるか否かが重要だ.地質調査は欠かせない.学生は層序断面の3次元的理解で最初混乱していたようだが,なんとか理解することができたようだ.

宿はK市が運営している公共の宿だ.今回初めて利用する.チェックインして驚いた.新しくてきれいな建物,広いトイレ付客室(10),大浴場があり,これが1泊素泊まり2700円!学生も驚いている模様.田舎にはこのような素晴らしい公共の宿がある.高い金を払ってホテルに泊まるのがばかばかしくなる.

この近くには質の良い温泉がたくさんある.たまらなく楽しみだ.雨が降ったら温泉だ.

 

2004814()

来週の地学野外実習 I (鳳来町)の準備をしている.露頭で使う資料を準備していると,院生時代の指導教官だったO先生からもらった資料が出てきた.「一般地質学実習の手引」というその資料には,地層のフィールド調査に関する基本的事項がまとめられている.そういえば,当時私は地質調査の初心者で,この手引書を見ながら巡検で勉強したものだ.今,私が同じような資料を作っている.人間は大人になっても,指導を受けた先生の影響を強く受けているものらしい.私はまだまだO先生の知識と経験には遠く及ばないが.

この手引書の1ページ目には,学生に向けてのアドバイスが書かれている.いかにもO先生らしい刺激的なメッセージは次のようなものだ.

1) 自分で歩き,叩き,観察し,考えよ!

2) 現場には自分と教官しかいないと思え!質問は教官に!

3) 観察・考察事項は,その場で野帳にすべて記入せよ!同時に,重要事項は頭の中に入れよ!

4) 鍵層を持て!層序(地層の上下関係)を常に念頭におけ!

5) 野外での問題は野外で解決せよ!

6) 露頭から露頭へは考えながら歩き,常に先を予想して調査せよ!

7) 他人に石を落とすな!自分の運動能力を自覚し,危険でないルートを選べ!あわてるな!

8) さぼるな!自然は怠惰な人間には扉を開かない!

改めてこれを読み,ひょっとして私はやっぱりO先生の影響をかなり受けているのかなと思った.

このメッセージは,今の学生諸君にはインパクトが強すぎて,このままの形では見せられないかな.これを読んだだけでみんな逃げていきそう.だけど先生は今でもこれを使っていそうだな・・・.

 

2004813()

猫を轢いた.夜,街中を走行していたら,突然横から全速力で飛び出してきた.急ブレーキをかけたが間に合わない.対向車がいたので横に逃げることもできない.仕方なく轢いた.冷静だった.左前輪に当たった.後輪に当たった感触はなかったので,衝撃で横に飛ばされたのだろうか.可哀想だが仕方ない.たぶん死んだだろう.

犬猫を轢いたのはおそらくこれが3度目だ.最初は院生時代につくばの工業技術院(現在の産総研)の周回道路.真夜中,測定が終わって牛久の下宿先に帰る途中だった.今回と同様,左側から猫が全速力で飛び出してきた.生死は不明だが,今回よりもスピードが出ていたので,たぶん死んだだろう.2回目も院生時代.栃木県の国道を同級生と走っていたら,右横から犬が飛び出してきた.この時はさすがに衝撃が大きかった.この時はタイヤには当たらず,車の下に犬が入り込んだ.車の下で犬が転がったようで,ゴン,ゴンという音が車の下から数回聞こえた.オイルパンやマフラーに当たったのだろうか.バックミラーで見たら,その犬は何度か転がった後に横に逃げていった.死んだかどうかはわからない.助手席に座っていた同級生はとても興奮していた.

猫を轢いた2回とも左前輪という共通性がある.そういえば思い出してみると,タイヤのトラブルはいつも左前輪ばかりだ.レガシィー時代,紀伊勝浦の国道で横の斜面から突然20 cmくらいの石が転がり落ちてきて,必死で避けようとしたが左前輪を直撃.この時は左前方のフォグランプとバンパーの一部も破損した.タイヤはパンク,アルミホイールも変形してしまった.今の車になってからも,川上村中奥の林道で角張った転石を踏んでしまい左前輪がパンク.タイヤ側面が切れたので修復不可能だった.現地でスペアタイヤに交換していたら,パンクしたタイヤが転がり倒れてアルミホイールに傷がついてしまった(これは私のミス).これまで,右側のタイヤがやられたという記憶はない.

左前輪,呪われているのだろうか.信じたくはないが,何だか薄気味悪い・・・.

 

2004812()

今朝,出生届の提出や児童手当申請のために家の近くの市役所支所に行った.久々に役所で書類を書いたが,対応してくれた職員が丁寧に記載方法を説明してくれたので,スムーズに進んだ.また,児童手当の振込先がその場ではわからなかったが,後で電話で伝えてくれればよいとのこと.さらに驚いたのは,住民票などの取得が極めて早くできたことだ.つい先ほど出生届を提出した子供の住民票がすぐに取れた.これほどまでに役所の対応が迅速だとは.岡崎市だけのことなのだろうか?もしほかの自治体でも同様ならば,役所は昔と比べて相当便利になったと思う.市民相手のことなので本来当然なのだが,その当然であるべきことが実現されていることは素晴らしいと思う.

それに対して,本学は全く旧態依然としている.出生に関する事務手続きを行、ために書類を申請したら,数枚の書類が届いたが,その記載方法の説明は全くない.「自分で考えて書け,わからなかったら電話をよこせ」という態度だ.文書には法律書から抜粋したのかと思えるような超ムズカシイ文言が並び,意味がわか轤ネい.枠線がたくさん引いてあってゴチャゴチャしている.おまけに書類裏面には注意書きがダーッと記されている(それを読めということなのだろう).こんな書類を独力で仕上げるのは困難だ.そこで電話して聞くことになるのだが,なんと書類によって入試課とか経理課とか担当部署が違う.だから複数の部署に電話して書類ごとに質問することになる.結局,書類書きに相当の時間を費やすことになってしまう.

つまり,法人化されて非公務員の集合となった組織が,役所(公務員の集合)よりもはるかに「お役所」的なのだ.一体,何をやっているのだろう.ひょっとして,学生にも同じような対応を取っているのだろうか?今度学生に聞いてみよう.

 

2004811()

今日から通常の仕事だ.書きたい論文が山ほどある.さっそく論文に着手したいところだが,出生に関する事務手続きや来週からの出張の準備などが山積みだ.さて,どのようにこなそうか.

教員採用試験を受けた研究室内の2名の学生から,一次が通ったという朗報が届いた.我が事のように嬉しい.この調子で二次も通過してほしい.2人とも人格はとても優れているので,将来きっといい先生になるに違いない.県の採用担当者たちは彼女たちをどう評価するだろうか.

話は変わるが,9月末に松山で地球電磁気関係の学会がある.発表は27日午後だが,26日から28日までの23日にする予定.学会にはまじめに参加するつもりだが,自分の発表を行うだけなら日帰りでも可能だ.それを23日にする大きな目的は,そう,古湯で名高い「道後温泉」.日本最古の温泉ともいわれる道後に入れると思うと今からワクワクする.超有名な共同浴場「道後温泉本館」に加え,最近有名になりつつある「椿の湯」にも入りたい.道後は最近,源泉掛け流しであるにもかかわらずレジオネラ対策で塩素を混入し始めたことで話題になっている.よく言われることだが,掛け流し湯でどうして塩素消毒が必要なのか.これだから行政が行う杓子定規的なやり方は信じられぬ.まあ,いずれにせよ,道後を堪能してきたい.そうそう,誤解してほしくないが,温泉でリラックスするのは副次的なオマケであり,温泉に直接浸かりながら温泉水の起源や岩石と温泉水の相互作用などについてあれこれ考察することが入湯の第一の目的・・・だ(^^;)

 

200489() <自宅にて執筆>

昨日はI君のフィールドで久々に沢沿いの調査をした.標高の高い地域なので空気がとても清々しい.上流に民家がないので流水も極めてきれいだ.岩石の露出も最高で,ほとんど途切れなくルートマップを作成できる.彼は岩石の判別で少し苦労しているようだ.「アフィリックな安山岩」と「泥質ホルンフェルス」,「熱水変質の進んだ粗粒な安山岩」と「淡青緑色の砂岩」など,確かに経験を積まないときちんと判別できないだろう.しかしそれ以外の多くの岩石は判別できるようだし,観察事実からリーズナブルな解釈を導き出す能力も持っているようなので(彼には地質のセンスがあるかもしれない),現時点ではあまり心配していない.フィールドでどんどん悩んで,勉強して,たくましい地質屋になってほしい.

フィールドからの帰り道,御嶽山にあるひなびた一軒宿の温泉に立ち寄った.400円を払って風呂へ.客は私一人だけ.内湯は広くなく,湯船は5人くらい入ると一杯になりそうだ.循環式だったのが残念だが(冷鉱泉なので仕方ない),それでも「温泉」と書かれた蛇口が湯船の脇にあり,そこから冷たい源泉が出る.源泉を出しっぱなしにして入れば,温くなるが,いちおう源泉掛け流しの雰囲気は味わえる.源泉をなめると鉄っぽい味が.単に配管が錆びているだけかもしれないと思い成分表を確認したら,単純二酸化炭素鉄泉であった.先日の海水浴で日焼けした背中がヒリヒリ痛い湯であった.

湯船に浸かっていたら,突然「ドカン,ドカン」というすごい音,というか地響きが.オヤジが露天風呂を大割ハンマーで豪快に破壊している様子を駐車場から見たので,どうやらオヤジが破壊を再開したようだ.どうして露天を破壊しているのかまったくわからない.リフォームするのだろうか.いずれにせよすごい地響きで,とても温泉を楽しむ雰囲気ではない.客が入っている間くらいはやめてほしいものだ.さっさと出ることにした.運が悪かった.

夜の木曽路は気持ちいい.信号はほとんどない.高速カーブが多い.久々にドライヴを楽しんだ.夜のドライヴはとても久しぶり.学生時代には毎日のようにドライヴで遊んでいたが,そのときの楽しみがよみがえる.20代のときによく聴いたCDを久々に聴きながら,ずっと高速道路を使わずに岡崎まで走った.途中,中津川アピタのクルクル寿司に寄った.クルクルだからといって馬鹿にはできない.ここの寿司はなかなかいける.

 

200486()

今日は日,月の出張の書類書きのために研究室に来た.、修旅行(旅費なし)の場合はウェブ上で手続きできるのに,通常の出張(旅費支給)の場合は旧来の印鑑欄のたくさんある書類を手書きで書かなければならない.たいへん面倒だ.オンラインの手続きにしてしまうと誰かの仕事が減ってしまうためにこんな手続きを続けているのだろうか?

今日の午前中に,ベッドのある部屋に赤ん坊が来た.今日から退院するまでの間,ずっと赤ん坊は私たちのそばにいる.いよいよ育児の始まりだ.ヒカルのときの経験があるので気持ちの面では比較的楽だが(見通しがつく),それでもたいへんな生活になるだろう.退院後しばらくの間は妻の実家にお世話になる.いつもも甘えてばかりだ.長い出張に出るのがやや気が引けてしまう.しかしこれは仕事なので仕方ない.私を必要とする学生がいる.

 

200485() <自宅にて執筆>

自分の力で呼吸し始めたばかりの赤ちゃん.地球大気を肺いっぱいに吸い込んでいる.手足はふやけ,皮膚には白い薄皮のようなものがところどころ付いたままだ.目は時々開くが,まだ何も見えていないだろう.輝の時もそうだったが,この瞬間,私は自分でも驚くほど素直に感動し,生命の美しさに身震いする.今朝夜明け前の出来事だ.

目を転じてヒカル君.彼はまだこの現実をよく理解できていないようだ.当然である.しかし何となく察しているのか,今日のヒカルの心は目まぐるしく変化した.午前中,岡崎の「太陽の城」に連れて行ったが,5分も遊ばないうちに「理絵ちゃんとネンネする〜」と行って泣き出した.その後,安城の市営遊戯室に遊びに連れて行ったら,今度は閉館時間まで遊び続けた.しかしそこから病院へ戻る途中に「理絵ちゃんとネンネー!」と大暴れし,そのうち車内でパッタリ寝てしまった.面会時間が終わって岡崎の自宅に連れて帰ったら,最初は蟹江の両親にもらった焼きそばを楽しく食べていたが,突然「理絵ちゃ〜ん」といって涙ぐみ,そうかと思えば落とした焼きそばを発見してケラケラ笑い出した.それ以後,躁鬱のように「楽」と「悲」が何度も繰り返した.「どうしよう〜」,「お母さんとネンネしたい〜」,「お母さんいないよぅ」,「お母さーん」,「お母さんとネンネできないよぅ」,「助けてえ」,「お母さんと会いたいよぅ」.こんな輝,はじめて見た.ついには額に発疹が出て,一瞬ヒヤッとしたが,それはすぐ引いていった.そしてつい先ほど,おんぶをねだってきたので寝室でおんぶしたら,1分も経たないうち背中で寝てしまった.今はスヤスヤ寝ている.

明日はどんな日になるのだろう.人生の中でこんな貴重な体験は今しかできないはずだ.仕事は休暇を取った.

最後に,女性として最大の仕事をしてくれた妻に再び感謝したい.今はとにかくゆっくり休んでほしい.

 

200484()

まだ始まらない・・・

8/2に書いた文章を削除した.この雑記で一度書いた文章を削除するのは始めてだ.相当flameの入った文章を載せてしまったことを反省している.しかし,あの時は本当に腹が立っていたのだ.昨夜,理絵と食事に出かけたときにアドヴァイスされた.感謝している.通常はflame文を絶対に書かないと思っていて,学生にも書くなと教えているのだが,あの時は怒りを理性で抑えることができなかった.私もまだ子供だな.

毎朝NHKラジオを聴きながら通勤している.この季節,「こども科学電話相談」が毎日やっていて,大変面白い.まあ,多くの場合この番組が始まるまでに大学に着いてしまって,実際には聞く機会は少ないのだが.子供の発想の柔軟さにいつも感心している.発想の柔軟さという意味では,私もずっと子供であり続けたい.

 

200483()

まだ始まらない.おーい,もう出てきていいよ!

山形から京都の大学に移られた原田先生から資料が送られてきた.先生は私が尊敬する学者の一人だ.封筒を開くとたくさんの講義資料が入っていた.同封されていた手紙によれば,社会人相手に行った環境学という通信授業で余った資料だという.ざっと目を通したら,さすが原田先生,豊富な知識を有機的に結びつけた主張が大胆に展開されている.あらためて先生の視野の広さに驚く.さっそく勉強させていただいている.こんど研究室の学生にも紹介しよう.

 

200482()

2番目の予定日は今日だが,まだ始まらない.多少の誤差はあると知っていてもやはり落ち着かない.

ここ23日で急に実感が出てきた.どうも私は実感の程度が直線的ではなく指数関数的に増加する人間らしい.つまり直前にならないとダメってこと.ずっと前から理絵に「名前を考えてよ」と言われていたが,あまり実感がわかなかったので,本腰を入れて考えることはなかった.しかし今は違う.

(削除)

 

2004729()

昨日は大学が停電・断水だったため,久々に年休を取った.輝と一緒に吉良町の恵比寿海水浴場に行った.輝に浮き輪を持たせ,一緒に海水浴を楽しんだ.本格的に海水浴をやるのは本当に久しぶり.海パンは4年前にハワイで使って以来だろう.最初輝は怖がって私にしがみついていたが,そのうち慣れてきたのか一人でプカプカ浮くことができるようになった.水中で鉛直軸まわりにくるくる回転して面白がっていた.しかしまだ自分で泳ぐことはできない.昨日は台風の影響で波が少し高かったが,波をまともに顔面に受けても泣かなかった(口を大きく開けてすごく塩辛そうな顔をしていた).楽しい休日を過ごすことができた.この夏,できるだけ時間をつくって輝を海に連れて行きたい.

恵比寿海岸の駐車場で駐車料金として800円も徴収された.いつもは無料駐車場なのに,この時期だけ800円も取られるのは納得できない.ムカついたので係員に噛みついた.といってもガブッと齧ったのではなく,「いつから取り始めたんだ,いつまでだ?」と絡んだということ.高校生バイトらしき係員は引きつっていた.

 

2004726()

私のホームページがYahooでヒットしなくなった.Yahoo検索に「星博幸」と入れて調べたら,なんとたった4件しか出てこなかった.私のホームページだけでなく,学会や論文などの情報もほとんどヒットしなくなった.そんなバカなことってあるのか?一体どうして?正直,すごくショック・・・ ちなみにgooglegooで「星博幸」を調べると150件以上出てくる.

なぜヒットしなくなったのだろう?特定のホームページだけが消去されたわけではなさそうなので,私の名前に何か構造的な欠陥があるのだろうか?いや,googleではヒットするのだから,名前が悪いわけではないのだろう(と信じたい).もしかしてYahooに意図的に消されている?Yahoo関係者に恨まれるようなことをしたつもりないのだが・・・ でも,もしそうならばヒット数0件になるのではないか.

まさか,信じたくはないが,「雑記」を書き始めたからか? 言論の自由を否定するようなことをYahooがするとは思えないのだが・・・

Yahooよ,何が問題なのか,教えて.

 

2004723()

今日,とうとうマグネ部屋にエアコンが設置された,というか貴重な研究費の一部を使って設置した.これで夏でも快適に測定できる.

夏休みに入って,研究バリバリやるぞ!と意気込んでいたら,ここ23日の間に雑用がどんどん入ってきて,雑用を処理するだけで大変な時間がかかっている.雑用をこなすことも給料の一部に入っているのだから仕方ないのだが,さすがに嫌になってくる.

明日と明後日は急遽フィールドに行くことになった.

 

2004722()

毎朝出勤する途中,自転車に乗った中高生と何度かすれ違う.生徒が2人の場合,必ずと言っていいほど彼らは並んで自転車をこいでいる.会話をしながら自転車をこいでいるのだろう.細い道ですれ違うとき,ぶつかったら大変なのでこちらは速度を落とすか,場合によっては止まるが,不思議なことに彼らはなかなか並列体制を崩そうとしない.そのため,すれ違うときに彼らは接触しそうになるか,1人が田んぼに落ちそうになるか,1人が私の車に接触しそうになる.すれ違うときに1列になればいいのに,なぜかそうしない.挙句の果てに,彼らは「危ないじゃないか!」を言わんばかりに私の車を睨み返して走り去ってゆく.こっちのセリフだっ!もし,こうした状況で彼らが転んだり車と接触したりして怪我をしたら,それは車の運転手の責任になるのだろうか?怖い,怖い.自転車の乗り方すら知らない中高生のためにこちらが加害者にさせられるのは馬鹿馬鹿しい.明日からは原則として,細い道で彼らとすれ違うときには完全停止しよう.

 

2004720()

夏休みのフィールド予定を立てている.今夏は飛騨方面,東北方面,紀州,地元と,ほとんど休みなしでフィールドだ.今日は「東北大作戦・2004夏!」の予定を立てた.予定を立て,宿を予約し,文献を一通り集め,コンパイルマップを作成すれば,研究の1/3は進んだも同然だ.楽しい.

今日は中学生が研究室を訪問することになっている.東京工大の某教授の「地磁気逆転X年」ではないが,中高生の訪問は歓迎したい.地球科学の楽しさと奥深さを少しでも感じてほしい.

 

2004719()

温泉に関する書物を買って温泉について勉強中だ.知れば知るほど面白い.いつも行っている「コロナの湯」は,この本の著者がもっとも嫌うタイプの温泉のようだ.確かに私も,学生時代に何度も行った蔵王の大露天風呂のような湯につかりたい.蔵王山の山腹にある噴気地帯で,友と共に噴気孔から流出する熱水を岩石でせき止めて即席湯船を作り,本物の温泉を楽しんだことがある.あれは本当に楽しかった.

やっと授業が終わって,しばらく授業の準備をしなくてもよいと思うと嬉しい.今週は水曜日に日帰りの学生巡検があるが,その準備も終わっている.水曜日の巡検では,西浦の領家花崗岩と領家変成C幸田の深溝断層,岡崎の一畑山薬師寺の岡崎層群を観察する予定.車は大学のマイクロバスなので,学生に運転してもらう不安もない.

今年中に執筆したい論文をリストしてみた.5編書きたい.愛教大に就職して初めて受け持った学生たちの研究成果をいい加減にそろそろ出し切らないと,データと手法が古くなって使い物にならなくなる.

今日は午後から矢作の幼稚園に遊びに行くので,仕事はお昼まで.

 

2004715()

新潟で大変な水害が起こっている.被災者の救出や今後の援助がすみやかに進むことを祈りたい.

視点を変えて,今回の水害を地学的に見ると,平野の形成プロセスの一部を知ることができる.越後平野には信濃川や阿賀野川といった大きな河川がいくつか流れる.そういった河川によって,山地で侵食や崩壊によって発生した砕屑物やイオンは下流に運搬される.運搬された物質はやがてエネルギー的に見て安定な場所に堆積する.通常は河川水が透き通って見えるように,侵食,運搬,堆積といったプロセスはほとんど起こらない.今回のような嵐(イヴェント)の時に,侵食,運搬,堆積が一気に起こる.堤防が決壊して市街地に泥水が大量に流出したが,水が引いた後にはそこには泥を主体とする細粒砕屑物が堆積する.いわゆる氾濫原堆積物だ.現在の河川は人間が作った堤防によって流路がほぼ固定されているが,かつて河川は自分の思うがままに流れていたに違いない(もちろん自然堤防が形成されてある程度は固定されただろう).嵐も数え切れないほど起こったに違いない.そうした数え切れない嵐のたびに河川が大暴れし,浅海の堆積空間を砕屑物で埋積し,結果的に現在の越後平野(沖積平野)が形成されたと考えられる.平野の中でも比較的低いところには今後も嵐のときに泥水が押し寄せるに違いない.それが自然というものだ.

 

2004713()

昨夜も安城コロナの湯に行った.これで土,日,月と3日連続で温泉に行ったことになる.忙しいと言いながら温泉で安らぐ時間がある自分.複雑な思い.ヒカルはまた「上がる,あがる〜」と騒いだので,私はゆっくり入れなかった.1つの湯船に1分も入っていられない.歩き回るヒカルは知らないオヤジに「小僧,危ないぞ!」と注意されていた.

5階の男子トイレの小便器が2つ詰まっているようで,臭い,汚れ,害虫など,ひどい状況になっている.以前から詰まっていて,掃除のおばさんがうまいこと詰まりを直していたのだが,それでもまた詰まる.けっきょく昨日,使用禁止になった.小便器3つのうち2つが使用禁止・・・ このオンボロ建物は本当に何とかしないとそのうち大変なことになる.

今日はリジェクトされた原稿を修正しよう.

 

2004712()

今回の選挙は一勝一敗であった.書き記したいことはたくさんあるが,きりがないのでやめよう.投票率が50%に届かない可能性もあると思っていたが,予想に反してまずまずの投票率だったらしい.まあ,それでも決して高いとは言えないが.うちの学生諸君はちゃんと投票に行っただろうか?

昨日は尾張温泉に行った.岩風呂の大きさに驚いた.湯量も豊富.施設が全体的に古く,照明が暗く,また温泉沈殿物らしき物質がお湯にたくさん漂っているため,スーパー銭湯や「コロナの湯」のようなきれいで明るい施設に慣れた人にはやや抵抗があるかもしれない.しかし私はこういう温泉のほうが温泉らしくて好き.湯治場のような雰囲気すら漂う.何と言っても泉質が良い.いわゆる「ヌルヌル湯」だ.安城コロナの湯は塩化物泉で「湯上りさっぱり,お肌スベスベ」という感じではないが,尾張温泉はお肌ツルツル,ベタ付きもなく,大変良い.これだけ良質な温泉に600円で入れるとは,西尾張の人は幸せだ.

今週を乗り切れば,来週から夏休み!

 

2004710()

昨夜のビアホール+二次会で飲みすぎたらしく,今日は少し二日酔い気味.楽しい飲み会であった.

あるジャーナルに投稿していた論文原稿がリジェクトされた.2人の査読者は適度の修正が必要という判断であったが,あるアメリカ人エディターが「地域的なインパクトしかない」と言ってリジェクトにした.リジェクトには腹が立つが,幸いにも2名の査読者は建設的なコメントを提供しており,それらを参考に原稿を修正して別のジャーナルに投稿するつもり.

今回のように査読者はOKと言っていてもエディターがダメと言う場合がある一方,査読者がダメと言っていてもエディターが助けてくれる場合もある.査読者がダメと言い,エディターも助けてくれなかったときは,本当に落ち込む.

 

200478()

とうとうマグネ部屋にエアコンを設置することに決定.これで真夏でも気持ちよく測定ができるようになるだろう.こういう設備も個人研究費から捻出しなければならないことには大いに不満であるが,不満だといっていつまでも付けないでいても,結局自分が辛い思いをするだけだし・・・ ただ,例の雨漏り,窓際水鉄砲状態は,改善される見込みなし.施設課職員の話によると「金がない」そうだ.窓さえも修繕できない本学の財務状態は果たして健全なのだろうか・・・ 測定装置類を別の「より安全な」部屋に移して,現在のマグネ部屋を学生部屋にすることを考えている.

今日は生物学生の地学実験.毎日,毎日,毎日・・・授業.

 

200477()

「一度手をつけたことは最後までやれ,それがプロだ」という文言を見た.最近,浮気性がひどくなった私には,ずしんと響くものがあった.そうだよね,そうだ・・・ 初心に戻って,俺の味が出る,俺の一番得意な,そして俺しかできない研究に邁進しよう!

 

200476()

このところずっとアレルギーが強い状態だ.鼻声状態が続き,匂いをほとんど感じない.鼻声の状態が続くと話すのが億劫になるので,授業にも影響が出る.2週間程度の周期で良くなったり悪くなったりを繰り返す.薬,天気,季節はあまり関係ないようだ.もういい加減にしてほしい.どうしたらよいのだろう.

なんとなく周期性があることは何を意味するのか?自然界で2週間程度の周期を持つ現象には何があるだろう.初期帯磁率の変化と気候変動との間に関係が見られるように,私のアレルギー反応は何か自然現象と結びついているのだろうか?

 

200475()

安城コロナのコロナの湯に行く機会が多くなったので,昨夜とうとう回数券を買ってしまった.ヒカルはそろそろ幼児券が必要になってしまうが,しばらくは2歳児ということでごまかそう.

今週は相当ハードな一週間だ.水,木,金のお昼以降は会議,巡検説明会,地学実験,3年生の実験などで埋まっている.論文の直しもやらなきゃ.金曜夜にはビアホールで一杯やりたくなるかも.いや,もうやりたい気分.

 

200471()

明日の実験の準備でバタバタしている.実験では学生自身が露頭で採取した岩石サンプルを粉砕,磁気鉱物分離し,分離されたフラクションの初期帯磁率を測定するという内容だ.粉砕と鉱物分離という作業を体験させることが大きなねらい.造岩鉱物の磁性と初期帯磁率についても理解が深まってくれたら十分だ.

話は変わるが,ヒカルが私の前では「おとうちゃん」とあまり言ってくれない.私に向かって「りえちゃん」と言う.ふざけているのか,それとも私の印象が薄いのか・・・.複雑な思い.

昨日,家に帰ってからヒカルと近所を散歩したら,たまたま会った近所のおじちゃんやおばちゃんと世間話ができた.知らない人,しかも学生や研究教育業界人とは異なる人と世間話をするのは久しぶり.とても新鮮であった.

 

2004630()

学生諸君と予定を打ち合わせすることが多いが,メモを取っておかないとうっかり忘れてしまう.今日もある学生に失念を強く指摘された.そんなに強く言うことはないだろうと思うほど怒っていたが,彼女にとってはとても重要なことなので,怒るのは当然だ.忘れやすい理由はいろいろある.学生が多くて時間が経つと誰のことだったか混乱してしまう.1日に処理しなければならない事柄が多くて,しかもその内容が授業,自分の研究,社会的奉仕,事務書類書き,学生の指導,家庭のこと,雑用など多岐に渡り,頭のスイッチを何度も切り替えているうちに前のことを忘れてしまう.まあ,言い訳なのだが,それにしても1日の経つのが何と早いことか.

過去にも何度も学生との打ち合わせ事項を忘れたことがあった.我が愛すべき卒業生たちはきっと私が忘れたことすら覚えていないと思っているだろうが,そんなことはない,私はきちんと認識していますよ.きっと卒業生達は現役学生に「は忘れやすいので気をつけろ」みたいなことをメールかオフ会でアドバイス()しているに違いない.そう,確かに私は忘れやすい.このさい開き直ってやる.忘れやすい私に忘れさせないためには,極めて強く印象づけることが必要だ.その手段を考えてみたまえ.

投稿論文の直しがほぼ同時に立て続けに入ってきて,ややキレかけ状態.

 

2004628()

土日はヒカルと近所を散歩する.東大友には明治時代から集落があったことが明治の7.5万分の1地形図を見るとわかる.それゆえ東大友には今も車が通るのが難しいくらい狭い路地が多い.それらは僅かにクランクになっていたり,T字路になっていたりして,慣れないと道に迷う.古くから残る集落は車通りの多い道路からやや離れているので,路地を歩いていると車の音はほとんど聞こえない.聞こえるのは自分とヒカルの歩く音,路地脇の民家から聞こえてくる家事の音やラジオの音,そして猫の泣き声くらいだ.ヒカルのはやさに合わせてサンダルをパタパタ鳴らしてゆっくり歩く.心地よいひとときだ.

昨日は猫にあった.首輪はしていなかったが人懐っこい猫で,ヒカルと私の足元にニャーニャー言いながら寄ってきた.ヒカルは猫のほうから寄ってきたのは初めてなのではないか.ヒカルはしきりに猫を撫でていた.家に帰ったら,リビングでニャーニャー言いながら四つん這いで猫の真似をしていた.

 

2004625()

今朝,ラジオのアナウンサーが「・・・名古屋では細い雨が降っています・・・」と言っていた.小雨ならともかく,細い雨という表現を私は使ったことがなく,聞いた覚えもない.しかしその場の雨の感じがとてもリアルに伝わる.感嘆.

今日はこれから2限目の講義をやって,お昼からは幡豆町に巡検だ.窓外を見ると細い雨が降り続いている.学生の中に,私の強い晴れ男パワーを上回る強烈な雨男または雨女がいるに違いない.

 

2004623()

今日も熱消磁.昨日よりは少しましだが今日もやっぱり暑い.いま消磁しているサンプルではマグネタイトのアンブロッキングがきれいに見える.こんな些細なことでも何となくうれしい.

段階熱消磁の合間に20分程度の空き時間が周期的に出現するが,この時間はなんと言うか非常に使いにくい時間だ.授業の準備や論文を書くにはちょっと短い(図表の作成くらいならいいが).結果的にこの雑記を書いたり,データを解析したり,研究室の整理をしたりすることが多い.先ほどは会議の資料などのゴミ箱には捨てにくい文書を大量にシュレッダーにかけた.

1000枚以上の紙をシュレッダーにかけている間に思ったこと.なんという紙の無駄遣い.会議資料の90%以上はシュレッダー行きになる.膨大な会議資料を作るのに事務職員はどれほどの時間を使ったのだろうか.そして私はその資料のほとんどをシュレッダーでバリバリ破砕する.結局,紙だけでなく多くの人の大切な時間も最後はシュレッダーでゴミになる.

 

2004622()

昨日は本当にひどかった.午後1時頃から風雨がいよいよ激しくなり,523(マグネ部屋)の窓を横殴りした.築30年を超えるオンボロ自然科学棟の窓はシールが劣化したり遊び(ガタ)が大きくなったりしており,隙間だらけ.その隙間から風雨が室内に容赦なく吹き込み,窓際が水鉄砲状態に.近くにはスピナーが置いてあり,水がかかったら大変!熱消磁を中断して水鉄砲対策をするはめに.午後2時,嵐はクライマックスに!!水鉄砲10連発!こんな感じで2時間以上も窓際でダンボールと雑巾片手に水遊びをしたのであった.幸い磁力計に被害はなかったが,床はびしょびしょ.さらに,天井のモルタルもポロポロと剥がれてきた.屋上からの雨漏りか・・・? 学長!自然科学の実験室がこんな状態でいいのか!早期改修,改築を望む!

今日は一転,台風一過で,マグネ部屋はめちゃくちゃ暑い!熱消磁をやっているので,まさに真夏にストーブ状態.こんな劣悪環境でもスピナーはちゃんとクルクル回る.すばらしい.でも,マグネ部屋の移転を本気で考えよう・・・

 

2004621()

いま台風の影響で風雨が強まっている.窓の外を見ると横殴りの雨がすごい.気象警報が出たことから大学は休講になった.今日の午後に予定されていたゼミも延期にした.

昨夜は輝と一緒に安城コロナの「コロナの湯」に行った.家から車で15分で温泉に入れるとは,我が家はなかなかよい所にあるものだ.前に行ったときには輝が「もういい,あがる〜」と喚いたためゆっくり入れなかったが,今回は温泉をじっくり堪能できた.輝は露天風呂の脇にある浅いプールのような場所を気に入ったようで,ずっとそこで遊んでいた.そのおかげで私は大露天風呂,檜湯,寝湯(暖かい石畳に湯が流れていて寝転がると気持ちいい!)を楽しめた.コロナの湯はかなり塩辛く,輝は「しょっぱい,しょっぱいね」と言いながら何度も舐めていた.大満足の日曜夜だった.

段階熱消磁実験の合間にこれを書いている.水曜日には実験を終わらせたい.

 

2004618()

学生を巡検に連れて行くときにいつも悩むのは交通手段だ.もしものことを考えると学生諸君に車をお願いするのは気が引ける.しかし,現実には車を出してもらわないと巡検が成立しない.本学のバスは夕方5時まで大学に戻るという条件がつくので使いにくい.こういうとき,大学の近くに露頭があると都合がよいだろうな.本学でも近くにいちおう礫層の露頭は存在するが,そこで巡検をやろうとはとても思わない.難しい課題である.

ヤフーのニュースを見たらアカデミックハラスメントの記事が出ていた.おそらく,あまり表面に出ていないだけで,実際には相当あるのではないか.幸い,私は怒り狂うほどのアカハラを受けたことはない.しかし本学でも講座または教室によってはあるかもしれない.見えないのでわからない.

明日,明後日は久々に休もう.来週は測定!

 

2004617()

嘘をついてうまくごまかしているつもりでも,多くの場合,嘘は見破られている.騙される側は,騙されたつもりになってとぼけているだけで,本当は相手が今度はどういう嘘をついてくるのか出方を待っている.世の中,そういうものだ.嘘で世の中を渡っていくことはできない.嘘で固めるなんていう生き方,竄゚よう.

 

2004614()

グリーン席,たいへんよかった.はまりそうで,こわい.

出張期間中に会った某研究者から聞いた話.その人の大学の学部では,科研費などの競争的研究費に申請しない人の教員研究費(校費)を減額するというシステムが始まったらしい.科研費に採択されても,されなくても,申請することに意味を見だしている.何か研究をやりたいので科研費を申請するわけで,そういう人には校費を少し多く与えましょう,他方科研費に申請すらしない人には金をあげないよ,ということだ.素晴らしい!ちなみにその人の学部では90%以上の教員が科研費を申請しているらしい.それゆえ実際には申請したからといってそれほど多くの金が来るわけではない.しかし,そういうシステムを考案し,実際に運用を開始できるという雰囲気が素晴らしいと言いたい.目を転じて愛教大,ここは一体・・・

今日は測定だ.サンプルの残留磁化強度が強く,IRMを付けると振り切れそう.サンプル作りで午前中つぶれた.さあ,やるぞ!

 

2004611()

毎年6月と7月は授業が多いと覚悟しているのだが,長い実験授業が毎日続くとさすがに疲労が溜まる.今日も234限とずっと授業.「ここは中学,高校か?」と疑いたくなるほど授業中心の毎日だ.研究所の若手研究員がうらやましい.土日は溜まった疲労とストレスを開放するために休みたい.しかし明日,明後日は富山出張で休みなし.・・・愚痴るのはやめよう.

グリーン席,楽しみだ.

 

2004610()

今朝,NHKラジオで「ビーサン飛ばし」の話をしていた.子供の頃,ビーチサンダルを飛ばして遊んでいたのを思い出した.久々にやりたくなった.研究室の学生たちとやれば,おそらくボクが優勝だろう.○○2位かな.△△は足を後ろに持っていったときに後ろに飛ばしてマイナスの記録になるに違いない.

独法化した本大学は,今後厳しい運営を強いられる.本学は国からの運営交付金以外に大きな収入がない.その運営交付金は毎年一定の率で削減されていく.生き残る方法として考えられるのは2つだと私は考える.

(1) 収入増をはかる.運営交付金以外の収入ルートを模索するべきだ.地域住民向けの公開講座を多く開く,駐車料金を取る,科研費等の競争的研究費に積極的に申請する(教授さん,あなたのことですよ!),企業や自治体との共同研究・開発に積極的にかかわるなど,それぞれの額は小さいが集まれば無視できない収入になるだろう.授業料のアップも考えられるが,これは最後の手段とすべきだ.授業の質をより向上させるなどの教授陣の努力を伴わず授業料だけを上げるのは適切なことではない.

(2) 支出を抑制する.余計なものは買わない,余計なものには金を使わない,これに尽きると思う.例えば,研究しない教授,教育しない教授には,教員研究費を与えない.当然のことだ.例えば,節電に努める.これも当然.夜の自然科学棟では,誰もいないフロアで廊下が煌々と照らされていることがよくある.人が通るときだけ自動的に照明がつくセンサー付き照明システムを導入すればよい.初期投資は必要だが,長期的には財政的にプラスであるに違いない.

まだまだ言いたいことは沢山あるが,これを書くのに多くの時間を使うことも無駄なことなので,今日はやめよう.地学実験が始まる時間まで,研究だ.

 

200469()

少し時間ができたので久々に磁気測定をした.測定は楽しい.明日は地学実験,明後日は3年生の固体地球科学実験,そして土日は富山で中部支部なので,しばらく測定ができない.飽きてイヤになるほど測定したい!今日はそんな気分だ.

富山行きの電車のチケットを生協で申し込んだら,禁煙車指定席が満席で取れなかった.喫煙席は空いていたが,死んでも座りたくない.金曜日の最終の特急なので混んでいるのか?自由席は座れない可能性が高いし,座るためには早めにホームに行って並ばなければならず時間がもったいないので避けたい.そこで,思い切ってグリーン席を取った.初めてのグリーン車,なんかワクワクする.指定席を予約しようとしていたときには3時間半の乗車を嫌だと思っていたが,不思議なものでグリーン席を取った今は3時間半が楽しみだ.ゆったり本でも読みながら行こう.それにしても富山は遠い.

 

200467()

今朝は5時くらいにヒカルがギャーギャー泣き出し,非常に気分の良くない朝だった.朝早く大学に来たものの,いまいち乗り気になれない.

今週はあまり余裕がない.今日は講座会議.明日は夏原技研.水,木,金は毎日授業.いよいよ金曜日から大変な実験が始まる.さて,気分を入れ替えて実験の内容を考えよう!

どうでもいいことだが,どうして「岩石」と呼ぶのだろう?「岩」または「石」でいいのではないか?岩石学の代わりに「岩学」または「石学」ではダメか?本当にどうでもいい話なのだが・・・

そうそう,最近田んぼの生き物観察に興味がある.昨日も輝と一緒に近所の田んぼに出かけた.蛙の卵と思われる,白く小さな球状粒子が水際に大量に見られた.小さなおたまじゃくしもちらほら見られた.他に,透明で少し緑がかっている体長2cmくらいの魚のようなものがたくさんいた.家に帰ってからインターネットで調べたら,「ホウネンエビ」というらしい.魚ではなく海老だった.これがたくさん出ると豊作になるらしい.実に多様な生き物がいるものだ.

 

200464()

昨日の内海海岸は夕方に満潮を迎えたようで,巡検終了時には露頭のほとんどが水没し,残された猫の額ほどの露頭で観察を行う羽目になった.2年前の事件の再来である.学生諸君,許してくれたまえ・・・ エンリンにこのことを話したら思いっきり笑われた.きっと周囲に言いふらすだろう.来週の木曜日は夕方に干潮になるはずなので,今度は大丈夫のはず.天気が心配だが.

明日,明後日は,久々に連続で休もう.でも,今日行った試験の65人分の採点はやらなければ!

論文書きたい!まとまった時間がほしい!早く夏休みにならないかな〜

 

200463()

いま地学実験の準備をしている.学生用クリノメータが1個壊れているのを発見した.クリノメータの製造元である昭和測器さんが最近倒産したらしいことを人伝に聞いており,さっそく電話したが,やはり大変な状態であることがわかった.昭和測器のクリノメータはずっと愛用しており,どんな形でもいいから今後も作り続けていってほしい.

例の佐世保の事件の詳細が徐々にわかってきた.ウェブ上の書き込みやメールをきっかけに,喧嘩になったり不仲になったりすることは大人でもよくあることだ.あまり分別のつかない子供だったら大人以上にトラブルになることは十分予想できる.小中学校の教員でネット社会をよく知っている人は少ないというのが現実だろう.パソコンの基本操作を子供たちに教えることはできるが,コミュニケーションのルールや了解事項を教えることは難しい,または教員自身が知らないというのが現実だろう.事件の背景を徹底的に調べ上げ,その結果を今後の教育に十分生かしてほしいと願う.しかし,小学生の60%以上が自分のHPを持っているという事実には驚いた.

今朝,玄関で靴を履こうとしたら,靴の中に小指大の小石が2つ入っていた.きっとヒカルが入れたに違いない.どうして靴に入れるのか全くわからないが,なんか楽しくなった.

 

200462()

昨日の朝に痛ましい交通事故のことに触れたが,そのすぐ後に佐世保で信じたくない事件が起こった.これから事件の背景が調査されていくことだろう.妻を病気で亡くし,さらに子供をこんな形で失ってしまった父親のことを考えると・・・ 胸の底になんというか圧迫されるような感じがする.

今朝,夢を見た.授業で行き詰って,学生が徐々に退室して,終いには3名の学生しか教室に残っていなかった.どうしてこんな嫌な夢を見たのだろう・・・

明日の地学実験では,気持ちを新たに,頑張って教えよう!

 

200461()

今日は開学記念日で休講.いつも賑やかなキャンパスも今日はすごく静かだ.しかし教職員会議という会議が午後に開かれる.いチたい何を議論するのだろう.教室会議,講座会議,系会議,教授会,教職員会議,全学会議・・・ どうしてそんなに会議が必要なのだろう.どうしてそんなに会議をやりたがるのだろう.「私は会議をやりたい」と会議で言い切った教授が身近にいるが,そういう人はさっさと大学なんて辞めて政治家にでもなったほうがいい.

今朝,東関東道で3名が死亡するという痛ましい交通事故があったらしい.死亡者のうち1(子供)はなんと事故現場から5kmも離れた道路上で発見されたらしい.他の車に5kmも引きずられたのだろう.痛ましい限りで言葉もない.

こうした事故に加え,虐待,イラク日本人襲撃,テロなど,最近はそういう痛ましいニュースが本当に多い.新聞を読んでいて顔が綻ぶのは文化面だけだ.みんな大人が作っている現実だ.こうした現実の中で育っていく子供たちは,どうなっていくのだろう.

 

2004527()

今日から雑記を書くことにした.

今日は地学実験だった.地学の2年生諸君,なかなか明るい.粒度板製作のような単純作業でも,手を動かして自分で何かを生み出すことは楽しいに違いない.一方,地学に配属されてまだ2ヶ月もたっていないが,すでに「なんで私ってここにいるんだろう」みたいに思っているような学生が数人いるようだ.来週の実験からフィールドに出るので,そこで地学の面白さを少しでも感じてほしいものだ.足を波に洗われて「もうイヤ!」とキレないように祈るばかりだ.

長い実験をやると疲れる.ほとんど立ちっぱなしなので足腰が辛い.体力が落ちているせいもあるかもしれないが(もっとフィールドをやらなければ!),話している最中にあちこち移動する癖があることも原因の一つなのだろう.移動癖は圓林嬢に指摘された.やっぱり学生はよく見ている.

話はガラッと変わるが,昨日,自宅に新しいダイニングテーブルが納品された.無垢のナラ材で「とらふ模様」が見えるテーブルを三重の小さな会社で作ってもらった.けっこう高かったが,たいへん満足している.ずっと大切に使っていきたい.